旧山寺ホテルとは
旧山寺ホテルは、山形県山形市大字山寺の立石寺(山寺)門前、JR仙山線山寺駅の正面に建つ旅館建築で、平成27年(2015年)11月17日に国の登録有形文化財(建造物)となった(文化庁)。読みは「きゅうやまでらほてる」。
文化庁の記録では、木造2階建、鋼板葺及び鉄板葺、建築面積423平方メートル。建築年代は明治後期(1898~1912年)で、大正5年(1916年)と昭和11年(1936年)に改修されている。登録番号は06-0161である。
門前の旅籠からホテルへ
運営者の「やまがたレトロ館」によれば、前身は立石寺門前の川原町にあった旅籠「中島屋」である。大正2年(1913年)8月の立谷川の氾濫で建物が流され、対岸の現在地に移って再建した。現在地の建物は、明治35年(1902年)当時の所有者がすでに「山寺ホテル」と称しており、中島屋7代目がその屋号を引き継いだという。
大正5年(1916年)には2階建ての旅館と庭園を整え、高等旅館として営業を再開した。当時は立石寺に面した庭園側が正面玄関だった(やまがたレトロ館)。
昭和8年(1933年)に仙山線の山形・山寺間が、昭和12年(1937年)に全線が開通すると、山寺は観光地としての隆盛期を迎える。山寺ホテルは全線開通前の昭和11年(1936年)に新館を増築し、山寺駅に向く東側を表玄関とした(やまがたレトロ館)。
登録有形文化財としての価値
旧山寺ホテルは「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。文化庁の解説によれば、立石寺門前の川岸に建ち、中央の本館、西の居住部、東の新館と、2階建て3棟を組み合わせている。
本館の北面に当初の玄関を構え、仙山線開業のころに山寺駅側に唐破風造の玄関を設けた。新館の2階は幾何学的な意匠の立面で時代の特徴を示しており、文化庁は門前の歴史的な風致に寄与する建物としている。
見どころ
駅側の唐破風の玄関と、幾何学的な意匠を見せる新館の2階の立面が外観の見どころである(文化庁)。やまがたレトロ館によれば、新館の屋根は当時最先端だったセメント瓦で葺かれ、玄関右手の洋風食堂の面影をショーウインドーに、「山寺三番」の電話が引かれた電話室も残る。
庭園側にはかつての表玄関が裏玄関として残る。山形市コミュニティファンドの事業報告は、立石寺のある宝珠山を借景とし、2階の窓から宝珠山の景色を眺められると紹介している。
やまがたレトロ館として
旅館は平成19年(2007年)に閉館したが、平成24年(2012年)から「やまがたレトロ館」として公開されている。館内には、山形県内の明治から昭和初期の建物を描いた結城泰作のペン画のうち、山形市内の建物を描いたおよそ120点を常設展示している(やまがたレトロ館)。
山形市コミュニティファンドの事業報告によれば、山形歴史たてもの研究会が平成24年度に本館の屋根を葺き替え、建物とペン画を無料で公開した。正面左手の母屋は所有者の居住部で、立ち入ることはできない(やまがたレトロ館)。
見学について
運営者の案内では、入館は無料、開館時間は午前10時から午後4時までで、冬季は休館する。この案内は平成29年(2017年)時点のものなので、訪れる前に電話(023-695-2216)で確かめたい(やまがたレトロ館)。
所在地は山形市大字山寺4278。JR仙山線の山寺駅を出た正面にあり、山交バスターミナルから山寺行きのバスで「山寺駅前」下車、車では国道13号の大の目交差点から山寺街道を進む(やまがたレトロ館)。
Q&A
- 旧山寺ホテルはいつ建てられましたか?
- 文化庁の記録では明治後期(1898~1912年)で、大正5年(1916年)と昭和11年(1936年)に改修されています。
- 旧山寺ホテルの前身は?
- 立石寺門前の川原町にあった旅籠「中島屋」です。大正2年(1913年)の立谷川の氾濫で流され、現在地に移りました(やまがたレトロ館)。
- 旧山寺ホテルの建物の特徴は?
- 本館・西の居住部・東の新館の2階建て3棟からなり、駅側の唐破風造の玄関と、幾何学的な意匠の新館2階の立面が特徴です(文化庁)。
- 旧山寺ホテルの中は見学できますか?
- 「やまがたレトロ館」として公開され、入館は無料です。開館時間や休館期間は電話(023-695-2216)で確かめてください(やまがたレトロ館)。
- 旧山寺ホテルが登録有形文化財になったのはいつですか?
- 平成27年(2015年)11月17日です。
基本情報
| 名称 | 旧山寺ホテル(きゅうやまでらほてる) |
|---|---|
| 所在地 | 山形県山形市大字山寺4278 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成27年(2015年)11月17日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造2階建、鋼板葺及び鉄板葺、建築面積423平方メートル |
| 所有者 | 個人 |
| 公開状況 | やまがたレトロ館として公開(入館無料、冬季休館。最新情報は要確認) |
参考文献
- 旧山寺ホテル(国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010726
- 旧山寺ホテルの歴史(やまがたレトロ館)
- https://yamaderahotel.hateblo.jp/entry/2017/04/29/030321
- 「やまがたレトロ館(旧山寺ホテル)」公式ページ
- https://yamaderahotel.hateblo.jp/about
- やまがたレトロ館(旧山寺ホテル)ブログ
- https://yamaderahotel.hateblo.jp/
- 旧山寺ホテルを保存活用し、癒しの場を提供するプロジェクト(山形市コミュニティファンド)
- https://yamagata-cf.jp/hokoku/k2013203/
最終更新日: 2026.10.14