末広橋梁とは

末広橋梁(旧四日市港駅鉄道橋)は、三重県四日市市末広町と千歳町の間で四日市港の千歳運河に架かる、昭和6年(1931年)に完成した跳開式の鉄道橋で、平成10年(1998年)12月25日に国の重要文化財に指定された。四日市市によれば、重要文化財に指定された最初の動く橋で、現役の可動橋では最古のものである。

文化庁の記録では、鉄製プレートガーダー橋4基(跳上橋1基を含む)、コンクリート製の橋台2基と橋脚4基(機械室を含む)、バランスウェイト・支柱及び巻上装置一式(操作室を含む)から成る。所有者は日本貨物鉄道・東海旅客鉄道・三重県である。

山本卯太郎と四日市港

四日市市によれば、設計は橋梁コンサルタントの草分けである山本卯太郎の主宰する山本工務所で、文化庁は可動橋を専門とした山本の代表作としている。明治以来全国で約80の動く橋がつくられたが、現在も動いているのはわずか3例しかない(四日市市)。

日本機械学会は、平成27年(2015年)に機械遺産第70号に認定した。同学会によれば、昭和6年12月に完成した全長58メートルの跳開式鉄道橋で、現役で使われている唯一の鉄道可動橋である。主にセメントの搬出に使われ、中部国際空港の建設時には大量の土砂が運ばれた。

重要文化財としての価値

末広橋梁は「技術的に優秀なもの」「歴史的価値の高いもの」として重要文化財に指定された。文化庁の解説は、可動橋を専門とした山本卯太郎の代表作で、旧港の港湾施設とともに四日市港の発展過程を示すと評価している。

見どころ

末広橋梁は全長58メートル、幅4メートルで、中央の桁16.6メートルを、橋脚上に立つ高さ15.6メートルの鉄塔の頂部からワイヤで巻き取り、80度に跳ね上げる(観光三重)。四日市市は、橋の中央部が門型の鉄柱に架かるケーブルで持ち上げられ、蝶つがいのように動くと説明している。

日本機械学会によれば、「く」の字形のリンクを使った平衡装置により、可動桁の角度にかかわらず必要な動力が一定に保たれ、それ以前の可動橋より小さな動力で動かせるよう工夫されている。ふだんは桁を下ろして貨車が通り、船が運河を通るときにゆっくりと上がる(四日市市)。

見学について

末広橋梁の外観は自由に見学できるが、内部は非公開である(日本機械学会)。観光三重によれば、1日に5〜10往復の貨物列車が通る。すぐ近くの千歳運河には、同じく跳ね上げ式の道路橋である臨港橋が架かる(四日市港管理組合)。

所在地は四日市市末広町・千歳町で、JR関西本線の四日市駅から徒歩約20分。問い合わせは四日市市教育委員会(059-354-8240)(観光三重)。

Q&A

Q末広橋梁はいつ完成しましたか?
A昭和6年(1931年)12月です(日本機械学会、文化庁)。
Q末広橋梁はどのように動きますか?
A中央の桁16.6メートルを鉄塔の頂部からワイヤで巻き取り、80度に跳ね上げます(観光三重)。
Q末広橋梁を設計したのは誰ですか?
A橋梁コンサルタントの草分け・山本卯太郎の山本工務所です(四日市市)。
Q末広橋梁は今も使われていますか?
Aはい。現役唯一の鉄道可動橋で、貨物列車が通ります(日本機械学会、観光三重)。
Q末広橋梁が重要文化財になったのはいつですか?
A平成10年(1998年)12月25日で、動く橋として初めての指定です(四日市市)。

基本情報

名称末広橋梁(旧四日市港駅鉄道橋)(すえひろきょうりょう(きゅうよっかいちこうえきてつどうばし))
所在地三重県四日市市末広町・千歳町
指定区分重要文化財(建造物)
指定年平成10年(1998年)12月25日指定
員数1基
寸法鉄製プレートガーダー橋4基(跳上橋1基を含む)、コンクリート製橋台2基・橋脚4基、バランスウェイト・支柱及び巻上装置一式
所有者日本貨物鉄道・東海旅客鉄道・三重県
公開状況外観は自由見学、内部非公開

参考文献

末広橋梁(旧四日市港駅鉄道橋)(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/00004110
末広橋梁(四日市市)
https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1001000002697/index.html
末広橋梁(旧四日市港駅鉄道橋)(観光三重)
https://www.kankomie.or.jp/spot/4326
機械遺産第70号 末広橋梁(日本機械学会)
https://www.jsme.or.jp/kikaiisan/heritage_070_en.html
旧港(四日市港管理組合)
https://www.yokkaichi-port.or.jp/oldport.html

最終更新日: 2026.10.10