中村家住宅とは

中村家住宅は、沖縄県中頭郡北中城村大城にある江戸時代後期から明治時代にかけての豪農の屋敷で、主屋・あさぎ・前の屋・籾倉・ふーるの5棟が昭和47年(1972年)5月15日に国の重要文化財に指定された。

読みは「なかむらけじゅうたく」。指定日は沖縄が日本に復帰した当日にあたり、中村家住宅の公式サイトも、復帰と同時に国の重要文化財になったと紹介している。棟名は文化庁のデータベースでは「あさぎ」「ふーる」とひらがなで書くが、現地や公式サイトでは「アシャギ」「フール」、前の屋は「メーヌヤー」、籾倉は「高倉」とも呼ばれる。

公式サイトによれば、中村家の先祖は、中城城主の護佐丸がこの地に城を移したときに師匠として従ってきたと伝わる。護佐丸が滅んだのち一族は離散したが、1720年頃に家運を盛り返し、この地方の地頭職(本土の庄屋にあたる役)に任じられた。

中村家住宅が重要文化財に指定された理由

文化庁の解説は、中村家住宅を沖縄本島の豪農の住宅とし、主屋のほかあさぎ・前の屋・籾倉・ふーるの附属屋まで、屋敷構えの一式がそっくり残っている点を評価している。屋敷は南向きのゆるい斜面を削って造られ、背面と両側面の三方に石垣を積み、正面には石牆を築く。指定は5棟に加え、附として石牆2棟とひんぷん1棟を含む。

公式サイトは、沖縄戦を経て本島でこれほど屋敷構えが残る例はきわめて珍しいとし、士族屋敷の形式に、高倉・納屋・畜舎といった農家の建物が加わることで、沖縄の住居建築の特色をすべて備えていると説明している。

主屋は二つの棟からなる。座敷のある「うふや」は桁行10.7メートル、梁間9.6メートルの寄棟造、本瓦葺で、文化庁のデータベースは江戸後期の建築とする。台所にあたる「とんぐわ」は桁行8.5メートル、梁間8.7メートルの寄棟造、本瓦葺で、明治時代のもの。東面でうふやにつながる。公式サイトは現存の建物を18世紀中頃の建築と伝えており、文化庁の年代とは幅がある。

附属屋の寸法は、あさぎが桁行8.6メートル・梁間7.5メートル、前の屋が桁行10.4メートル・梁間5.9メートルの二階建、籾倉が桁行4.8メートル・梁間3.9メートルの高倉で、いずれも寄棟造・本瓦葺の明治時代の建物である。ふーるは石造で、間口6.4メートル、奥行4.7メートル。周囲の石牆と豚舎からなる。

中村家住宅の見どころ

門を入ると、正面をひんぷんがふさぐ。公式サイトによれば、外から母屋を直接見通せないようにする目隠しの塀で、中国の「屏風門」が沖縄で形を変えたもの。かつては男性がひんぷんの右側、女性が台所へ直接向かう左側を通ったと伝わる。

うふやは右から一番座(客間)、二番座(仏間)、三番座(居間)が並び、それぞれの奥に裏座がある。畳の部屋はどれも6畳以下で、当時の農民にはそれ以上の広さが許されなかったという。公式サイトは、柱が首里の士族の家から移されたと伝え、材にはチャーギ(イヌマキ)とイーク(モッコク)が使われていると記す。どちらも当時の農民には使用が許されなかった木である。赤瓦の屋根は漆喰で固められ、屋根の上にはシーサーが載る。

とんぐわでは、火の神(ヒヌカン)を祀る場所に目を向けたい。この部分の屋根が低いのは、屋根裏を薪や食料の物置に使っていたためだという。

附属屋も一棟ずつ形が違う。籾倉は沖縄で一般的な丸柱ではなく、住まいと同じ角柱を立て、壁も床も板張りにした高倉で、屋根裏の傾斜はネズミの侵入を防ぐ「ネズミ返し」になっている。前の屋は中二階の建物で、1階が腰石壁の畜舎、2階が黒糖づくりに使う薪の置き場。牛や山羊をつなぐ前の柱は、礎石と凹凸でかみ合い、引っ張られても抜けない。ふーるはアーチ形の石囲いを3つ連ねた豚舎で、中村家住宅のなかでも石造りの技がいちばん間近に見られる場所である。

中村家住宅の見学方法

中村家住宅は有料で一般公開されている。公式サイトによれば、開館日は月曜・火曜・金曜・土曜・日曜で、水曜と木曜は休館。開館時間は午前9時から午後5時(最終入場は午後4時40分)である。観覧料は大人500円、中学生・高校生300円、小学生200円で、20名以上の団体は1割引になる。

沖縄観光コンベンションビューローの紹介によれば、建物の中にも入ることができ、仏壇や火の神を祀る台所なども見られる。駐車場は無料。撮影の可否について公式サイトに案内は見当たらないので、気になる場合は受付で確かめたい。

車で訪ねる場合、公式サイトの案内では、那覇市内から国道58号経由で約35分(約17キロ)、沖縄自動車道の那覇インターから約15分(約15キロ)。中村家住宅は世界遺産の中城城跡にほど近く、公式サイトもあわせての見学をすすめている。中村家の先祖が護佐丸とともにこの地へ来たという由来を思えば、城跡から屋敷へ歩く順路にも意味がある。

Q&A

Q中村家住宅の開館時間と休館日、入館料は?
A公式サイトによれば、開館は月曜・火曜・金曜・土曜・日曜の午前9時から午後5時(最終入場は午後4時40分)で、水曜と木曜は休館です。観覧料は大人500円、中学生・高校生300円、小学生200円です。
Q中村家住宅の指定にはどの建物が含まれますか?
A主屋(うふやととんぐわ)、あさぎ、前の屋、籾倉、ふーるの5棟で、昭和47年(1972年)5月15日に指定されました。このほか附として石牆2棟とひんぷん1棟が含まれます。
Q中村家住宅はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースでは、主屋のうふやが江戸後期、とんぐわとほかの附属屋は明治時代の建築です。公式サイトは現存の建物を18世紀中頃のものと伝えています。
Q中村家住宅の建物の中に入れますか?
Aはい。沖縄観光コンベンションビューローの紹介によれば、建物の中にも入ることができます。撮影の可否は公式サイトに案内がないため、受付で確かめてください。
Q中村家住宅へはどう行けばよいですか?
A車が便利です。公式サイトの案内では、那覇市内から国道58号経由で約35分、沖縄自動車道の那覇インターから約15分です。駐車場は無料です。

基本情報

名称中村家住宅(沖縄県中頭郡北中城村)(なかむらけじゅうたく)
所在地沖縄県中頭郡北中城村字大城106番地
指定区分重要文化財(建造物)
指定年昭和47年(1972年)5月15日
員数5棟(主屋、あさぎ、前の屋、籾倉、ふーる)。附 石牆2棟、ひんぷん1棟
寸法主屋 うふや 桁行10.7m・梁間9.6m、とんぐわ 桁行8.5m・梁間8.7m/あさぎ 桁行8.6m・梁間7.5m/前の屋 桁行10.4m・梁間5.9m/籾倉 桁行4.8m・梁間3.9m/ふーる 間口6.4m・奥行4.7m
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況有料公開(月・火・金・土・日の午前9時から午後5時、水曜・木曜休館、大人500円)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):中村家住宅(沖縄県中頭郡北中城村) 主屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/3660
国指定文化財等データベース(文化庁):中村家住宅(沖縄県中頭郡北中城村) あさぎ
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/3661
国指定文化財等データベース(文化庁):中村家住宅(沖縄県中頭郡北中城村) 籾倉
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/3662
国指定文化財等データベース(文化庁):中村家住宅(沖縄県中頭郡北中城村) 前の屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/3663
国指定文化財等データベース(文化庁):中村家住宅(沖縄県中頭郡北中城村) ふーる
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/3664
国指定重要文化財 中村家住宅(公式サイト)
https://www.nakamurahouse.jp/
中村家住宅:ご利用案内
https://www.nakamurahouse.jp/guide/
沖縄観光情報WEBサイト おきなわ物語(沖縄観光コンベンションビューロー):中村家住宅(国指定重要文化財)
https://www.okinawastory.jp/spot/30000025

最終更新日: 2026.10.03

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  1. 中村家住宅(沖縄県中頭郡北中城村) あさぎ 0.00 km
  2. 中村家住宅(沖縄県中頭郡北中城村) 籾倉 0.01 km
  3. 中村家住宅(沖縄県中頭郡北中城村) 主屋 0.01 km
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  5. 中村家住宅(沖縄県中頭郡北中城村) ふーる 0.03 km