旧石橋家住宅西蔵とは

旧石橋家住宅西蔵(きゅういしばしけじゅうたくにしくら)は、滋賀県彦根市芹町にある明治時代前期(1868〜1882年)の土蔵で、平成25年(2013年)に登録有形文化財として登録された。土蔵造2階建、切妻造桟瓦葺で、本体は桁行6メートル・梁間4メートルある。

中主屋の後方、敷地の北西隅に建つ。棟を東西に通す東西棟で、南北棟の東蔵・中蔵とは向きが90度違う。文化庁の記録上の建築面積は65平方メートルで、旧石橋家住宅の4棟の土蔵のなかで最も大きい。

登録の理由 ― 屋敷の北西隅を押さえる土蔵

旧石橋家住宅西蔵は東側の妻面を出入口とし、そこに下屋を設ける。外壁は漆喰塗りで、腰に竪板を張る。2階の東西両方の妻には小窓を開け、窓の上に、木の枠で支えた小さな庇を付けている。

西蔵が立つ北西隅は、屋敷の外周が折れ曲がる角にあたる。この隅には高さ3.4メートル、延長28メートルの西塀が矩折れにのび、西蔵の北東隅からは北塀が東の中蔵へと続く。敷地の角に蔵と2本の高塀が集まり、屋敷の裏手の輪郭をここで締めている。登録の基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

旧石橋家住宅西蔵の見どころ ― 登り梁の小屋組と庇付きの小窓

屋根を支える小屋組は、文化庁の記録によれば登り梁の形式である。登り梁は、屋根の勾配に沿って斜めに架ける梁である。

2階両妻の小窓は、土蔵の外観に小さな表情を与えている。白い漆喰の妻壁に、木枠で持ち出した庇が小さく突き出す姿は、装飾の少ない土蔵のなかで目を引く部分である。明治時代後期の東蔵が洋小屋、中蔵が湾曲梁を採るのに対し、明治時代前期の西蔵は登り梁で、同じ屋敷の3棟の蔵が3通りの小屋組を持つことになる。

なお、桁行6メートル・梁間4メートルから計算される本体の面積は24平方メートルで、記録上の建築面積65平方メートルとの差が大きい。東側の下屋など付属部分を含めた数値とみられるが、内訳は公表資料では確認できなかった。

旧石橋家住宅西蔵の見学

旧石橋家住宅西蔵は敷地の奥にあり、内部も周囲の敷地も公開されていない。表通りからは中主屋や西主屋にさえぎられて見えにくい。

文化庁データベースの写真一覧に外観写真があり、妻面の小窓と庇の形はそこで確かめられる。行き方と旧石橋家住宅全体の見学条件は旧石橋家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q旧石橋家住宅西蔵はいつの建物で、いつ登録されましたか?
A明治時代前期(1868〜1882年)の土蔵です。平成25年(2013年)6月21日に登録有形文化財に登録されました。
Q旧石橋家住宅西蔵の大きさはどのくらいですか?
A本体は桁行6メートル、梁間4メートルの2階建です。文化庁の記録上の建築面積は65平方メートルで、旧石橋家住宅の土蔵4棟のなかで最大です。
Q旧石橋家住宅西蔵の屋根の組み方は?
A屋根の勾配に沿って斜めに梁を架ける登り梁の形式です。東蔵は洋小屋、中蔵は湾曲した梁と、蔵ごとに組み方が異なります。
Q旧石橋家住宅西蔵は見学できますか?
A内部と敷地は非公開で、表通りからも見えにくい位置にあります。外観は文化庁データベースの写真で見られます。
Q旧石橋家住宅西蔵の周りにはどんな建物がありますか?
A敷地の北西隅に西塀が矩折れにのび、西蔵の北東隅からは北塀が中蔵へ続いています。南側には中主屋が建っています。

基本情報

名称旧石橋家住宅西蔵
所在地滋賀県彦根市芹町11
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成25年(2013年)
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、桁行6メートル・梁間4メートル、建築面積65平方メートル
所有者彦根市
公開状況非公開(敷地内のため外観の確認も困難)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「旧石橋家住宅西蔵」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009632
文化遺産オンライン「旧石橋家住宅西蔵」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/229408
文化庁 国指定文化財等データベース「旧石橋家住宅西塀」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009636
文化庁 国指定文化財等データベース「旧石橋家住宅北塀」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009637
彦根観光協会「旧石橋家住宅中主屋」
https://www.hikoneshi.com/sightseeing/article/kyu-ishibashike-jutaku-nakashuoku

最終更新日: 2026.09.25