1棟の主屋 ― 2000年に登録有形文化財

樟徳館主屋は、大阪府東大阪市菱屋西2-4-12にある昭和時代の建造物で、2000年(平成12年)10月18日に登録有形文化財(建造物)となった。指定された文化財ではなく、登録された文化財である。

員数は1棟である。ふりがなの欄は、しょうとくかんしゅおくである。所有は学校法人樟蔭学園である。

構造は木造2階建、瓦葺、建築面積1,169平方メートルとされる。年代の欄は昭和前、西暦は1939年である。

建築面積が1,169平方メートルで、これまでで最も大きい

ここまで扱った建物のなかで、面積が群を抜いている。

構造の欄は、建築面積1,169平方メートルとする。

旧集成館機械工場は977.5平方メートル、観音正寺書院は231平方メートル、重田家住宅主屋は207平方メートルである。

本件はそのいずれをも上回る。同じ敷地の土蔵は133平方メートル、鎮守社は3.3平方メートルで、鎮守社のおよそ354倍にあたる。

観音正寺手水舎は面積1.5平方メートル、春日神社申殿は建築面積12平方メートルだった。本件はその何百倍もの広さになる。

個人の邸宅としてこの規模である。材木商を営んだ施主が、自ら木取りした良材をふんだんに用いた、と記される。

中央の車寄を挟んで、左右で階数が違う

一つの建物のなかで、両翼の高さが揃っていない。

文化庁は、入母屋造の玄関車寄を中央にし、左手に平屋建の応接間棟、右手に2階建の居室棟をバランスよく配す、と記す。

車寄は玄関の前に張り出した屋根をいう。その左が平屋、右が2階建になる。

盛安寺客殿では南面が入母屋造、北面が切妻造と、前後で屋根が分かれていた。観音正寺護摩堂も正面と背面で違った。

あちらは屋根の形である。本件は棟そのものの階数が左右で違う。

それでもバランスよく配す、と評される。高さの違う二棟を、中央の車寄が受け止めている。

室内が、和洋を折衷してまとめられている

評価が、内部の意匠の統一に置かれている。

文化庁は、和洋折衷の室内意匠でまとめられた近代和風邸宅建築、と結ぶ。

近代和風は、洋風の要素を取り入れながら和風を基調とする建築をいう。

観音正寺書院では、上段の間が山岳大寺院の格式を示すとされた。重田家住宅主屋では、式台玄関が当家の格式を示すとされた。いずれも一つの部屋や部位である。

本件は、室内全体がどうまとめられているかが理由になる。評価の言い方として11型目にあたる。

左手の応接間棟と右手の居室棟で用途が分かれる。応接と居住という違う役目を、同じ意匠でまとめていることになる。

見学

所在は大阪府東大阪市菱屋西2-4-12で、所有は学校法人樟蔭学園である。

敷地の中央に建ち、東と南は塀で囲まれる。門を入って正面に見えることになる。

建物の性格として内部の常時公開を前提としない。立ち入りや見学の可否は所有者の定めによる。

外観については、門と塀が道路に面しているため、敷地の外から屋根の一部を望むことができる。

公開の状況は変わることがあるため、訪問前に確認したい。

Q&A

Q樟徳館主屋はいつ登録されましたか。
A2000年(平成12年)10月18日に登録有形文化財(建造物)となりました。指定ではなく登録で、員数は1棟です。
Qどのくらいの大きさですか。
A建築面積1,169平方メートルです。同じ敷地の鎮守社が3.3平方メートルで、およそ354倍にあたります。
Qどのような構えですか。
A文化庁は「入母屋造の玄関車寄を中央にし、左手に平屋建の応接間棟、右手に2階建の居室棟をバランスよく配す」と記します。左右で階数が違います。
Q何が評価されているのですか。
A文化庁は「和洋折衷の室内意匠でまとめられた近代和風邸宅建築」と結びます。室内全体のまとめ方が理由になります。
Q材にはどのようなものが使われていますか。
A文化庁は「自ら木取りした良材をふんだんに用い」と記します。材木商を営んだ施主が、自分で木取りを行ったとされます。

基本情報

名称樟徳館主屋(しょうとくかんしゅおく)
所在地大阪府東大阪市菱屋西2-4-12
指定区分登録有形文化財(建造物・住居建築)/指定ではなく登録/同じ敷地の6棟が同じ日に登録
指定年2000年(平成12年)10月18日 登録
員数1棟
寸法木造2階建、瓦葺、建築面積1,169平方メートル。入母屋造の玄関車寄を中央にし、左手に平屋建の応接間棟、右手に2階建の居室棟を配す。自ら木取りした良材を用い、和洋折衷の室内意匠でまとめられる。年代の欄は昭和前、西暦は1939年
所有者学校法人樟蔭学園
公開状況内部の常時公開を前提としない建物で、見学の可否は所有者の定めによる

参考文献

文化遺産オンライン 樟徳館主屋
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/167242
文化遺産オンライン 樟徳館土蔵
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/181843
文化庁 国指定文化財等データベース
https://kunishitei.bunka.go.jp/
東大阪市
https://www.city.higashiosaka.lg.jp/

最終更新日: 2026.09.13