ホゲット石鍋製作遺跡とは:滑石の岩壁に残る石鍋づくりの跡

ホゲット石鍋製作遺跡は、長崎県西海市大瀬戸町の山中にある、平安時代末から中世にかけて滑石製の石鍋を製作した遺跡で、昭和56年(1981年)に国の史跡に指定された。

石鍋は、鎌倉時代の西日本に広く流布した煮炊き用の厨房具である。文化庁によると、滑石製の石鍋の生産地は長崎県の西彼杵半島の山中に数十か所あり、ホゲット石鍋製作遺跡はその中で最大規模である。長崎県によると所在地は西海市大瀬戸町瀬戸羽出川郷字ドンクウ岩で、所有者は西海市である。

指定の理由:製作工程が読み取れる岩壁

長崎県によると、遺跡には11の製作所(工房跡)が集中している。第6製作所だけでも、高さ6メートル、延長60メートルの岩壁一面に、石鍋の素材を割り取った痕跡が残る。

石鍋の製作は、まず滑石の岩壁を30〜40センチメートルの方眼に割り付け、そろばん玉の形に削り込んでから岩壁から切り離し、成形していく。文化庁によると、ここではそろばん玉状に整形して内側を削り込む段階までを行い、外部に搬出していた。

石鍋についての文献記録はきわめて少ない。文化庁は、ホゲット石鍋製作遺跡が中世の生活と流通を考えるうえで貴重だと評価している。

見どころ:第6製作所の岩壁

ホゲット石鍋製作遺跡の見どころは、第6製作所の岩壁である。高さ6メートル、延長60メートルにわたって素材を割り取った跡が連なり、文化庁はその眺めを壮観と表している。方眼状の割り付けやそろばん玉状の削り跡から、製作の手順をたどりたい。

周辺の沢には滑石のかけらも見られる。岩壁から切り出された石鍋の素材が、山から川を通じて運び出されていった道筋を想像しながら歩きたい。

ホゲット石鍋製作遺跡の見学方法

西海市によると、ホゲット石鍋製作遺跡は見学自由である。遺跡は山中にあり、登山口から山道を登ることになるので、歩きやすい靴で訪ねたい。

問い合わせ先は西海市教育委員会社会教育課(0959-37-0079)である。

Q&A

Qホゲット石鍋製作遺跡とは何ですか?
A長崎県西海市の山中にある、平安時代末から中世に滑石製の石鍋を作った遺跡です。昭和56年(1981年)に国の史跡に指定されました。
Qホゲット石鍋製作遺跡の規模は?
A11の製作所が集中しており、第6製作所だけでも高さ6メートル、延長60メートルの岩壁に製作の跡が残ります。
Q石鍋はどのように作られましたか?
A滑石の岩壁を30〜40センチメートルの方眼に割り付け、そろばん玉の形に削り込んでから切り離し、成形しました。
Qホゲット石鍋製作遺跡は見学できますか?
A西海市によると見学自由です。山道を登るので歩きやすい靴で訪ねてください。
Qホゲット石鍋製作遺跡が貴重とされるのはなぜですか?
A石鍋に関する文献記録がきわめて少ない中で、中世の生活と流通を考えるうえで貴重な遺跡とされるためです。

基本情報

名称ホゲット石鍋製作遺跡(ほげっといしなべせいさくいせき)
所在地長崎県西海市大瀬戸町瀬戸羽出川郷
指定区分史跡
指定年昭和56年(1981年)9月8日指定
員数1件
寸法11の製作所、第6製作所の岩壁は高さ6メートル・延長60メートル
所有者西海市
公開状況見学自由(山中)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「ホゲット石鍋製作遺跡」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/401/2781
文化遺産オンライン「ホゲット石鍋製作遺跡」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/192072
長崎県文化財データベース「ホゲット石鍋製作遺跡」
https://www.pref.nagasaki.jp/bunkadb/index.php/view/19
西海市「ホゲット石鍋製作遺跡」
https://www.city.saikai.nagasaki.jp/kanko/theme/spot/1/4939.html

最終更新日: 2026.09.27