旧増岡家住宅離れとは
旧増岡家住宅離れ(きゅうますおかけじゅうたくはなれ)は、奈良県宇陀市大宇陀西山の宇陀松山の旧城下町で醤油醸造を営んだ商家の主屋の背後に、昭和前期(1926〜1945年)に建てられた離れで、令和6年(2024年)3月6日に登録有形文化財に登録された。木造の一部2階建、瓦葺で、建築面積は39平方メートル。平成29年(2017年)に改修を受けている。
登録番号は29-0359、登録の基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、ガラス戸の並ぶ開放的な外観が敷地の中央の景観をつくっている点を挙げ、宇陀市も旧増岡家住宅離れをガラス戸が並ぶ開放的な建物として紹介している。
南面をすべてガラス戸にした廊下
旧増岡家住宅離れは、切妻造の桟瓦葺で、一部だけを2階建とする小ぶりな棟である。1階の南面は端から端までガラス戸を立て込んだ廊下になっていて、外から見ると壁らしい壁がほとんど現れない。土蔵や格子の町家が多い敷地の中で、この明るい面が旧増岡家住宅離れの性格をよく表している。
ガラスには内外とも結霜ガラスを使う。表面に霜が降りたような模様が浮かぶ装飾ガラスである。光は通しながら視線はさえぎるので、ガラス戸を立て込んだ南面は明るさを保ったまま、室内を外から見通せない。
1階の水まわりと2階の六畳間
廊下の北側には、旧増岡家住宅離れの1階として六畳間、風呂場、脱衣場、便所が並ぶ。居室と水まわりを1棟にまとめ、主屋から独立して使える構成になっている。
2階は六畳間が一室で、天井は竿縁天井、壁には長押を回し、床を構える。小さな2階ながら、座敷としての格式を整えたつくりになっている。
旧増岡家住宅離れは東側で内蔵と廊下でつながり、この廊下が内蔵の蔵前を兼ねている。文化庁は、離れと内蔵が一体となって敷地の中央の景観をつくっていると説明している。
旧増岡家住宅離れの見学
旧増岡家住宅離れは宿「奈の音」の建物の一部で、内部に入れるのは基本的に宿泊者である。宿の案内は、部屋が主屋から離れ、蔵へと続いていると説明している。予約なしで内部を見学できるという案内は確認できなかった。
旧増岡家住宅離れは主屋の背後、敷地の中ほどに建つため、公道からはほとんど見えない。ガラス戸の並ぶ南面を見られるのは、宿を利用したときに限られると考えておきたい。
Q&A
- 旧増岡家住宅離れはいつ建てられましたか?
- 昭和前期(1926〜1945年)の建築で、平成29年(2017年)に改修されています。
- 旧増岡家住宅離れはなぜ登録有形文化財になったのですか?
- ガラス戸の並ぶ開放的な外観で敷地の中央の景観をつくっているとして、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で令和6年(2024年)3月6日に登録されました。
- 旧増岡家住宅離れのガラス戸にはどんな特徴がありますか?
- 1階の南面がすべてガラス戸の廊下で、内外とも霜が降りたような模様の入った結霜ガラスを使っています。
- 旧増岡家住宅離れの中はどんな間取りですか?
- 1階は廊下の北に六畳間・風呂場・脱衣場・便所、2階は竿縁天井と長押、床を備えた六畳間です。
- 旧増岡家住宅離れは見学できますか?
- 宿「奈の音」の建物で、内部に入れるのは基本的に宿泊者です。敷地の中ほどにあるため、公道からはほとんど見えません。
基本情報
| 名称 | 旧増岡家住宅離れ |
|---|---|
| 所在地 | 奈良県宇陀市大宇陀西山91 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 令和6年(2024年)3月6日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造2階建(一部)、瓦葺、建築面積39㎡ |
| 所有者 | ネイチャー・コア・サイエンス株式会社 |
| 公開状況 | 宿「奈の音」として営業。内部は宿泊者向け。公道からはほとんど見えない |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 旧増岡家住宅離れ(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00014906
- 文化遺産オンライン 旧増岡家住宅離れ
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/594396
- 宇陀市 国登録有形文化財(教育委員会事務局文化財課)
- https://www.city.uda.lg.jp/soshiki/41/1088.html
- 奈の音 宿泊プラン一覧
- https://www.nanone.net/info20240726_nanoneplan.html
最終更新日: 2026.10.02