日本バプテストキリスト教目白ヶ丘教会礼拝堂とは

日本バプテストキリスト教目白ヶ丘教会礼拝堂は、東京都新宿区下落合にあるバプテスト派の鉄筋コンクリート造の礼拝堂で、建築家遠藤新(えんどう・あらた)の設計により昭和25年(1950年)に建てられ、平成23年(2011年)に国の登録有形文化財に登録された。JR目白駅の南、住宅地の角地に建っている。

教会は明治44年(1911年)に小石川バプテスト教会として生まれ、戦時中に現在地へ移って目白ヶ丘教会となった。教会のサイトは本文で「目白ケ丘」と大きいケも使い、文化庁の登録名称は小さい「ヶ」で表記する。昭和26年(1951年)からは幼稚園も開かれた。

文化庁の国指定文化財等データベースは、構造を鉄筋コンクリート造平屋建、鉄板葺、建築面積299平方メートルと記録する。棟を南北に通した切妻造の建物である。登録上の所在地は下落合2-416-3ほかで、教会の住所表示は下落合2-15-11である。

遠藤新のアーチがつくる堂内という登録の理由

日本バプテストキリスト教目白ヶ丘教会礼拝堂は平成23年(2011年)10月28日に登録された。登録番号は13-0283、登録基準は「造形の規範となっているもの」である。文化庁の解説がとくに挙げるのは内部で、桁行方向に架けた大きなアーチで堂内を分け、独特の空間をつくって静謐な場としている、と述べる。

遠藤新(1889年〜1951年)は、東京の帝国ホテルの建設でフランク・ロイド・ライトを支えた日本人建築家として知られる。教会は礼拝堂を「遠藤新のフランク・ロイド・ライト様式建造物」と紹介している。京都芸術大学の学生が2020年にまとめた調査レポートは、教会での聞き取りと遠藤新の評伝をもとに、竣工を1950年9月、施工を鹿島建設とし、アーチの意図を遠藤自身の考えから説明している。

レポートによれば、遠藤は背の高い教会堂の欠点として、控え柱が必要になること、図体が大きく周りの家並みと調和しないこと、高窓の光がまぶしいこと、天井の隅で音が響きすぎること、がらんとして落ち着かないことを挙げていた。その答えが、堂内を高い中央部と低い両脇に分ける2本の大きなアーチ状の梁である。梁が屋根を受けるので外周の柱は細くでき、壁には低い窓を数多く開けられる。遠藤はこの梁を動物の肋骨に、礼拝堂を虎にたとえたと伝わる。

礼拝堂は遠藤の最晩年の作品となった。完成の翌年、昭和26年(1951年)6月に遠藤は世を去り、レポートは、新しい礼拝堂で最初に営まれた葬儀が遠藤自身のものだったと記している。

目白ヶ丘教会礼拝堂の見どころ

通りからは、まず鐘楼に目を向けたい。文化庁の解説が東面の北端と記す位置に、細身の白い塔が立ち、頂部を尖塔アーチ形に開いて鐘を吊り、その上に十字架を掲げる。隣の妻壁には、十字で区切った大きな丸窓があり、その下に四角い窓が帯状に並ぶ。長い側面には縦長の窓が連続し、これも文化庁が特徴として挙げている。

堂内では、アーチがすべてを決めている。文化庁の内観写真では、桁行方向の2本のアーチが左右で白い大きな曲面となって下り、高い中央部は聖餐台のまわりで背の高い尖頭アーチに閉じる。その奥には頭頂の尖った木の扉があり、壁は腰の高さまで濃い色の板張り、妻の高い位置には十字を入れた小さな丸窓が開く。板張りより上は、すべて白い面である。

レポートは教会の奉仕者の話として、その後の改修も記録している。雨漏りを機に天井を鉄筋コンクリートに改め、スレートの屋根は金属板に、木製の窓枠はアルミサッシに替えたが、意匠は踏襲された。長椅子は当初からのものだという。

目白ヶ丘教会礼拝堂の見学方法とアクセス

日本バプテストキリスト教目白ヶ丘教会礼拝堂は毎週の礼拝に使われており、観光向けの公開時間や拝観料はない。鐘楼と妻壁は公道からいつでも見られる。

主日礼拝は日曜日の午前11時から午前11時45分まで、その前の午前10時から教会学校がある。水曜日の午前10時30分からは聖書の学びと祈り会が開かれる。教会はクリスチャンでない人も多く出席していると案内しており、日曜日の礼拝に加わるのが堂内を見る自然な方法である。それ以外の時間は、事前に教会へ電話で問い合わせたい。

撮影についての案内は見当たらない。外観は道路から撮り、内部を撮るときは教会に確認したい。礼拝中の撮影は控える。

JR山手線の目白駅から徒歩約8分。教会の案内では、1か所しかない改札を出て左へ目白通りを200メートル進み、目白3丁目の信号を左に折れて200メートルほど行くと右手に教会が見える。高田馬場駅からは徒歩約10分である。

Q&A

Q目白ヶ丘教会礼拝堂を設計したのは誰ですか?
Aフランク・ロイド・ライトに師事した建築家、遠藤新です。昭和25年(1950年)に完成し、遠藤の最晩年の作品となりました。
Q目白ヶ丘教会礼拝堂の内部の特徴は?
A桁行方向の大きなアーチで堂内を高い中央部と低い両脇に分けています。文化庁はこれを独特で静謐な空間と評しています。
Q目白ヶ丘教会礼拝堂はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成23年(2011年)10月28日に「造形の規範となっているもの」として登録されました。
Q日本バプテストキリスト教目白ヶ丘教会礼拝堂の中に入れますか?
A日曜日午前11時からの主日礼拝には誰でも出席できます。それ以外の時間は事前に教会へ問い合わせてください。料金はかかりません。
Q目白ヶ丘教会礼拝堂への行き方は?
AJR山手線の目白駅から徒歩約8分、高田馬場駅から徒歩約10分です。

基本情報

名称日本バプテストキリスト教目白ヶ丘教会礼拝堂
所在地東京都新宿区下落合2-416-3ほか
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成23年(2011年)10月28日登録
員数1棟
寸法建築面積299㎡(鉄筋コンクリート造平屋建、鉄板葺)
所有者宗教法人日本バプテストキリスト教目白ヶ丘教会
公開状況外観は公道から見学可。内部は日曜午前11時の主日礼拝時、または事前連絡による

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)日本バプテストキリスト教目白ヶ丘教会礼拝堂
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008824
文化遺産オンライン 日本バプテストキリスト教目白ヶ丘教会礼拝堂
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/174357
日本バプテストキリスト教目白ヶ丘教会 ホーム・集会案内
https://mejirogaoka-church.com/
日本バプテストキリスト教目白ヶ丘教会 アクセス
https://mejirogaoka-church.com/%e3%82%a2%e3%82%af%e3%82%bb%e3%82%b9
京都芸術大学 学生レポート「目白ヶ丘教会にみる遠藤新の建築について」(2020年)
https://g.kyoto-art.ac.jp/reports/2426/

最終更新日: 2026.10.04