多久市西渓公園寒鶯亭とは

多久市西渓公園寒鶯亭は、佐賀県多久市多久町の西渓公園に建つ大正13年(1924年)の木造平屋建の公会堂で、平成11年(1999年)7月8日に国の登録有形文化財(建造物)となった(文化庁)。読みは「たくしせいけいこうえんかんおうてい」。

文化庁の記録では、木造平屋建、瓦葺、建築面積293平方メートル。登録番号は41-0011、所有者は多久市である。

炭鉱主が村に贈った公会堂

文化庁の解説によれば、寒鶯亭は地元出身の炭鉱主、高取伊好が寄贈した公会堂である。多久市によれば、高取伊好(嘉永3年〈1850年〉〜昭和2年〈1927年〉)は東原庠舎に学び、杵島炭鉱などを経営したのち、多久村に図書館・公会堂・西渓公園を寄贈した。

西渓公園は多久家の家老の屋敷跡で、高取が私財を投じて整え、自らの号「西渓」から名付けられた(多久市)。公会堂は村の公会堂、市制施行後は多久市公会堂として使われ、平成4年(1992年)から寒鶯亭と呼ばれている。

名の由来は、床の間に掛かる高取の筆「寒鶯待春」である。冬の鶯が春に備えて笹鳴きを重ねるように、村の人々にここで学んで世に出てほしいという願いが込められていると、多久市は説明している。

登録有形文化財としての価値

寒鶯亭は「造形の規範となっているもの」として登録された。文化庁は、木造和風の公会堂建築の好例と評価している。

棟札から、設計は杵島炭鉱の技師・大坪彌平、棟梁は舩津虎五郎と判明している(文化庁)。炭鉱の技師が設計した点に、炭鉱主の寄贈という成り立ちがよく表れている。

見どころ

寒鶯亭は16畳の3室を中心に、その四周に縁を回し、入母屋造の大屋根を架ける。北面の中央には車寄を設けている(文化庁)。公会堂でありながら、外観は大きな和風の邸宅のように見える。

床の間の「寒鶯待春」の書も見ておきたい。多久市によれば、建物の横には瓶を地中に伏せて水滴の音を響かせる水琴窟がある(2024年時点で調整中)。

見学と利用

寒鶯亭は多久市の貸し施設で、多久市によれば利用時間は午前9時から午後8時、毎週月曜日が休館(祝日の場合は翌日)。16畳の大広間3室と8畳の小和室1室があり、使用には事前の許可が要る。使用料は1室1時間あたり100円で、市外の人や団体は2倍となる。

申し込みは指定管理者の西九州建設株式会社(電話0952-74-3591)か、多久市の公共施設予約システムで行う。建物の外観は公園内から見ることができる。

西渓公園へは、多久市によればJR多久駅からバスで約10分の「本多久」で降り、徒歩約5分。所在地は多久市多久町1975(西渓公園内)。

Q&A

Q多久市西渓公園寒鶯亭はいつ建てられましたか?
A文化庁の記録では大正13年(1924年)です。多久市は大正14年(1925年)に寄贈されたとしています。
Q寒鶯亭という名前の由来は?
A床の間にある高取伊好の書「寒鶯待春」に由来します。平成4年(1992年)から寒鶯亭と呼ばれています(多久市)。
Q多久市西渓公園寒鶯亭は利用できますか?
A多久市の貸し施設で、午前9時から午後8時まで利用できます(月曜休館)。事前の許可が必要で、使用料は1室1時間100円です(多久市)。
Q多久市西渓公園寒鶯亭を設計したのは誰ですか?
A棟札によれば、設計は杵島炭鉱の技師・大坪彌平、棟梁は舩津虎五郎です(文化庁)。
Q多久市西渓公園寒鶯亭へはどう行けばよいですか?
AJR多久駅からバスで約10分の「本多久」で降り、徒歩約5分です(多久市)。

基本情報

名称多久市西渓公園寒鶯亭(たくしせいけいこうえんかんおうてい)
所在地佐賀県多久市多久町1975(西渓公園内)
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成11年(1999年)7月8日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積293平方メートル
所有者多久市
公開状況貸し施設(午前9時から午後8時、月曜休館、使用は事前許可制)

参考文献

多久市西渓公園寒鶯亭(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001209
寒鶯亭(多久市)
https://www.city.taku.lg.jp/map/map11.html
西渓公園(多久市)
https://www.city.taku.lg.jp/map/map52.html
高取伊好(多久市)
https://www.city.taku.lg.jp/soshiki/20/2232.html

最終更新日: 2026.10.14