愛山荘二の蔵とは

愛山荘二の蔵は、福井県越前市若竹町の愛山荘で敷地の西面に建ち街路に面する大正5年(1916年)頃建築の土蔵造2階建の蔵で、平成29年(2017年)に登録有形文化財に登録された。

桁行9.4メートル、梁間5.6メートルの平入で、瓦葺、建築面積は74平方メートル。敷地の内側にあたる東面に蔵前を付ける。北隣には門及び塀、さらにその北の角に一の蔵が並び、この3件が愛山荘の街路側の構えをつくっている。

2025年11月からは、越前打刃物や越前漆器、越前焼、越前和紙、越前箪笥といった地元の伝統工芸を並べるギャラリーとして使われている。

登録の理由

愛山荘二の蔵の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

内部は1階・2階とも一室で、漆喰の壁に板張りを組み合わせる。正面の両開きの扉は、扉の縁を五段の段状に塗り重ねた掛子塗とし、腰まわりなども黒漆喰で仕上げる。黒と白の対比が、厚い壁の重みをそのまま見せる外観になっている。

五段という段数は、扉と枠をかみ合わせて火や煙の侵入を防ぐための工夫で、段が多いほど手間がかかる。愛山荘二の蔵は、見せるための座敷蔵ではなく、実際に物を守るための蔵として念入りに造られている。

見どころ

五段の掛子塗の扉

愛山荘二の蔵でいちばん見ておきたいのは扉である。閉じた扉の縁を横から見ると、段が五つ刻まれているのが分かる。蔵前の付く東側が正面とみられ、敷地の内側から見ることになる。

黒漆喰の腰

壁の下部を黒漆喰で仕上げると、泥はねや傷みが目立ちにくく、外観も引き締まる。白い上部との境の線が、蔵全体の水平のリズムを決めている。

街路からの眺め

西側の道から見ると、一の蔵、門及び塀、愛山荘二の蔵が一列に並ぶ。越前市の文化財一覧はこの蔵が街路に面する側を東としているが、文化庁のデータベースは西としており、門及び塀が敷地の西面を画すという記載とも合うため、本記事は西に従った。

見学

愛山荘二の蔵は、現在は伝統工芸のギャラリーとして開かれている。料理店の利用者は、食事の前後に庭を歩いて立ち寄ることができる。内部は1階・2階とも一室の構成で、蔵らしい薄暗さの中に工芸品が並ぶ。

街路側の外観は、道からいつでも見られる。ギャラリー内の撮影は店の案内に従いたい。敷地への行き方と営業時間は愛山荘のページにまとめてある。

Q&A

Q愛山荘二の蔵はいつ建てられましたか?
A大正5年(1916年)頃です。平成29年(2017年)6月28日に登録有形文化財に登録されました。
Q愛山荘二の蔵の中には入れますか?
A入れます。現在は越前打刃物や越前焼など地元の伝統工芸を展示するギャラリーとして使われており、料理店「古志の国 愛山荘」の利用者が食事の前後に立ち寄れます。
Q愛山荘二の蔵はなぜ登録有形文化財なのですか?
A「国土の歴史的景観に寄与しているもの」という基準で登録されました。五段の掛子塗の両開扉と黒漆喰の腰をもつ重厚な外観で、街路側の景観をつくっている点が評価されています。
Q愛山荘二の蔵の扉の見どころは?
A扉の縁が五段に塗り重ねられた掛子塗です。閉じた扉を横から見ると段の数が数えられます。蔵前のある東側から見るのが分かりやすいでしょう。
Q愛山荘二の蔵は外から見られますか?
A西側の街路から、一の蔵や門及び塀とともにいつでも外観を見られます。

基本情報

名称愛山荘二の蔵
所在地福井県越前市若竹町14字天野1-4
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成29年(2017年)6月28日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積74平方メートル。桁行9.4メートル、梁間5.6メートル
所有者小野谷機工株式会社
公開状況伝統工芸のギャラリーとして公開。街路側の外観は常時見学可

参考文献

国指定文化財等データベース 愛山荘二の蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011681
大正時代の文化財建築で舌鼓「古志の国 愛山荘」が越前市にリニューアルオープン(ふくいドットコム)
https://www.fuku-e.com/fukutabi/detail_878.html
国登録有形文化財「愛山荘」使った懐石料理店、越前市にオープン(福井新聞)
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/2449289
文化財指定別一覧(越前市)
https://www.city.echizen.lg.jp/office/090/030/shiteibunkazai/siteibetu.html
古志の国 愛山荘 公式サイト
https://aizansou.com/

最終更新日: 2026.09.26