水圧で屋敷に水を配った煉瓦の槽

中野家住宅水槽は、佐賀県藤津郡太良町伊福の中野家住宅にある大正期(1912〜1926年)の煉瓦造の水槽で、平成29年(2017年)5月2日に国の登録有形文化財に登録された。敷地の北西に置かれ、面積は3.3平方メートルある。

文化庁の解説によると、大きさは幅1.5メートル、奥行2.2メートル、高さ2.0メートル。上下2層の構造で、上層は深さ1.0メートルの水槽、下層は東の正面にアーチを開いている。

登録の理由

中野家住宅水槽の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。文化庁は、上の取水口から汲み上げた水を水圧を利用して各建物へ送る仕組みを、近代的な自家用給水施設の一例と位置づけている。

水を高い位置に溜めておけば、その重さで低い位置へ押し出すことができる。中野家住宅水槽は、屋敷の中でその「高い位置」を受け持った設備で、崖の貯水槽から主屋までをつなぐ給水の中継点にあたる。上水道が普及する前の時代に、屋敷ごとに水の仕組みを整えた例である。

見どころ

中野家住宅水槽の要点は、上下で役割の異なる2層の構成にある。上に水を湛え、下は東にアーチを開く。小さな構造物だが、煉瓦を積んでアーチを架ける技術が、屋敷の実用の設備に使われている。

同じ屋敷の上の取水口と下の取水口も、アーチ門を開いた煉瓦造である。3つの設備が同じ素材と形でそろえられていることで、給水の仕組みが1つの計画として整えられたことが読み取れる。

見学方法

中野家住宅水槽は個人の住宅の敷地内にあり、一般には公開されていない。敷地に立ち入ることはできず、公道からの見え方も確認できていない。見学の機会は、所有者の協力による見学会などに限られる。

撮影についての定めは公表されていない。屋敷全体の成り立ちは中野家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q中野家住宅水槽とは何ですか?
A中野家住宅の敷地の北西にある大正期の煉瓦造の水槽です。上の取水口から汲み上げた水を溜め、水圧を利用して屋敷の各建物へ給水しました。
Q中野家住宅水槽の大きさは?
A幅1.5メートル、奥行2.2メートル、高さ2.0メートルで、面積は3.3平方メートルです。上層は深さ1.0メートルの水槽になっています。
Q中野家住宅水槽の下層はどうなっていますか?
A東の正面にアーチを開いています。
Q中野家住宅水槽はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A屋敷ごとに整えた近代的な自家用給水施設の一例として、国土の歴史的景観への寄与が認められ、平成29年(2017年)5月2日に登録されました。
Q中野家住宅水槽は見学できますか?
A個人の住宅の敷地内にあり、一般公開されていません。見学の機会は所有者の協力による催しに限られます。

基本情報

名称中野家住宅水槽(なかのけじゅうたくすいそう)
所在地佐賀県藤津郡太良町大字伊福字椎木坂甲1978
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号41-0100
指定年平成29年(2017年)5月2日登録
員数1基
寸法煉瓦造、面積3.3平方メートル、幅1.5メートル・奥行2.2メートル・高さ2.0メートル、上層の水槽の深さ1.0メートル
所有者文化庁データベースに記載なし(中野家が継承する個人の住宅)
公開状況個人の住宅で非公開。敷地内への立ち入り不可

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):中野家住宅水槽
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011597
国指定文化財等データベース(文化庁):中野家住宅上の取水口
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011598

最終更新日: 2026.09.25