蔵の郷土館齋理屋敷電線用石柱 ― 町に電気を引いた家の石の電柱

蔵の郷土館齋理屋敷電線用石柱は、宮城県伊具郡丸森町町西にある昭和前期(1926〜1945年)の石造の電柱で、平成23年(2011年)1月26日に国の登録有形文化財に登録された。

高さは5.4メートル。丸森産の花崗岩でつくった柱を円形の礎石の上に立て、中ほどに電線を支える碍子(がいし)を取り付けている。庭の中央の外灯の東南、石風呂の北西にあって、両者のすぐ近くに立つ。

登録の理由 ― 電灯会社を興した齋藤家の記念物

蔵の郷土館齋理屋敷電線用石柱という一本の電柱が登録されたのには理由がある。文化庁の解説によれば、齋藤家は出資して大正期に電灯会社を操業し、丸森の町内に電気を供給していた。公式サイトは、齋理が町のために設立した事業の一つとして電燈会社「清滝電燈」の名を挙げている。

電気を町に引いた家が、自分の屋敷の電柱を木ではなく石でつくった。その選択が、この柱を単なる設備以上のものにしている。文化庁は、すぐ近くに立つ外灯とともに、この石柱が地域の近代化を伝えると評価している。

見どころ ― 碍子の高さと円い礎石

蔵の郷土館齋理屋敷電線用石柱の前に立ったら、まず柱の中ほどを見上げたい。白い碍子がいまも付いていて、ここに電線が掛かっていたことが分かる。足もとの円形の礎石は、柱と同じ花崗岩の色味で揃えられている。

数歩下がると、外灯の丸いガラスの火屋と、石柱の直線が同じ視界に入る。どちらも丸森の石でできた昭和初期の工作物で、並べて見ると、この家が庭のなかに近代の設備を持ち込んだ様子が伝わる。

見学のしかた

石柱は屋敷の庭にあり、見学には蔵の郷土館齋理屋敷の入館料が必要である。外灯の東南、石風呂の北西を目印に探すとよい。柱に触れたり登ったりはせず、庭の通路から眺めたい。

Q&A

Q蔵の郷土館齋理屋敷電線用石柱とは何ですか?
A丸森産の花崗岩でつくった高さ5.4メートルの電柱で、中ほどに碍子を付け、円形の礎石の上に立つ。昭和前期の工作物である。
Qなぜ蔵の郷土館齋理屋敷電線用石柱は登録有形文化財なのですか?
A齋藤家が出資して大正期に電灯会社を操業し、町内に電気を供給していたためで、文化庁は外灯とともに地域の近代化を伝える工作物と評価している。
Q蔵の郷土館齋理屋敷電線用石柱は屋敷のどこにありますか?
A庭の中央にある外灯の東南、石風呂の北西に近接して立っている。
Q齋藤家が関わった電灯会社の名前は?
A齋理屋敷の公式サイトは、齋理が町のために設立した電燈会社として「清滝電燈」を挙げている。
Q蔵の郷土館齋理屋敷電線用石柱は見学できますか?
A屋敷の庭にあり、蔵の郷土館齋理屋敷の入館料で見学できる。

基本情報

名称蔵の郷土館齋理屋敷電線用石柱(くらのきょうどかんさいりやしきでんせんようせきちゅう)
所在地宮城県伊具郡丸森町字町西25
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成23年(2011年)1月26日登録
員数1基
寸法石造、高さ5.4メートル
所有者丸森町
公開状況公開(庭園内で外観を見学、入館料が必要)

参考文献

蔵の郷土館齋理屋敷電線用石柱|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008408
齋理屋敷とは|蔵の郷土館 齋理屋敷【公式】
https://sairiyashiki.com/about/

最終更新日: 2026.09.24