参道の入口に南面する二重門

身延山久遠寺三門は、山梨県南巨摩郡身延町身延の身延山久遠寺で、本坊域へ向かう参道の入口に南を向いて建つ明治40年(1907年)の二重門で、平成30年(2018年)5月10日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「さんもん」である。

寺の境内案内によれば、三門の名は「空」「無相」「無願」の三つの解脱をあらわし、門には第79世日慈上人の筆による「身延山」の扁額が掛かる。門をくぐった先からは、本堂のある高台へ向かって287段の石段、菩提梯が始まる。

禅宗様の組物を上下に重ねる

文化庁の記録では木造2階建、建築面積295平方メートル。正面5間のうち中央の3間を通路とする五間三戸の二階二重門で、上下の層にそれぞれ屋根を架ける。

屋根の材料は、記録のなかで書き方が分かれる。構造欄は「瓦葺」とするが、解説文は「本瓦形銅板葺」と記す。解説文に従えば、銅板を本瓦の丸瓦と平瓦の形に成形して葺いた屋根ということになる。

組物は、下層が木鼻付の三手先詰組で軒は二軒繁垂木、上層は尾垂木付の三手先詰組で軒は二軒扇垂木とする。垂木を放射状に配る扇垂木は禅宗様の特徴で、文化庁は規模雄大かつ精緻なつくりの、近代における禅宗様二重門の好例と評価している。左右の山廊は、正面に花頭窓を開ける。

見どころと見学

身延山久遠寺三門は、南側の参道から見上げるのがよい。まず「身延山」の扁額を確かめ、つぎに下層と上層の軒裏を見比べたい。下層の垂木は平行に並び、上層の垂木は扇のように開く。

上層の内部を一般に公開しているという案内は、公式サイトに見当たらない。境内の屋外は自由に撮影できるので、菩提梯を登り始める前に、門の左右の山廊と花頭窓も見ておきたい。参拝時間と境内への行き方は身延山久遠寺のページにまとめてある。

Q&A

Q身延山久遠寺三門はいつ建てられましたか。
A明治40年(1907年)の建築です。
Q身延山久遠寺三門の「三門」にはどんな意味がありますか。
A寺の案内では、「空」「無相」「無願」の三つの解脱をあらわすとされています。
Q身延山久遠寺三門の扁額は誰の筆ですか。
A第79世日慈上人の筆による「身延山」の扁額が掛かっています。
Q身延山久遠寺三門の屋根は何で葺かれていますか。
A文化庁の解説文では本瓦形銅板葺、構造欄では瓦葺と記されています。
Q身延山久遠寺三門はいつ登録有形文化財になりましたか。
A平成30年(2018年)5月10日に登録されました。

基本データ

名称身延山久遠寺三門(みのぶさんくおんじさんもん)
所在地山梨県南巨摩郡身延町身延3567
指定区分国登録有形文化財(建造物) 登録番号19-128
指定年平成30年(2018年)5月10日登録
員数1棟
寸法木造2階建、瓦葺(解説文では本瓦形銅板葺)、建築面積295平方メートル、正面5間
所有者宗教法人身延山久遠寺
公開状況通り抜け・外観見学可(境内拝観無料・上層の公開案内なし)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)— 身延山久遠寺三門
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012352
身延山久遠寺 公式サイト — 境内案内
https://www.kuonji.jp/precincts/
身延山久遠寺 公式サイト — よくある質問
https://www.kuonji.jp/faq/

最終更新日: 2026.10.01