旧相川税務署本館の概要
旧相川税務署本館は、新潟県佐渡市相川長坂町に昭和6年(1931年)に建てられた木造2階建の税務署庁舎で、平成21年(2009年)に登録有形文化財に登録された。建築面積は277平方メートルある。
建物の中心は寄棟造・桟瓦葺の洋館で、その背面に切妻造の棟が2つ突き出す。上から見ると、横長の本体の後ろに2本の腕が伸びた形になる。昭和24年(1949年)に増築を受け、昭和45年(1970年)まで税務署の庁舎として使われた。
正面の組み立てと登録の理由
旧相川税務署本館の評価は、ほとんど正面のつくりにかかっている。中央に腰折屋根を載せた部分を据え、左右の両端には軒に切妻の飾りを付けた突出部を張り出す。窓はすべて縦長に開けられ、左右が鏡に映したようにそろう。文化庁の解説は、この立面を垂直性の強い左右対称と要約している。
外壁は下見板張で、板の重なりがつくる細い横線が壁一面に走る。その上に縦長窓の縦の線が規則正しく重なるため、横に広い2階建でありながら、見る者の目は上へと引かれる。寄棟の瓦屋根と板張りの壁という身近な材料で、役所らしい端正な洋風の顔をまとめ上げたところに、昭和初期の地方庁舎の工夫が表れている。
登録の基準は、国土の歴史的景観に寄与しているものである。佐渡市はこの建物を相川の市街地の目印と位置づけており、長坂を行き来する人にとって見慣れた姿であることが、登録の根拠と重なっている。
旧相川税務署本館の見どころ
まず正面の中心を見上げたい。腰折屋根は途中で勾配が変わる屋根で、折れ目の位置が2階の窓の高さとどう対応しているかを追うと、設計者が中央部に高さを集めようとした意図が読める。
次に視線を左右の端へ移す。突出部の軒に付いた切妻の飾りは、中央の腰折屋根と形を変えながら響き合い、正面の輪郭に3つの山をつくっている。
全体を見渡すなら、少し坂を上がった位置から斜めに眺めるとよい。寄棟の大屋根の向こうに背面の切妻がのぞき、正面だけでは分からない奥行きがつかめる。
旧相川税務署本館の見学方法
旧相川税務署本館の内部を公開するという案内は、佐渡市の文化財案内には見当たらない。見学は長坂の道路から外観を眺める形で、正面は門越しにほぼ全体を見通せる。道路から撮る写真については制限の案内はないが、敷地に入って撮影することは避けたい。背面の書庫は本館の陰に入るため、正面側からはほとんど見えない。
Q&A
- 旧相川税務署本館はいつ建てられたのですか?
- 昭和6年(1931年)の建築です。昭和24年(1949年)に増築され、昭和45年(1970年)まで税務署として使われました。
- 旧相川税務署本館の中に入って見学できますか?
- 佐渡市の文化財案内に内部公開の記載はなく、長坂の道路から外観を見る形になります。公開の予定は佐渡市世界遺産課(電話0259-74-2215)で確かめられます。
- 旧相川税務署本館の建築上の特徴は何ですか?
- 寄棟造・桟瓦葺の洋館を中心に、背面へ切妻造の2棟を突き出した構成です。正面は中央に腰折屋根、両端に切妻飾りの突出部を置き、縦長窓を並べた左右対称の立面になっています。
- 旧相川税務署本館はどのような文化財ですか?
- 平成21年(2009年)8月7日に登録有形文化財に登録された建造物です。登録番号は15-0319で、国土の歴史的景観に寄与しているものという基準に当たるとされました。
- 旧相川税務署本館の正面をよく見るにはどこに立てばよいですか?
- 門の前の長坂から正面全体を見通せます。背面の切妻の棟まで含めた奥行きを見たいときは、坂を少し上がって斜めから眺めるのがおすすめです。
基本情報
| 名称 | 旧相川税務署本館 |
|---|---|
| 所在地 | 新潟県佐渡市相川長坂町16 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成21年(2009年)8月7日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造2階建、建築面積277平方メートル |
| 所有者 | 佐渡市 |
| 公開状況 | 外観のみ(内部公開の案内なし) |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「旧相川税務署本館」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007743
- 文化遺産オンライン「旧相川税務署本館」
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/120614
- 佐渡市「国登録 有形文化財:旧相川税務署」
- https://www.city.sado.niigata.jp/site/bunkazai/4966.html
最終更新日: 2026.09.28