蔵の郷土館齋理屋敷石風呂 ― 白御影石で組んだ明治の浴室
蔵の郷土館齋理屋敷石風呂は、宮城県伊具郡丸森町町西にある明治後期(1898〜1912年)の石造平屋建ての浴室棟で、平成23年(2011年)1月26日に国の登録有形文化財に登録された。
嫁の蔵の西側に位置する小さな建物で、東西4.0メートル、南北2.7メートル、建築面積は11平方メートルしかない。壁から浴槽まで石で組み上げた浴室が屋敷の一角に残っており、文化庁は「白御影石を贅沢に用いた浴室遺構」と評している。
登録の理由 ― 地元の花崗岩と江戸切の仕上げ
材料は地元で採れた花崗岩である。丸森周辺は花崗岩の産地で、屋敷の外灯や電線用石柱にも丸森産の石が使われている。壁面の石は江戸切で仕上げる。江戸切は、石の合わせ目に沿って細い縁を平滑に削り出し、内側を粗いまま残す仕上げで、目地が線のように引き締まって見える。
出入口は北側にあり、窓は北と西の面に開く。内部は東西で二つに分かれ、東半分を更衣室や洗面所、西半分を浴室として石の浴槽をつくる。脱衣から入浴までを一つの石の箱に収めた間取りで、明治の豪商の家に、こうした設備を独立した建物として備えていたことを具体的に伝えている。
見どころ ― 湯を運び入れた風呂の手間
公式サイトによれば、蔵の郷土館齋理屋敷石風呂は別の場所で沸かした湯を運び入れて使っていた。夕方に入浴するには朝から支度を始めなければならず、たいへん手間のかかる風呂だったという。浴室に焚口が見当たらないことに気づくと、その話が腑に落ちる。
外まわりでは、江戸切の縁がつくる細い線を目で追いたい。北側の出入口の前に立つと、白っぽい石の肌に斜めから光が当たり、合わせ目の加工がよく分かる。
見学のしかた
石風呂は屋敷の敷地内にあり、見学には蔵の郷土館齋理屋敷の入館料が必要である。店蔵の受付を通って庭に出ると、嫁の蔵の西に見えてくる。建物はごく小さく、内部に入れるか、外から覗く形になるかは展示の状況によるので現地の案内に従いたい。
Q&A
- 蔵の郷土館齋理屋敷石風呂はいつ建てられましたか?
- 明治後期(1898〜1912年)の建築で、公式サイトも明治の終わりごろの建物と紹介している。
- 蔵の郷土館齋理屋敷石風呂はどうやって湯を沸かしていましたか?
- 公式サイトによれば、別の場所で沸かした湯を運び入れる方式で、夕方に入るには朝から準備が必要だった。
- 蔵の郷土館齋理屋敷石風呂に使われている石は何ですか?
- 地元産の花崗岩で、文化庁は白御影石を贅沢に用いた浴室遺構と評している。壁面は江戸切で仕上げている。
- 蔵の郷土館齋理屋敷石風呂の間取りは?
- 北側に出入口があり、東半分が更衣室や洗面所、西半分が浴槽を備えた浴室になっている。
- 蔵の郷土館齋理屋敷石風呂は見学できますか?
- 屋敷の敷地内にあり、蔵の郷土館齋理屋敷の入館料で見学できる。嫁の蔵の西側にある。
基本情報
| 名称 | 蔵の郷土館齋理屋敷石風呂(くらのきょうどかんさいりやしきいしぶろ) |
|---|---|
| 所在地 | 宮城県伊具郡丸森町字町西25 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成23年(2011年)1月26日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 石造平屋建、建築面積11平方メートル(東西4.0メートル、南北2.7メートル) |
| 所有者 | 丸森町 |
| 公開状況 | 公開(敷地内で見学、入館料が必要) |
参考文献
- 蔵の郷土館齋理屋敷石風呂|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008405
- 齋理屋敷とは|蔵の郷土館 齋理屋敷【公式】
- https://sairiyashiki.com/about/
最終更新日: 2026.09.24