旧相川税務署石積の概要
旧相川税務署石積は、新潟県佐渡市相川長坂町で旧相川税務署の敷地の縁を固める昭和初期の石造の石積で、延長17メートル、平成21年(2009年)に登録有形文化財に登録された。佐渡市はその建設を昭和初期としており、昭和6年(1931年)に建った本館とほぼ同じ時代の構築物にあたる。
石積は門のところから長坂に沿って9.8メートル延び、敷地の南西の隅で向きを変えて東へ7.6メートル続く。坂道に面した西側と、隣の土地に接する南側とでは、使われている石も積み方もまったく違う。
旧相川税務署石積が登録された理由
旧相川税務署石積が評価された理由は、坂の町の地形に合わせた造りと、石材の出どころにある。長坂沿いの面には下相川で採れた球顆流紋岩が使われ、坂の勾配に合わせて高さを0.2メートルから2.6メートルまで変えながら、切込接で積み上げられている。石の合わせ目を加工してすき間なく組む積み方で、道に面した見せる側の面にふさわしい手間がかけられている。
南面は隣地との境にあたり、こちらは形を整えない石をそのまま積む野石積である。材料は地元の流紋岩や玄武岩に加えて、鉱山の捨石、つまり金銀山の採掘で出た不要な岩石まで使われている。佐渡金銀山とともに発展した相川の町らしい素材の選び方で、この石積の見逃せない特徴といえる。
登録の基準は、国土の歴史的景観に寄与しているもの。坂道の景色の土台となっている石の壁が、建物と同じ扱いで残された例である。
旧相川税務署石積の見どころ
長坂を歩きながら、石積の高さの変化を追ってみたい。坂の上側では足首ほどの低さしかない石積が、坂を下るにつれてせり上がり、いちばん高いところでは2.6メートルに達する。道の傾きを石積が受け止めて、敷地の地面を水平に保っている様子がよく分かる。
石の表情にも目を向けたい。球顆流紋岩は、岩の中に小さな球状の粒が散らばる流紋岩の一種である。切込接で平らに整えられた面を近くで見ると、その粒の模様を確かめられることがある。
角の折れ目では、長坂沿いの丁寧な石組みと南面の野石積とが出会う。どこで積み方が切り替わっているかを探すと、表と裏で手間のかけ方を変えた当時の考え方が見えてくる。
旧相川税務署石積の見学方法
旧相川税務署石積のうち長坂沿いの9.8メートルは道路に面しており、坂道を歩きながら全長を見られる。石の表面も手の届く距離で観察できるが、文化財なので触ったり登ったりはしないでほしい。南面の野石積は隣の敷地との境にあるため、道路から見える範囲は角の付近に限られる。
Q&A
- 旧相川税務署石積の長さと高さは?
- 延長は17メートルで、長坂沿いが9.8メートル、南西の隅から東へ7.6メートルです。高さは坂に合わせて0.2メートルから2.6メートルまで変わります。
- 旧相川税務署石積にはどんな石が使われていますか?
- 長坂沿いは下相川産の球顆流紋岩です。南面には地元の流紋岩や玄武岩のほか、鉱山から出た捨石も使われています。
- 旧相川税務署石積の積み方に違いはありますか?
- あります。道に面した長坂沿いは石を加工して密に組む切込接、隣地境の南面は自然の石をそのまま積む野石積です。
- 旧相川税務署石積はいつ登録有形文化財になりましたか?
- 平成21年(2009年)8月7日に登録されました。登録番号は15-0322です。
- 旧相川税務署石積は自由に見学できますか?
- 長坂沿いの部分は道路から見られます。南面は隣地との境にあるため、見える範囲は限られます。
基本情報
| 名称 | 旧相川税務署石積 |
|---|---|
| 所在地 | 新潟県佐渡市相川長坂町16 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成21年(2009年)8月7日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 石造、延長17メートル(長坂沿い9.8メートル、南面7.6メートル)、高さ0.2〜2.6メートル |
| 所有者 | 佐渡市 |
| 公開状況 | 長坂沿いの部分は道路から見学可 |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「旧相川税務署石積」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007746
- 佐渡市「国登録 有形文化財:旧相川税務署」
- https://www.city.sado.niigata.jp/site/bunkazai/4966.html
最終更新日: 2026.09.28