屋敷の水まわりを引き受けた棟

日牟禮庵旧流し場は、滋賀県近江八幡市西元町の町家の敷地で主屋の背後に接続して建つ大正10年(1921年)頃の建物で、平成10年(1998年)12月に国の登録有形文化財に登録された。

木造平屋建、瓦葺で建築面積は38平方メートル。屋根は桟瓦葺である。内部は東側に離れへ通じる廊下と便所・風呂場などを設け、西側を土間とする。名の流し場は、炊事や洗い物にあてた土間まわりを指す。

一部に改造の手は入っているが、間取りの骨格は残る。台所と風呂と便所と通路を一棟に束ね、母屋と離れの間に置くという配置である。

なぜ登録されたのか

文化庁の国指定文化財等データベースは、この地域の江戸時代の町家が建物をどう並べていたかをよく示す事例として日牟禮庵旧流し場を評価している。建物そのものは大正期のものだが、置かれた位置と役割が古い町家の配置を引き継いでいる、という読み方である。

登録番号は25-0098。登録の基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、屋敷の7件すべてに共通する。

見どころ

日牟禮庵旧流し場は、単体で眺めて面白い建物ではない。意味があるのは位置である。主屋の背後に接し、東側の廊下が離れへ延びる。屋敷の各棟をつなぐ結び目がここにあり、人の動線も水も、いったんこの棟を通る。

建築面積38平方メートルという規模は、主屋の117平方メートルと離れの30平方メートルのちょうど中間にあたる。住まいの機能を一手に引き受ける棟としては、控えめな大きさである。

見学方法

日牟禮庵旧流し場は非公開である。屋敷の奥にあるため公道からも見えず、外観を確かめる方法は実質的にない。主屋の前方にあるそば店を訪ねても、この棟までは通じていない。

現地では、主屋の通り土間がどこまで奥へ抜けているかを見ておくとよい。その先に日牟禮庵旧流し場が控えている。屋敷全体への行き方と見学の条件は日牟禮庵のページにまとめてある。

Q&A

Q日牟禮庵旧流し場は見学できますか。
Aできません。屋敷の奥にある非公開の建物で、公道から外観を見ることもできません。
Q日牟禮庵旧流し場とはどういう建物ですか。
A炊事や洗い物にあてた土間と、便所・風呂場、離れへ通じる廊下をまとめた棟です。主屋の背後に接続して建ちます。
Q日牟禮庵旧流し場はいつ建てられたものですか。
A大正10年(1921年)頃とされます。建物は大正期ですが、配置は江戸時代の町家の考え方を引き継いでいると評価されています。
Q日牟禮庵旧流し場は重要文化財ですか。
Aいいえ。平成10年(1998年)12月に登録された登録有形文化財で、登録番号は25-0098です。
Q日牟禮庵旧流し場の大きさはどのくらいですか。
A建築面積は38平方メートルです。木造の平屋建で、屋根は瓦葺です。

基本情報

名称日牟禮庵旧流し場(ひむれあんきゅうながしば)
所在地滋賀県近江八幡市西元町61
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成10年(1998年)12月11日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積38平方メートル
所有者個人(文化庁データベースに所有者名の記載なし)
公開状況非公開。屋敷の奥にあり、公道からは見えない

参考文献

国指定文化財等データベース 日牟禮庵旧流し場(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00000975
国指定文化財等データベース 日牟禮庵主屋(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00000973
文化遺産オンライン 日牟禮庵主屋
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/180883
近江八幡市 文化財
https://www.city.omihachiman.lg.jp/kanko/rekishi/1/index.html

最終更新日: 2026.09.17