竹本家住宅主屋とは

竹本家住宅主屋は、大阪府貝塚市西町にある江戸時代末期(1830〜1867年)の住宅で、平成15年(2003年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「たけもとけじゅうたくしゅおく」。木造平屋建ての一部を2階建てとし、屋根は瓦葺、建築面積は169平方メートルある。

貝塚市には同じ竹本家の名をもつ登録文化財がもう1件あり、北町に東主屋と西主屋の2棟が残る。両者は別々に登録された別の物件で、貝塚市は西町のこの住宅を「竹本家住宅(西町)」と呼んで区別している。

場所は、願泉寺を中心とする貝塚の寺内町の西寄り。紀州街道から西へ1本入った筋にある、道が食い違いに交わる交差点の南西の角に建ち、主屋は北の通りに正面を向けている。

竹本家住宅主屋が登録された理由

竹本家住宅主屋の登録は平成15年(2003年)7月1日で(告示は同年7月17日、第37回登録)、登録番号は27-0245。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

この建物が注目されるのは、商人の町にありながら商家の顔をしていない点である。文化庁の解説は、正面が比較的閉鎖的な造りであることから、竹本家住宅主屋を商家ではなく、武家か寺の役人の住宅とみている。

貝塚の寺内町は、願泉寺の卜半(ぼくはん)家が地頭として治めた町である。貝塚市は、竹本家住宅主屋が卜半家の家来の住まいであった可能性を挙げている。もしそうなら、寺内の支配に関わった人々がどのような家に住んだかを伝える手がかりになる。

一方で、確かなことは多くない。現在の竹本家は古い家を買い取って内部を改装して住んでおり、建てた当初の住人の職業は分かっていない。武家か寺役人かという見立ては、あくまで建物の造りから導かれたものである。

竹本家住宅主屋の見どころ:願泉寺を望む窓

北の正面は、間口7間(約12.7メートル)におよぶ。北町の竹本家住宅西主屋の間口3間半と比べると、ちょうど2倍の幅である。この長い正面に、外へ張り出した格子窓の出格子と、太い格子を横向きに組んだ与力窓が配されている。店先を開け放つ造りではなく、壁と格子で通りとの間を仕切っている。これが、文化庁が「閉鎖的」と評した正面の構えである。

角地に建つため、竹本家住宅主屋は東の側面も道に向いている。見どころはこの東面にある。太い木の無双窓が付けられており、板戸を横に滑らせて開け閉めする窓から、東の方角にある貝塚御坊願泉寺を望む造りになっている。大阪文化財ナビの写真解説は、この窓から願泉寺の役所を見通せると記している。

寺内町を治めた寺の方角へ、わざわざ窓を開けた家。竹本家住宅主屋の住人と願泉寺との関係を想像させる造りであり、武家か寺役人の住宅という見立ての根拠の一つにもなっている。

竹本家住宅主屋の見学方法とアクセス

竹本家住宅主屋は個人の住まいで、内部を公開する案内は、貝塚市の文化財ページにも大阪文化財ナビにも見当たらない(2026年10月1日確認)。見学は道路からの外観に限られる。北の通りからは出格子と与力窓の並ぶ正面を、交差点の東側からは無双窓のある東面を見ることができる。写真を撮る場合は道路から外観だけにとどめ、住まいの方への配慮を忘れないようにしたい。

最寄り駅は南海本線・水間鉄道の貝塚駅で、地図サービスの案内では西出口から歩いて約7分。願泉寺の西側、寺内町の西町の一角にあたる。貝塚市の観光モデルコースは西町の町並を「貝塚浦の繁栄を偲ぶ」通りとして紹介しており、寺内町を歩くなかで立ち寄ることができる。

文化財についての問い合わせ先は、貝塚市教育部文化財保存活用室(電話072-433-7126)である。

Q&A

Q竹本家住宅主屋は見学できますか。
A竹本家住宅主屋は個人の住まいで、内部公開の案内はありません。北の通りから正面を、交差点の東側から無双窓のある東面を、道路越しに見ることができます。
Q竹本家住宅主屋へは貝塚駅からどう行けばよいですか。
A竹本家住宅主屋へは、南海本線・水間鉄道の貝塚駅西出口から歩いて約7分です。所在地は貝塚市西町17-11で、願泉寺の西側、紀州街道から西へ1本入った筋の交差点の南西角にあります。
Q竹本家住宅主屋は誰の家だったのですか。
A竹本家住宅主屋を建てた当初の住人の職業は分かっていません。文化庁は正面の閉鎖的な造りから武家か寺の役人の住宅とみており、貝塚市は寺内町を治めた願泉寺卜半家の家来の住まいだった可能性を挙げています。現在の竹本家は古い家を購入して住んでいます。
Q竹本家住宅主屋の無双窓とはどのような窓ですか。
A竹本家住宅主屋の東面にある無双窓は、間隔をあけて縦板を打った窓に、同じように隙間を作った板戸を内側に入れ、横に動かして開け閉めする窓です。太い木で組まれ、貝塚御坊願泉寺の方角を望む位置に設けられています。
Q竹本家住宅主屋と北町の竹本家住宅は同じものですか。
A別の登録文化財です。竹本家住宅主屋は西町にある江戸時代末期の住宅で、平成15年(2003年)7月1日に登録されました。北町の竹本家住宅は黄楊櫛づくりの家の東主屋・西主屋の2棟で、同じ年の3月18日に登録されています。貝塚市は両者を「西町」「北町」と呼び分けています。

基本情報

名称竹本家住宅主屋
所在地大阪府貝塚市西町17-11
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成15年(2003年)登録
員数1棟
寸法木造平屋一部2階建、瓦葺、建築面積169㎡
所有者個人
公開状況内部は非公開。外観は道路から見られる

参考文献

最終更新日: 2026.10.01