鈴木家住宅蔵とは ― 主屋と蔵前でつながる内蔵

鈴木家住宅蔵は、千葉県館山市沼にある大正13年(1924年)建築の木造2階建の蔵で、平成19年(2007年)に登録有形文化財(建造物)となった。主屋の東に建ち、蔵前(蔵の入口前の小さな空間)で主屋とつながる内蔵である。

規模は桁行3間、梁間2間、建築面積32平方メートル。屋根は切妻造の桟瓦葺とする。主屋・表門と同じ年に完成し、同じ日に登録された。

登録の理由と価値

鈴木家住宅蔵は、登録基準のうち「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。単独の蔵としてではなく、主屋と並んで屋敷の外観をつくる一棟として評価されている。

その根拠になっているのが外壁の仕上げである。外壁と、軒下で壁を厚く見せる鉢巻の部分を、目地を切って石積みに見せたモルタル洗い出しで仕上げている。主屋の東側の壁も同じ仕上げで、二つの建物が一続きの石造建築のように見える。構造は木造でありながら、外観は石の蔵を思わせる。この取り合わせに、関東大震災直後の建て替えで何が意識されたのかをうかがうことができる。

見どころ ― 南面の塗戸と庇

正面にあたる南面では、1階・2階とも出入口と窓に塗戸(漆喰などで塗り固めた重い扉)を吊り込み、それぞれに庇を付ける。上下2段に同じ構成を重ねた、蔵らしい端正な立面である。

もう一つ見ておきたいのは、洗い出しの壁に刻まれた目地の線である。遠目には切石を積んだように見えるが、近くで見れば砂利の粒が表面に浮かぶモルタルの仕上げとわかる。主屋の東壁と見比べると、一連の工事で仕上げをそろえたことが読み取れる。

見学方法 ― 非公開

鈴木家住宅蔵は個人の住まいの一部で、公開されていない。蔵は表門から見て主屋の東奥に建つため、道路からは主屋の陰になり、見える範囲は限られる。敷地内への立ち入りはできないので、無理にのぞき込むことは避けたい。

外壁の仕上げは主屋の東側と共通なので、道路から主屋の東端が見えれば、蔵と同じ洗い出しの肌合いを確かめることができる。

Q&A

Q鈴木家住宅蔵は見学できますか?
A個人の住まいの一部のため公開されていません。主屋の東奥に建つので、道路から見える範囲は限られます。
Q鈴木家住宅蔵はいつ建てられましたか?
A大正13年(1924年)の建築です。関東大震災の直後に、主屋・表門と同時に完成しました。
Q鈴木家住宅蔵は土蔵ですか?
A構造は木造2階建です。外壁を目地付きのモルタル洗い出しで仕上げ、石造のように見せています。
Q鈴木家住宅蔵と主屋はどうつながっていますか?
A蔵前と呼ばれる入口前の空間で主屋とつながる内蔵です。主屋の東側の壁も蔵と同じ洗い出し仕上げで、外観がそろえられています。
Q鈴木家住宅蔵の大きさはどのくらいですか?
A桁行3間、梁間2間で、建築面積は32平方メートルです。屋根は切妻造の桟瓦葺です。

基本情報

名称鈴木家住宅蔵(すずきけじゅうたくくら)
所在地千葉県館山市沼1619
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成19年(2007年)5月15日登録
員数1棟
寸法木造2階建、瓦葺、建築面積32平方メートル
所有者個人
公開状況非公開

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「鈴木家住宅蔵」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006220
館山市「【国登録有形文化財】鈴木家住宅 主屋・蔵・表門」
https://www.city.tateyama.chiba.jp/syougaigaku/page009934.html

最終更新日: 2026.09.25