日蓮聖人の神霊をまつる棲神閣

身延山久遠寺祖師堂及び御供所は、山梨県南巨摩郡身延町身延の身延山久遠寺で、本坊域の本堂の東に南を向いて建つ明治14年(1881年)の仏堂で、平成30年(2018年)5月10日に国の登録有形文化財に登録された。祖師堂は日蓮聖人の神霊をまつる堂で、寺は「棲神閣」の名でも呼んでいる。

建てられた経緯には二通りの説明がある。久遠寺の公式サイトは、江戸時代に廃寺となった感応寺のお堂を明治14年に移築・再建したと案内する。一方、文化庁の記録は、宗祖日蓮聖人の600年遠忌(没後600年の法要)にあわせた再建と記している。二つの説明がどう結びつくのかは、どちらの資料からも確かめられない。

文化庁の記録では、祖師堂は木造平屋建、銅板葺で、建築面積は851平方メートル。平成3年(1991年)と平成6年(1994年)に改修されている。同じ登録に含まれる御供所は、建築面積32平方メートルの木造平屋建、瓦葺の建物で、記録には構造と面積のほかの記述がない。

撞木造の平面と、彫刻で飾る内陣

平面は、文化庁の記録が「いわゆる撞木造」と呼ぶ形式で、鐘をつく撞木のような丁字形に棟を組む。側まわりの柱の上には二手先の組物を並べ、妻飾は虹梁と大瓶束に蟇股を加えてにぎやかにまとめる。正面の向拝には軒唐破風を付け、曲線の屋根を張り出している。

内部について、文化庁の解説は広大な中陣を含む奥深い空間と、精緻な彫刻で飾った内陣を挙げる。豪壮な外観とあわせ、総本山としての威容を示す建物というのが解説の評価である。

見どころと見学

身延山久遠寺祖師堂及び御供所のうち、祖師堂は参拝者が堂内で手を合わせる現役の堂である。久遠寺の案内では、境内の建物には基本的に自由に入れるが、立ち入りできない場所や時間がある。日蓮聖人の命日にあたる毎月13日には、この祖師堂で法要が営まれる。

この堂で行われる特別な参拝が「お開帳」で、堂内の大宮殿の扉を開き、日蓮聖人の像を拝む。予約は要らず、受付時間内に窓口で申し込めばよい。所要は約15分、お開帳料は一人2,000円である。堂内の撮影は原則として禁止で、屋外は自由に撮影できる。

外からは正面に立ち、向拝の軒唐破風と、その上の妻に重なる虹梁・大瓶束・蟇股を見上げたい。参拝時間と境内への行き方は身延山久遠寺のページにまとめてある。

Q&A

Q身延山久遠寺祖師堂及び御供所の読み方は。
A「みのぶさんくおんじそしどうおよびごくうしょ」と読みます。
Q身延山久遠寺祖師堂及び御供所の祖師堂には何がまつられていますか。
A日蓮聖人の神霊がまつられています。寺はこの堂を「棲神閣」とも呼びます。
Q身延山久遠寺祖師堂及び御供所の祖師堂はいつ建てられましたか。
A明治14年(1881年)です。公式サイトは廃寺となった感応寺の堂の移築・再建、文化庁の記録は日蓮聖人600年遠忌の再建と説明しています。
Q身延山久遠寺祖師堂及び御供所で行われる「お開帳」とは何ですか。
A祖師堂の大宮殿の扉を開いて日蓮聖人の像を拝む参拝で、予約なしで申し込めます。所要約15分、一人2,000円です。
Q身延山久遠寺祖師堂及び御供所はいつ登録有形文化財になりましたか。
A平成30年(2018年)5月10日に登録されました。

基本データ

名称身延山久遠寺祖師堂及び御供所(みのぶさんくおんじそしどうおよびごくうしょ)
所在地山梨県南巨摩郡身延町身延4252
指定区分国登録有形文化財(建造物) 登録番号19-117
指定年平成30年(2018年)5月10日登録
員数1棟
寸法祖師堂 木造平屋建、銅板葺、建築面積851平方メートル/御供所 木造平屋建、瓦葺、建築面積32平方メートル
所有者宗教法人身延山久遠寺
公開状況堂内参拝可(境内拝観無料・堂内撮影不可・お開帳は有料)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)— 身延山久遠寺祖師堂及び御供所
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012341
身延山久遠寺 公式サイト — 境内案内
https://www.kuonji.jp/precincts/
身延山久遠寺 公式サイト — 御廟所
https://www.kuonji.jp/precincts/gobyosho/
身延山久遠寺 公式サイト — よくある質問
https://www.kuonji.jp/faq/

最終更新日: 2026.10.01