旧石橋家住宅東蔵とは
旧石橋家住宅東蔵(きゅういしばしけじゅうたくひがしぐら)は、滋賀県彦根市芹町にある明治時代後期(1898〜1912年)の土蔵で、平成25年(2013年)に登録有形文化財として登録された。土蔵造2階建、瓦葺で、建築面積は35平方メートルある。
東主屋の後方に建ち、西隣の中蔵とほぼ同じ大きさで並ぶ。2棟とも棟を南北に向けた南北棟で、東西に肩を並べている。旧石橋家住宅には土蔵が4棟あり、東蔵はそのうち最も東にある。
登録の理由 ― 中蔵と一対で整えた屋敷の奥の景観
旧石橋家住宅東蔵は切妻造桟瓦葺の妻入で、三角形の妻側を南に向け、その西寄りに戸口を開く。外壁は漆喰塗りで、腰には竪板を張る。文化庁の解説は、この外壁の仕上げを中蔵とそろえ、2棟の外観を整えている点に触れている。
南面には、中蔵と一続きになった吹き放しの下屋を差し掛ける。壁のない庇の下を2棟の戸口が共有する形で、東主屋の裏手に、同じ意匠の土蔵が2つ並ぶ小さな蔵前の空間ができている。登録の基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、文化庁の解説も、東蔵を中蔵との並びのなかで説明している。
旧石橋家住宅東蔵の見どころ ― 土蔵の中の洋小屋
東蔵のいちばんの特徴は、屋根を支える骨組みにある。文化庁の記録によれば、東蔵の小屋組は洋小屋である。洋小屋は部材を三角形に組んで屋根の重さを受ける西洋式の骨組みで、日本では一般に明治以降に広まった。
外観は漆喰塗りに竪板張りという伝統的な土蔵の姿をとりながら、屋根裏では新しい構法を採っていることになる。しかも、ほぼ同じ大きさで同じ時期に建つ隣の中蔵は、湾曲した梁で棟木を受ける別の組み方をとる。外から見ればそっくりな2棟が、屋根の内側では異なる組み方で建てられており、同じ屋敷の同じ時期の蔵でも骨組みの選び方が分かれていたことがわかる。
建築面積は東蔵が35平方メートル、中蔵が34平方メートルで、差はわずか1平方メートルしかない。
旧石橋家住宅東蔵の見学
旧石橋家住宅東蔵は敷地の奥に建っており、内部も蔵前の空間も公開されていない。表通りからは東主屋にさえぎられ、姿をとらえるのは難しい。洋小屋の骨組みも屋根の内側にあるため、実物を見る機会は限られる。
文化庁データベースの写真一覧には外観写真が載っており、中蔵と並ぶ姿や共有の下屋を確かめられる。行き方と旧石橋家住宅全体の見学条件は旧石橋家住宅のページにまとめてある。
Q&A
- 旧石橋家住宅東蔵はいつの建物で、いつ登録されましたか?
- 明治時代後期(1898〜1912年)の土蔵です。平成25年(2013年)6月21日に登録有形文化財に登録されました。
- 旧石橋家住宅東蔵の「洋小屋」とは何ですか?
- 部材を三角形に組んで屋根を支える西洋式の骨組みです。東蔵は外観こそ伝統的な土蔵ですが、屋根の内側はこの洋小屋で組まれています。
- 旧石橋家住宅東蔵と中蔵はどう違いますか?
- 大きさと外壁の仕上げはほぼ同じですが、屋根の骨組みが違います。東蔵は洋小屋、中蔵は湾曲した梁で棟木を受ける組み方です。
- 旧石橋家住宅東蔵は見学できますか?
- 内部は非公開で、敷地の奥にあるため表通りからも見えにくい建物です。外観は文化庁データベースの写真で確認できます。
- 旧石橋家住宅東蔵の戸口はどこにありますか?
- 南を向いた妻側の西寄りにあります。戸口の前には中蔵と一続きの吹き放しの下屋が掛かっています。
基本情報
| 名称 | 旧石橋家住宅東蔵 |
|---|---|
| 所在地 | 滋賀県彦根市芹町11 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成25年(2013年) |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 土蔵造2階建、瓦葺、建築面積35平方メートル |
| 所有者 | 彦根市 |
| 公開状況 | 非公開(敷地内のため外観の確認も困難) |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「旧石橋家住宅東蔵」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009630
- 文化遺産オンライン「旧石橋家住宅東蔵」
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/269856
- 文化庁 国指定文化財等データベース「旧石橋家住宅中蔵」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009631
- 彦根観光協会「旧石橋家住宅中主屋」
- https://www.hikoneshi.com/sightseeing/article/kyu-ishibashike-jutaku-nakashuoku
最終更新日: 2026.09.25