四つの門と長い塀

長谷園の門と塀は一括で登録されており、屋敷を画す一つの仕組みとして読むのがよい。主屋の正面に表門が立ち、別荘の正面には西門が立つ。主屋と表門のあいだには中庭門を置き、各門の間と屋敷地背面を土塀がつなぎ、総延長は106mに及ぶ。造営は大正期、1912年から1926年のあいだ。

門はそれぞれ役割が異なる。表門は間口およそ1.8mの四脚門で、風格を備える。西門は1.7mの腕木門で、隠居所の入口らしく軽やかで瀟洒である。小さな中庭門は約1.3mで、瓦ではなく銅板で葺く。

登録の理由

門及び塀は、国土の歴史的景観に寄与するものとして平成27年(2015年)3月に登録有形文化財となった。評価されたのは個々の門ではなく、群として働く点である。格の異なる入口へと屋敷を仕分け、街路の景観をまとめている。

塀の腰を竪板張とするのは意図的な手つきである。内側の建物の材料と線を受け、門・塀・住居が一つの構成として読める。窯元が寄り合う集落で、稼働する建物と住まいが近接するなか、この統一が長谷園の門構えに性格を与えている。

見どころ

門は、それが仕える建物と照らし合わせて読みたい。四脚門の表門は主屋の前にふさわしい重みをもち、腕木門の西門は背後の別荘に合わせて控えめである。街路沿いに土塀をたどり、腰の竪板張が内側の建物の木部と呼応する様子を見たい。

門と塀は丸柱の公道に面しているため、敷地に立ち入らずとも眺められる一角である。屋敷全体の入口を定める要素であり、これを先に読むと奥の建物の位置づけが分かりやすくなる。

Q&A

Qこの登録には何が含まれますか。
A門と塀の一式です。表門・西門・中庭門と土塀が、一件の文化財として一括登録されています。
Q門はどう違いますか。
A表門は主屋前の格式ある四脚門、西門は別荘前の軽やかな腕木門、中庭門は小さな銅板葺の門です。
Q塀の長さはどのくらいですか。
A土塀は総延長106mで、各門をつなぎ屋敷地の背面まで画します。
Qいつ頃の造営ですか。
A大正期、1912年から1926年のあいだです。
Q見学はできますか。
Aできます。門と塀は丸柱の公道に面しており、敷地の外から眺められます。

基本情報

名称長谷園門及び塀(ながたにえんもんおよびへい)
所在地三重県伊賀市丸柱569他
指定区分登録有形文化財(建造物・その他工作物/産業2次)
登録年月日平成27年(2015年)3月26日 登録番号 24-0201
員数1棟(一式)
時代大正期(1912~1926年)
構造表門 木造瓦葺 間口1.8m/西門 木造瓦葺 間口1.7m/中庭門 木造銅板葺 間口1.3m/塀 土塀 総延長106m
公開公道に面し、外から見学可

参考文献

国指定文化財等データベース — Cultural Heritage Online (Agency for Cultural Affairs)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010475
伊賀焼窯元 長谷園 公式サイト — 長谷園について
https://igamono.co.jp/at-first/
観光三重 — 伊賀焼窯元 長谷園
https://www.kankomie.or.jp/spot/33

最終更新日: 2026.07.11