18件のうちもっとも新しい建物

茂木七郎右衛門家住宅琴平神社神楽殿は、千葉県野田市野田にある醤油醸造家・茂木七郎右衛門家の邸内社、琴平神社で神楽を奉納するための舞台で、大正9年(1920年)に建てられ、平成30年(2018年)3月27日に国の登録有形文化財に登録された。木造平屋建、銅板葺で、建築面積は14平方メートルである。

屋敷と神社をあわせた18件の登録のなかで、もっとも新しい建物である。本殿が明治5年(1872年)の建築なので、半世紀近く後になって境内に加わったことになる。本殿との間には、明治29年(1896年)の額殿(絵馬殿)が建つ。

張り出した舞台と控室

核になるのは桁行1間、梁間1間の小さな正方形の部分で、その正面と側面に床を張り出して舞台とする。舞台の周りには、柱頭に葱坊主形の飾りを付けた擬宝珠高欄を廻らせ、後方には舞い手が控える控室を付ける。

内部の間仕切りには、松を描いた羽目板をはめた鏡戸(かがみど)を立てる。能舞台の正面奥に描かれる老松と同じ趣向で、神楽の舞台であることを背景の絵で示している。文化庁は、整った構えの神楽殿と評している。

本殿を写した屋根と天狗面

屋根は本殿と同じく、正面に唐破風を向けた向唐破風造の照り起り屋根で、妻入とする。唐破風の中央の下に下げる兎毛通しには天狗の面を彫り出し、正面を飾っている。

千葉県の解説は、本殿・神楽殿・額殿・手水舎をいずれも立川流の宮大工、佐藤庄助則久と里次則莊(さとじのりたけ)の建築としている。本殿と神楽殿の間には48年の開きがあるが、同じ屋根の形式が選ばれたことで、境内の社殿に統一感が生まれている。

登録番号は12-267、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

見学について

茂木七郎右衛門家住宅琴平神社神楽殿のある境内は、ふだんは門が閉ざされている。一般の参拝のために開門されるのは毎月10日で、この日に外観を見ることができる。

正面に立って兎毛通しの天狗面を見上げ、そのあと本殿の唐破風と見比べると、二つの屋根が同じ形式でつくられていることがよく分かる。舞台の擬宝珠高欄も正面から確かめやすい。開門の時間帯や撮影の可否について公表された案内は見当たらないので、当日の掲示に従ってほしい。行き方は茂木七郎右衛門家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q茂木七郎右衛門家住宅琴平神社神楽殿はいつ見学できますか。
A琴平神社は毎月10日に一般参拝のため開門されます。この日に神楽殿の外観を見ることができます。
Q茂木七郎右衛門家住宅琴平神社神楽殿はいつ建てられたのですか。
A大正9年(1920年)です。茂木七郎右衛門家住宅の登録18件のなかでもっとも新しい建物です。
Q茂木七郎右衛門家住宅琴平神社神楽殿の見どころは。
A本殿と同じ向唐破風造の照り起り屋根、兎毛通しに彫られた天狗面、舞台を囲む擬宝珠高欄、内部の松羽目の鏡戸です。
Q茂木七郎右衛門家住宅琴平神社神楽殿はどのくらいの大きさですか。
A建築面積は14平方メートルで、桁行1間・梁間1間の部分の正面と側面に床を張り出して舞台としています。
Q茂木七郎右衛門家住宅琴平神社神楽殿の屋根は本殿とどう関係していますか。
A本殿と同じ向唐破風造の照り起り屋根で、妻入です。本殿から約半世紀後の建物ですが、同じ形式を繰り返しています。

基本データ

名称茂木七郎右衛門家住宅琴平神社神楽殿(もぎしちろうえもんけじゅうたくことひらじんじゃかぐらでん)
所在地千葉県野田市野田339
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号12-267 登録基準:国土の歴史的景観に寄与しているもの
指定年平成30年(2018年)3月27日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、銅板葺、建築面積14平方メートル、桁行1間・梁間1間
所有者宗教法人琴平神社
公開状況毎月10日に一般参拝のため開門(外観のみ)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)茂木七郎右衛門家住宅琴平神社神楽殿
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012122
千葉県 茂木七郎右衛門家住宅主屋ほか
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/bunkazai/bunkazai/q111-103.html
野田市 茂木七郎右衛門家住宅(もぎしちろうえもんけじゅうたく)
https://www.city.noda.chiba.jp/kurashi/kyoiku/bunka/1000585/1017161.html

最終更新日: 2026.09.25