黒木家住宅台所棟とは

黒木家住宅台所棟は、宮崎県えびの市大字大河平字小牧にある大正初期の木造平屋建の台所で、平成16年(2004年)7月23日に国の登録有形文化財に登録された。

読みは「くろきけじゅうたくだいどころとう」。主屋の北西に連続して建ち、炊事など暮らしの裏方を受け持った棟である。建築面積は69平方メートルで、後方の座敷棟とほぼ同じ規模になる。登録番号は45-0028。

黒木家住宅台所棟が登録有形文化財になった理由

登録の基準は「造形の規範となっているもの」である。文化庁は解説の結びで、黒木家住宅台所棟を、附属的な施設でありながら主屋に合わせた丁寧なつくりだと評している。

台所は客の目に触れることの少ない場所で、普請の手を抜かれやすい。それでも黒木家住宅台所棟は、屋根の形や仕上げを主屋とそろえて建てられた。表の主屋と裏の台所棟が同じ水準でつくられているところに、屋敷全体を一つのまとまりとして整えた施主の考えが読み取れる。

片入母屋の屋根と落棟の突出部

文化庁によれば、黒木家住宅台所棟の屋根は片入母屋造である。片方の端だけを入母屋造とした形で、もう一方の端は主屋と接している。まわりには下屋の庇を廻らせ、一部には落棟の突出部を設ける。落棟は、主屋根より一段低く棟を落とした屋根のことで、台所棟から張り出した部分をこの低い屋根で覆っている。

葺き材は総桟瓦葺、つまり下屋や突出部まで含めて屋根のすべてが桟瓦である。高さの違う屋根が段を重ねる姿は、主屋の複雑な屋根とも響き合う。

土間と床張り、高窓から入る光

黒木家住宅台所棟の内部は、床を張った部分と土間の部分からなる。土間は水や火を使う作業の場、床張りの部分は食事の支度や配膳に使われたと考えられる。

文化庁が目を留めたのは高さである。軸部、つまり柱や梁の骨組みを高く組み、上の方の壁に採光のための高窓を設けている。台所は奥まった位置になりやすく、横の窓だけでは光が届きにくい。高い位置から光を落とすつくりは、暗くなりがちな台所の作業場を明るくするための工夫である。

黒木家住宅台所棟の見学

黒木家住宅台所棟は個人が所有する住宅の一部で、公開や見学受付の公的な案内は見当たらない。土間や高窓のある内部は見られないものと考えておきたい。

台所棟は主屋の北西に続いて建つ。外から眺められる位置があれば、片入母屋の屋根と、段を落とした突出部の屋根を探したい。敷地には立ち入らず、撮影についての案内もないので、住まいの内側や人が写り込まないよう配慮が要る。

Q&A

Q黒木家住宅台所棟はいつ建てられ、いつ登録有形文化財になりましたか?
A文化庁は大正初期の建築としています。平成16年(2004年)7月23日に登録有形文化財に登録され、登録番号は45-0028です。
Q黒木家住宅台所棟はどこに建っていますか?
A主屋の北西に連続して建っています。主屋と一体になった、炊事を受け持つ棟です。
Q黒木家住宅台所棟の屋根の特徴は何ですか?
A片方の端だけを入母屋とした片入母屋造で、下屋の庇を廻らせ、一部に落棟の突出部を設けています。屋根はすべて桟瓦葺です。
Q黒木家住宅台所棟の内部はどうなっていますか?
A床張りの部分と土間の部分からなります。骨組みを高く組み、上部の壁に採光の高窓を設けています。
Q黒木家住宅台所棟は見学できますか?
A個人所有の住宅の一部で、公開や見学受付の公的な案内はありません。内部は見られないものと考えてください。

基本情報

名称黒木家住宅台所棟
所在地宮崎県えびの市大字大河平字小牧4983-4
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成16年(2004年)7月23日登録
員数1棟
寸法建築面積69平方メートル
所有者個人
公開状況一般公開の案内なし(個人所有の住宅)

参考文献

国指定文化財等データベース「黒木家住宅台所棟」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004306
文化遺産オンライン「黒木家住宅台所棟」(文化庁)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/180526

最終更新日: 2026.10.03