萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵とは

萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵は、山梨県甲府市湯村三丁目の個人住宅の敷地にある江戸末期(1830〜1868年)の茶室と明治後期の雪隠で、2棟が令和7年(2025年)3月13日に国の登録有形文化財に登録された。

読みは「はぎわらけじゅうたく(きゅうおおきけじゅうたく)おうしあん」。翁姿庵(おうしあん)は茶室の庵号で、名称の括弧書きが示すとおり、もとは大木家の住宅にあった建物である。勝沼宿の萩原家住宅(はぎはら)や八尾市の萩原家住宅とは別の物件で、このページでは甲府市湯村の翁姿庵を扱う。

二度の移築を経た茶室と雪隠

文化庁のデータベースは、茶室・雪隠ともに昭和23年(1948年)と平成3年(1991年)に移築されたと記している。茶室は江戸末期、雪隠は明治後期(1898〜1912年)の建築で、年代の異なる2棟がいっしょに移されてきたことになる。どこからどこへ移されたかは、公開された資料からは確かめられていない。

現在の2棟は甲府市内北西部、湯村の住宅の敷地内にある。雪隠は茶室の北に南を向いて建ち、茶室に付属する建物として一組になっている。

翁姿庵の登録2件

翁姿庵の2棟は、令和6年(2024年)11月22日の文化審議会の答申を経て、令和7年(2025年)3月13日に登録有形文化財(建造物)となった。登録基準はいずれも「造形の規範となっているもの」である。

  • 萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵茶室:江戸末期、昭和23年・平成3年移築。木造平屋建、茅葺(鉄板仮葺)、建築面積13㎡
  • 萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵雪隠:明治後期、昭和23年・平成3年移築。木造平屋建、茅葺(鉄板仮葺)、建築面積4.1㎡

答申では、二畳台目向板の茶室が煤竹の廻縁やキリ板の天井など材料を吟味した丁寧なつくりであること、雪隠が大理石張の土間床に小便器を据えた、小規模ながら上質なつくりであることが挙げられている。茶室と雪隠がそろって残り、ともに登録された例である。

萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵の見学

翁姿庵は個人住宅の敷地内にあり、一般には公開されていない。見学日や見学料の定めはなく、通りから2棟の姿を確かめられるという情報も見当たらない(2026年10月確認)。敷地に立ち入ったり、住まいをのぞき込んだりすることは控えたい。

外観と内部の写真は、文化庁の国指定文化財等データベースと文化遺産オンラインで見ることができる。所在地の湯村三丁目は、JR甲府駅から北西へ直線でおよそ2キロの住宅地である。

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵茶室」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015309
文化庁 国指定文化財等データベース「萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵雪隠」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015310
文化庁「文化審議会答申(令和6年11月22日)」登録有形文化財(建造物)一覧(PDF)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/94140701_01.pdf
文化遺産オンライン「萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵茶室」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/611353
文化遺産オンライン「萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵雪隠」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/544324
山梨県「山梨の文化財リスト(登録有形文化財:建造物)」
https://www.pref.yamanashi.jp/bunka/bunkazaihogo/tourokuyukei.html

最終更新日: 2026.10.01

基本情報

名称萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵
所在地山梨県甲府市湯村三丁目508-1
指定登録有形文化財 2件
座標35.68111, 138.55098