古峯神社本殿とは

古峯神社本殿は、新潟市北区白新町の石動神社境内にある天保8年(1837年)建築の一間社春日造の本殿で、明治期の移築を経て、平成20年(2008年)7月8日に国の登録有形文化財となった。

読みは「ふるみねじんじゃほんでん」。地元では「古峰ヶ原様(こぶがはらさま)」と呼ばれ、日本武尊をまつる。新潟市北区郷土博物館の説明板によれば、この場所にはもともと、のちに開市神社の祭神となる遠藤七郎左衛門宗寿をまつった祠があった。明治11年(1878年)に見つかった木像をここにまつったのが古峯神社の始まりで、火難除けの神として信仰されている。

建築面積は3.6平方メートル。こけら葺の小さな本殿で、覆屋(おおいや)の中に東を向いて納められている。ほぼ全面を彫物で埋め尽くしているのが、この本殿の何よりの特徴である。

古峯神社本殿が登録された理由

古峯神社本殿は第60回の登録で、登録番号は15-0298。石動神社の本殿・拝殿と同じ日に、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。

形式は春日造の一間社で、隅木を入れて軒を四方へ回し、正面には軒唐破風を付け、両側面には千鳥破風を据える。屋根はこけら葺。組物は一段持ち出す出組で、組物のあいだには支輪を四周にめぐらせる。妻は虹梁を二重に架けて大瓶束を立てる。小社ながら、大きな社殿と同じ格式の部材構成をとっている。

そのうえで、彫物の量が並外れている。文化庁の解説によれば、柱など軸部には地紋彫、扉や壁面には浮彫、向拝には龍などの丸彫を施し、社殿全体を彫物装飾で満たしている。北区郷土博物館は、一部を除いて総ケヤキで造られた社殿が美術工芸の観点からも注目される、と紹介している。

古峯神社本殿の見どころ

建築年を示す手がかりは、社殿の下にある。下部の木材に、墨で「天保八酉年(1837年)八月吉日」と書かれていたことから、その頃の造営と考えられている。移築されたと伝わる社殿で、文化庁のデータベースは移築を明治期としている。

彫物は、彫り方の違いに注意して見たい。柱の表面に文様を刻む地紋彫、板面から図柄を浮かび上がらせる浮彫、龍を立体として彫り出す丸彫と、3種類の技法が部位ごとに使い分けられている。北区郷土博物館の説明板には、生き生きとした龍の彫刻と、絵画のような場面を彫り込んだ板面の写真が載っている。

社殿のとなりには、古峯神社の勧請60年と100年をそれぞれ記念した石碑が並ぶ。社殿の年代とは別に、地域がこの社を祀り続けてきた時間を示すものである。

古峯神社本殿の見学

古峯神社本殿は、彫物を守るために覆屋で囲われている。ふだんは覆屋越しにしか社殿を見られないが、6月15日〜16日の祭礼のときには覆屋の戸が開かれ、稚児舞も奉納される。彫物をじかに見たいなら、この祭礼に合わせて訪れたい。

参道には、かつての用水路の名残である石橋「鶴橋」が架かる。撮影についての掲示や案内は確認できなかったので、祭礼の進行や参拝の妨げにならない範囲にとどめたい。境内への行き方は、石動神社(新潟市)のページにまとめてある。

Q&A

Q古峯神社本殿はいつ建てられましたか?
A天保8年(1837年)の建築とされます。社殿の下の木材に、その年の墨書が残っていました。明治期に現在地へ移築されています。
Q古峯神社本殿はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成20年(2008年)7月8日に、石動神社の本殿・拝殿とともに登録されました。登録番号は15-0298です。
Q古峯神社本殿にはどのような彫物がありますか?
A柱など軸部の地紋彫、扉や壁面の浮彫、向拝の龍などの丸彫があり、社殿のほぼ全面を彫物が覆っています。
Q古峯神社本殿の彫物は、いつ見られますか?
Aふだんは覆屋越しにしか見られません。6月15日〜16日の祭礼の際に覆屋の戸が開かれます。
Q古峯神社本殿には何がまつられていますか?
A日本武尊をまつり、地元では「古峰ヶ原様」と呼ばれる火難除けの神です。明治11年(1878年)に見つかった木像をまつったのが始まりと伝わります。

基本情報

名称古峯神社本殿
所在地新潟県新潟市北区白新町1-1-11(石動神社境内)
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成20年(2008年)7月8日登録
員数1棟
寸法建築面積3.6平方メートル
所有者宗教法人石動神社(新潟市の登録文化財一覧による)
公開状況覆屋越しに見学可、6月15日〜16日の祭礼時に覆屋の戸を開く

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):古峯神社本殿
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007197
文化遺産オンライン:古峯神社本殿
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/198189
新潟市:市内の国登録文化財一覧
https://www.city.niigata.lg.jp/kanko/bunka/rekishi/bunkazai/ichiran/touroku.html
新潟市北区郷土博物館:説明板「古峯神社(国登録文化財 白新町 石動神社境内)」(PDF)
https://www.city.niigata.lg.jp/kita/shisetsu/yoka/bunka/kyodo/webhakubutukan/setumeiban2.files/furumine_p.pdf

最終更新日: 2026.10.04