葛塚の丘に建つ石動神社(新潟市)
石動神社(新潟市)は、新潟市北区白新町にある神社で、正徳5年(1715年)の創立と伝わり、寛政8年(1796年)建築の本殿と江戸末期の拝殿、境内社の古峯神社本殿の3棟が、平成20年(2008年)7月8日に国の登録有形文化財となった。
読みは「いするぎじんじゃ」。長岡市五反田町にも同名の石動神社があり、そちらも本殿と拝殿が登録有形文化財になっているので、このサイトでは市名を添えて区別している。主神は石動大神で、新潟市北区郷土博物館は葛塚で最も古い神社と紹介している。
社殿の建つ小高い丘は、葛塚(くずつか)という地名の発祥地とされる。北区郷土博物館の説明板は2つの伝説を紹介する。ひとつは、丘の大木に葛や藤が絡みついていたので人々が「葛塚」と呼び、それが村の名になったという話。もうひとつは、丘のまわりが湖だったころ、通りかかった新発田の殿様が丘を覆う白い花の名を尋ね、「葛の花」と聞いて「葛の塚であるな」と言ったという話である。
石動神社(新潟市)の由緒
創立の正徳5年は伝承による年で、記録に残る古い手がかりとしては、享保17年(1732年)の棟札と元文2年(1737年)の検地帳への記載がある。社殿には、水原代官の男谷彦四郎思孝(おだにひこしろうひろたか)が筆をとった「石動大権現」の額も掲げられている。
石段の左手には、安政3年(1856年)に建てられた石碑がある。発起人は葛塚の庄屋、遠藤七郎左衛門国忠、文と筆は国学者の鈴木重胤。碑文によれば、慶長3年(1598年)に新発田へ移ってきた溝口家の家老が、加賀の屋敷でまつっていた能登の石動山の神をこの丘に移し、土地の産土神としたという。以来、松ヶ崎を開いて水を海へ落とすなどの事業がうまく運び、村ができて市場もにぎわうようになった、と碑は伝える。神社が葛塚の発展の拠りどころと考えられていたことがうかがえる。
登録された3棟
3棟はそろって第60回の登録で、登録番号は本殿が15-0296、拝殿が15-0297、古峯神社本殿が15-0298と続く。登録基準はいずれも「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。
文化庁のデータベースによると、本殿は寛政8年(1796年)の建築で平成16年(2004年)に移築されており、建築面積は6.4平方メートル。拝殿は江戸末期(1830〜1867年)の建築で、同じく平成16年に改修を受けた。建築面積は20平方メートルある。古峯神社本殿は天保8年(1837年)の建築で、明治期に移築された。建築面積3.6平方メートルの小社だが、全面を彫物で埋めている。
拝殿と本殿のあいだには幣殿があり、3つの建物がつながっている。幣殿は登録の対象に入っていない。
石動神社(新潟市)の境内の配置
参道には石の橋が架かっている。石動神社の参道の橋は「亀橋」、古峯神社の参道の橋は「鶴橋」と呼ばれ、どちらもかつての用水路の名残である。その用水路は享保18年(1733年)の絵図にも描かれている。
石段を上ると拝殿があり、その奥に幣殿を挟んで本殿が続く。本殿は境内の中央、小高い位置に建つ。古峯神社本殿は同じ境内の覆屋(おおいや)の中にあり、東を向いて納められている。
石動神社(新潟市)の参拝と行き方
石動神社(新潟市)の境内は外から社殿を見ることができ、拝観料の定めは公表されていない。社殿の内部を一般に公開する案内は見当たらない。撮影についての掲示や案内も確認できなかったので、祭礼や参拝の妨げにならない範囲で外観を撮るにとどめたい。
最寄りはJR白新線の豊栄駅で、境内は駅の北東、直線で約200メートルのところにある。登録上の所在地は新潟市北区白新町1-1-11。北区郷土博物館の説明板によれば、祭礼は4月12日〜13日と9月6日〜7日で、秋祭りの9月6日には「正尺(しょうじゃく)の神楽」の舞が奉納される。境内の古峯神社の祭礼は6月15日〜16日で、ふだん閉じている覆屋の戸がこのとき開かれる。
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁):石動神社本殿(新潟市北区白新町)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007195
- 国指定文化財等データベース(文化庁):石動神社拝殿(新潟市北区白新町)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007196
- 国指定文化財等データベース(文化庁):古峯神社本殿
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007197
- 新潟市:市内の国登録文化財一覧
- https://www.city.niigata.lg.jp/kanko/bunka/rekishi/bunkazai/ichiran/touroku.html
- 新潟市北区郷土博物館:文化財等説明板
- https://www.city.niigata.lg.jp/kita/shisetsu/yoka/bunka/kyodo/webhakubutukan/setumeiban2.html
- 新潟市北区郷土博物館:説明板「石動神社(国登録文化財 白新町)」(PDF)
- https://www.city.niigata.lg.jp/kita/shisetsu/yoka/bunka/kyodo/webhakubutukan/setumeiban2.files/isurugi_p.pdf
- 新潟市北区郷土博物館:説明板「古峯神社(国登録文化財 白新町 石動神社境内)」(PDF)
- https://www.city.niigata.lg.jp/kita/shisetsu/yoka/bunka/kyodo/webhakubutukan/setumeiban2.files/furumine_p.pdf
最終更新日: 2026.10.04
基本情報
| 名称 | 石動神社(新潟市) |
|---|---|
| 所在地 | 新潟県新潟市北区白新町1-1-11 |
| 所有者 | 宗教法人石動神社 |
| 指定 | 登録有形文化財 3件 |
| 座標 | 37.92082, 139.21750 |