津嘉山酒造所施設とは

津嘉山酒造所施設は、沖縄県名護市大中にある泡盛醸造所の主屋と麹屋の2棟で、昭和3年(1928年)ごろに建てられ、平成21年(2009年)6月30日に宅地とともに国の重要文化財に指定された。現役の醸造所として、いまも泡盛「國華」の製造に使われている。

文化庁の記載では、主屋は木造、寄棟造、本瓦葺で建築面積330.49平方メートル、麹屋は同じく木造、寄棟造、本瓦葺で建築面積95.51平方メートルである。赤い本瓦の大屋根を載せた主屋が通りに近い南側に、麹屋がその北に建つ。指定は建物2棟に加えて土地にも及び、正門や塀、南井戸を含む屋敷地全体が保存の対象になっている。

津嘉山酒造所施設が重要文化財に指定された理由

津嘉山酒造所施設は、文化庁の指定基準のうち「歴史的価値の高いもの」と「流派的又は地方的特色において顕著なもの」の2つにあてはまる。文化庁の解説は、泡盛を醸造する施設と家族の住まいを1棟にまとめた主屋の独特な構成と、麹屋を合わせた全体が、昭和初期に整えられた酒造施設の形をよくとどめている点を評価している。伝統的な泡盛の製造工程が建物から読み取れることも価値の1つとされる。

もう1つの評価は、住宅としての主屋にある。居住部は沖縄の伝統的な間取りを受け継ぎながら、離れや玄関を備え、質の高い座敷飾りを設けるなど近代的な展開を見せており、文化庁は沖縄の住宅の歴史を知るうえで重要としている。居室には棹縁天井を張り、各室に内法長押をまわし、表座敷や離れの小壁を漆喰壁とするなど、座敷まわりの仕上げにも手がかけられている。

津嘉山酒造所施設の見どころ

主屋:住まいと醸造場をL字に組む

津嘉山酒造所施設の主屋は、東西に長い主体部の北面西寄りに、南北に延びる突出部を付けたL字形の屋根をもつ。全体の規模は東西15.9メートル、南北18.7メートルで、主体部の梁間は11.2メートル、突出部の梁間は7.5メートルある。主体部の東南の角に玄関、東北の角に離れと便所が付く。屋根は寄棟造の本瓦葺を基本に、突出部を一段低くして越屋根を載せ、玄関と離れを入母屋造、便所を切妻造とする。屋根の重なりを外から数えてみると、用途ごとに形を変えた構成がよく分かる。

主体部の東半分が住まいである。南側に東から一番座・二番座、北側に一番裏座・二番裏座の4室を田の字に並べ、南・東・北に縁をめぐらせる。南面と東面には沖縄の民家に特有の深い軒下空間、雨端(あまはじ)を設ける。一番座には床と天袋のある床脇を構え、二番座には神棚と壇を置く。離れは床と床脇のある6畳の一室で、三方に縁がまわる。西半分は台所や事務室で、西端の土間には竈が築かれている。

突出部は広い一室の醸造作業場である。床は土間で、天井を張らずに小屋組を見せ、煉瓦造の煙突や冷却用の水槽、洗い場が残る。天井を張り、長押をまわした住まいの部屋から、小屋組がむき出しの作業場へ移ると、同じ1棟のなかで仕上げの格が大きく変わることが分かる。

麹屋:泡盛の麹をつくる平屋

麹屋は桁行12.1メートル、梁間7.9メートルの寄棟造、本瓦葺の建物で、内部は柱を1間ごとに立てた一室である。床は土間とし、周囲の1間分は垂木の下端に、中央の梁間2間分は梁の下端に板を張って天井としている。周囲と中央で天井の高さが変わるため、室内に立つと板の段差が見て取れる。

津嘉山酒造所施設の見学方法

津嘉山酒造所施設は工場見学の形で公開されており、杜氏の案内で施設を見学できる。見学は無料で、個人は予約不要である。醸造所として稼働中のため、作業の状況によって見られる範囲は変わる。撮影の可否は公式サイトに記載がないので、案内の際に確かめたい。受付時間や行き方は津嘉山酒造所のページにまとめてある。

Q&A

Q津嘉山酒造所施設はいつ重要文化財に指定されましたか?
A平成21年(2009年)6月30日に、主屋と麹屋の2棟が宅地とともに国の重要文化財に指定されました。
Q津嘉山酒造所施設はいつ、誰が建てましたか?
A主屋と麹屋は昭和3年(1928年)ごろの建築で、主屋の板札から設計者は島袋純一、施工者は金城徳三郎と分かっています。
Q津嘉山酒造所施設の主屋はどんな建物ですか?
A泡盛の醸造作業場と家族の住まいを1棟にまとめたL字形の木造建物で、建築面積は330.49平方メートルです。住まいの部分は沖縄の伝統的な田の字形の間取りに、玄関や離れを加えています。
Q津嘉山酒造所施設の中は見学できますか?
A工場見学として無料で公開され、杜氏の案内で施設を見学できます。個人は予約不要です。稼働中の醸造所のため、作業の状況で見られる範囲が変わります。
Q津嘉山酒造所施設の麹屋では何をしていましたか?
A泡盛造りに使う麹をつくる建物です。桁行12.1メートル、梁間7.9メートルの土間の一室で、天井の高さを内外で変えた板天井を張っています。

基本情報

名称津嘉山酒造所施設
所在地沖縄県名護市大中1丁目14番6号
指定区分重要文化財
指定年平成21年(2009年)
員数2棟(主屋、麹屋)、土地
寸法主屋 建築面積330.49平方メートル、麹屋 建築面積95.51平方メートル
所有者株式会社津嘉山酒造
公開状況工場見学として公開(無料、個人は予約不要)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):津嘉山酒造所施設 主屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/00004359
国指定文化財等データベース(文化庁):津嘉山酒造所施設 麹屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/00004360
文化遺産オンライン:津嘉山酒造所施設 主屋
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/158845
文化遺産オンライン:津嘉山酒造所施設 麹屋
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/188456
津嘉山酒造所(公式):津嘉山酒造所工場見学
https://www.awamori-kokka.co.jp/hpgen/HPB/entries/5.html

最終更新日: 2026.10.03

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