いさご屋旅館とは:久遠寺の参道口に建つ木造3階の旅館

いさご屋旅館は、山梨県南巨摩郡身延町身延にある昭和前期(1926〜1945年)の木造3階建の旅館建築で、平成28年(2016年)に国の登録有形文化財に登録された。

日蓮宗の総本山、身延山久遠寺へ続く細い東谷参道の入口に建つ。山梨県は、身延でも数少なくなった旅館の1軒と紹介している。構造は木造3階建、入母屋造平入、瓦葺で、建築面積は201平方メートルである。

山梨県によると、昭和15年(1940年)に前身の建物が火事に遭い、すぐに再建するため、静岡県富士宮にあった木造3階の遊郭建築を移築してきたと伝えられる。移築当時は富士宮御殿と呼ばれ、その後増築されて現在の姿になった。旅館は、富士宮浅間神社の近くで富士宮御殿と呼ばれていた建物を移したと案内している。

登録の理由:古刹の門前に風情を添える外観

いさご屋旅館の登録番号は19-0076、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁は、入母屋の玄関や刎高欄の手摺を設けた外観が古刹の門前に風情を醸していると評価している。

2階の南側は大広間、3階には客室が並ぶ。山梨県によると、大広間は船底天井の56畳で、客間の欄間はそれぞれ異なる図柄の細工が施されている。

内部の仕上げにも手がかけられている。文化庁はヒノキの一枚板の階段踏板、寄木、網代天井を挙げている。

見どころ:刎高欄の窓と入母屋の玄関

参道から見上げたとき、2階と3階の窓ごとに付く刎高欄の手摺が、いさご屋旅館の外観を特徴づけている。反り上がった高欄が窓の列にリズムをつくり、木造3階の立面を軽く見せる。

玄関にも入母屋の屋根が掛かる。建物本体の入母屋造の屋根と玄関の小さな入母屋が重なって見える位置から眺めたい。

館内では、ヒノキの一枚板の階段と網代天井が、この建物の意匠をよく伝える部分として見どころになる。

いさご屋旅館の見学方法

いさご屋旅館は営業中の旅館で、内部を見られるのは基本的に宿泊客である。公式サイトによると客室は和室14室、収容は100名、宿泊料金は1泊2食付きで9,500円(税込み)から。予約と問い合わせは電話(0556-62-0028)で受け付けている。

公式サイトによると、鉄道ではJR身延線の身延駅が最寄りで、身延駅からの送迎について相談できる。車では中部横断道の身延山インターチェンジが近い。外観は参道から見られるが、宿泊客の出入りの妨げにならないよう配慮したい。

Q&A

Qいさご屋旅館はどのような建物ですか?
A身延山久遠寺へ続く東谷参道の入口にある、昭和前期の木造3階建・入母屋造の旅館建築です。建築面積は201平方メートルで、平成28年(2016年)に国の登録有形文化財に登録されました。
Qいさご屋旅館の建物は移築されたものですか?
A山梨県によると、昭和15年(1940年)に前身の建物が火事に遭い、静岡県富士宮にあった木造3階の建物を移築したと伝えられています。移築当時は富士宮御殿と呼ばれていました。
Qいさご屋旅館の見どころは?
A2階と3階の窓に付く刎高欄の手摺、入母屋の玄関、ヒノキの一枚板の階段、網代天井、56畳の大広間などです。
Qいさご屋旅館に泊まれますか?
A営業中の旅館で、和室14室があります。公式サイトによると1泊2食付きで9,500円(税込み)からで、予約は電話(0556-62-0028)で受け付けています。
Qいさご屋旅館への行き方は?
AJR身延線の身延駅が最寄りで、送迎について旅館に相談できます。車では中部横断道の身延山インターチェンジが近くです。

基本情報

名称いさご屋旅館(いさごやりょかん)
所在地山梨県南巨摩郡身延町身延3696
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成28年(2016年)2月25日登録
員数1棟
寸法木造3階建、瓦葺、建築面積201平方メートル
所有者個人
公開状況営業中の旅館。内部は宿泊客のみ。外観は参道から見られる

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「いさご屋旅館」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010965
文化遺産オンライン「いさご屋旅館」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/254555
山梨県「いさご屋旅館」
https://www.pref.yamanashi.jp/bunka/bunkazaihogo/bunkazai_data/yamanashinobunkazai_ty0072.html
いさご屋旅館 公式サイト
https://isagoya.minobu.jp/
いさご屋旅館 公式サイト「アクセスマップ」
https://isagoya.minobu.jp/access/

最終更新日: 2026.09.27