秋吉台とは:日本最大級のカルスト台地

秋吉台は、山口県美祢市にある古生代の石灰岩からなるカルスト台地で、昭和36年(1961年)に国の天然記念物に指定され、昭和39年(1964年)に天然記念物となった。

文化庁の解説によれば、秋吉台は長径約17キロメートル、短径約7.5キロメートル、広さ約130平方キロメートル、海抜200〜400メートルの台地である。美祢市は、このうち特別天然記念物に指定されている面積を1,269ヘクタールとしている。台地は急な崖に縁どられ、周囲の平野から一段高く持ち上がって見える。

台地は昭和30年(1955年)に秋吉台国定公園にもなっている。管理団体は美祢市である。

指定の理由:地形と地層の両面での学術的価値

文化庁が挙げる価値は二つある。一つは地形で、ドリーネ、ウバーレ、ポリエ、カレンフェルト、石灰洞といったカルスト地形の要素がよく発達し、カルストが発達していく各時期の地形がそろって見られること。もう一つは地層で、石灰岩に紡錘虫(フズリナ)やサンゴなどの化石が多量に含まれ、さらに大規模な地層の逆転構造があることである。

美祢市によると、石灰岩は古生代の石炭紀からペルム紀にかけてサンゴ礁としてできた。小澤儀明博士は地層を詳しく調べ、横臥褶曲によって台地の北半分が上下逆転していることを明らかにした。現在では、海でできたサンゴ礁がプレートの動きで日本列島に付け加わる際、部分的にひっくり返った石灰岩が並んだと解釈されている。研究はいまも続いている。

保護の経緯にも触れておきたい。秋吉台は明治の中ごろから陸軍の演習地として使われ、戦後も演習が続いた。昭和31年(1956年)に米海軍航空部隊の空爆演習場に指定されると激しい反対運動が起き、学術上きわめて重要であることを理由に演習場としての使用は取りやめになった、と美祢市は記している。

見どころ:カレンフェルトとドリーネ、山焼き

台上に立つと、草原から灰白色の石灰岩が無数に突き出している。これがカレンフェルトで、美祢市は地獄台をその見事な例に挙げる。一方、馬ころびと呼ばれる一帯には、すり鉢状のくぼ地であるドリーネが高い密度で分布している。台上にはアバンと呼ばれる竪穴も点在する。

草原は毎年の山焼きによって保たれている。美祢市観光協会は例年2月の第3日曜日に行うと案内しており、焼けた黒い台地に岩が白く浮かぶ光景が見られる。11月中旬から12月上旬には草紅葉で台地が色づく。

秋吉台の地下には秋芳洞をはじめとする多数の石灰洞が発達している。秋芳洞の洞内から台上へは、途中のエレベーター口を使って上がることができる。

秋吉台の見学方法

秋吉台は屋外の台地で、散策に料金はかからない。美祢市観光協会によると、公共交通ではJR新山口駅からバスで約40分の「秋芳洞」で降り、そこから台上の展望台まで徒歩約30分。土日祝日は循環バス、平日は乗合の周遊タクシーも利用できる。車では小郡萩道路の秋吉台インターチェンジから約10分である。

散策では、必ず道に沿って歩くこと。秋吉台の公式サイトは、ドリーネに落ちると上がってこられないとして、柵のある場所や、くぼみに蔓草が不自然に茂った場所に近づかないよう呼びかけている。個人の記念撮影は自由にできるが、個人利用以外の撮影は秋吉台科学博物館への相談が必要とされている。

台地を含む美祢市全域は、令和8年(2026年)4月にユネスコ世界ジオパークに認定された。認定ガイドが案内するジオツアーもあり、台地の成り立ちを現地で聞きながら歩くことができる。

Q&A

Q秋吉台はどのくらいの広さですか?
A文化庁の解説では、長径約17キロメートル、短径約7.5キロメートル、広さ約130平方キロメートルの台地です。このうち特別天然記念物に指定されている面積は1,269ヘクタールと美祢市は説明しています。
Q秋吉台はいつ特別天然記念物になりましたか?
A昭和36年(1961年)10月19日に天然記念物に指定され、昭和39年(1964年)7月10日に特別天然記念物に格上げされました。
Q秋吉台の山焼きはいつ行われますか?
A美祢市観光協会は例年2月の第3日曜日と案内しています。草原を保つための行事で、天候によって日程が変わることがあるため、事前に確認してください。
Q秋吉台へは公共交通でどう行けますか?
AJR新山口駅からバスで約40分の「秋芳洞」で降り、台上の展望台まで徒歩約30分です。土日祝日は循環バス、平日は乗合の周遊タクシーも使えます。
Q秋吉台を歩くときの注意点は?
A道から外れないことです。ドリーネに落ちると上がれない危険があるため、柵のある場所や、くぼみに蔓草が茂った場所には近づかないよう公式サイトが呼びかけています。

基本情報

名称秋吉台(あきよしだい)
所在地山口県美祢市(秋芳町秋吉ほか)
指定区分天然記念物
指定年昭和36年(1961年)10月19日天然記念物指定、昭和39年(1964年)7月10日特別天然記念物指定
員数1件
寸法広さ約130平方キロメートル(特別天然記念物の指定面積1,269ヘクタール)
所有者管理団体 美祢市
公開状況屋外の台地で散策自由、料金なし

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「秋吉台」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/401/2432
文化遺産オンライン「秋吉台」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/173085
美祢市「秋吉台」
https://www2.city.mine.lg.jp/soshiki/kyoiku/hogoka/bunkazai/bunkazai/kunishitei/tokubetsu/1530.html
美祢市観光協会「特別天然記念物 秋吉台」
https://karusuto.com/spot/akiyoshidai/
秋吉台 公式ホームページ「秋吉台」
https://akiyoshidai-park.com/spot/
美祢市「Mine秋吉台ジオパーク ユネスコ世界ジオパーク認定」
https://www2.city.mine.lg.jp/information/13359.html

最終更新日: 2026.09.27