碣石調幽蘭第五とは:唐代に書き写された琴の譜

碣石調幽蘭第五(けっせきちょうゆうらんだいご)は、東京都台東区の東京国立博物館が所蔵する唐時代(7から8世紀)の中国の書跡1巻で、昭和29年(1954年)3月20日に国宝に指定された。

東京国立博物館によると、紙本墨書の巻物で、縦27.4センチメートル、全長423.1センチメートル。所有者は独立行政法人国立文化財機構である。

内容は、七絃の琴で弾く曲「幽蘭」の弾き方を文章で記した譜で、琴の曲の古い姿を伝える資料として知られる。

碣石調幽蘭第五の内容

e国宝の解説によると、碣石調幽蘭第五は、中国の梁(502年から557年)の末期の琴の名手、丘公(きゅうこう)の作と伝える『琴譜』を抜き書きした写本である。丘公は字を明といい、会稽(浙江省)の人で、楚調を得意とし、とりわけ「幽蘭」の演奏にすぐれていたという。隋の開皇10年(590年)に97歳で没した。

本文は「幽蘭」の弾奏法を論じ、末尾には「楚調」「千金調」「胡笳」から「楚妃歎」まで、59の曲名を列挙している。指の運びを文章で書き記す形式で、音の高さを記号で示す後世の琴譜とは書き方が異なる。

碣石調幽蘭第五の価値

e国宝の解説によると、本文は唐代初期の整った力強い楷書で1行20字に書かれ、巻首の補筆部分も唐代の人物による書写とみられる。

碣石調幽蘭第五は京都・西賀茂の神光院に伝わった。幕末から明治の医者森立之(もりりっし)の『経籍訪古志』と、清の黎庶昌(れいしょしょう)の『古逸叢書』に収められて広く知られるようになった。中国で失われた古い琴の譜が日本に残った例として、書跡と音楽の両面から重視されている。

碣石調幽蘭第五の見どころ

展示の機会があれば、まず楷書の筆致を見たい。1行20字で整然と並ぶ字面が、4メートルを超える巻物の上に続いている。

巻末の曲名の列挙にも目を向けたい。59の曲名は、唐代以前に琴で弾かれていた曲の広がりを示している。巻首の補筆部分と本文の書きぶりを見比べるのも面白い。

碣石調幽蘭第五の見学方法

碣石調幽蘭第五は東京国立博物館の所蔵品で、同館の名品ギャラリーには東博コレクション展での展示予定は未定と表示されている。常設では公開されていないため、見学を望む場合は東京国立博物館の展示予定を確かめたい。

東京国立博物館は東京都台東区上野公園13-9にある。画像は、国立文化財機構のe国宝で全巻を見ることができる。

Q&A

Q碣石調幽蘭第五はどこにありますか?
A東京都台東区上野公園の東京国立博物館が所蔵しています。
Q碣石調幽蘭第五とは何ですか?
A七絃の琴の曲「幽蘭」の弾き方を記した琴譜を、唐時代に書き写した巻物です。
Q碣石調幽蘭第五はいつ国宝に指定されましたか?
A昭和29年(1954年)3月20日に国宝に指定されました。
Q碣石調幽蘭第五は見られますか?
A東京国立博物館での展示予定は未定です。e国宝で全巻の画像を見ることができます。
Q碣石調幽蘭第五の大きさは?
A縦27.4センチメートル、全長423.1センチメートルの巻物です。

基本情報

名称碣石調幽蘭第五(けっせきちょうゆうらんだいご)
所在地東京都台東区上野公園13-9(東京国立博物館)
指定区分国宝(書跡・典籍)
指定年昭和29年(1954年)3月20日指定
員数1巻
寸法縦27.4センチメートル、全長423.1センチメートル
所有者独立行政法人国立文化財機構
公開状況常設公開なし。e国宝で画像公開

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「碣石調幽蘭第五」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/710
文化遺産オンライン「碣石調幽蘭第五」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/125904
東京国立博物館「碣石調幽蘭第五」
https://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=TB1393
e国宝「碣石調幽蘭第五」
https://emuseum.nich.go.jp/detail/100229
e-Museum: Elegant Orchid in the Stone Tablet Mode
https://emuseum.nich.go.jp/detail/100229?langId=en

最終更新日: 2026.09.27