愛山荘離れとは

愛山荘離れは、福井県越前市若竹町の愛山荘で主屋の東に廊下でつながる木造平屋建の座敷棟で、大正5年(1916年)頃に建ち、昭和17年(1942年)に増築されたのち、平成29年(2017年)に登録有形文化財に登録された。

瓦葺で、建築面積は151平方メートル、渡廊下が付く。愛山荘離れは性格の違う二つの部分から成る。六畳一間の「旧離れ」と、十畳と六畳の2室からなる「離れ」である。呼び名からみて、旧離れが大正期の部分、離れが昭和17年(1942年)の増築部分にあたると考えられる。

登録上の所在地は「若竹町14字天野2」で、愛山荘のほかの8件が「天野1-4」であるのと地番が分かれている。

登録の理由

愛山荘離れの登録基準は「造形の規範となっているもの」である。文化庁の解説は、旧離れと離れのそれぞれに近代的な工夫を見ている。

旧離れは、庭に面した東南の隅に、2面にわたって矩折れに地袋を回し、その上をガラス窓で大きく開け放つ。低い位置に収納をまとめ、上半分を窓にすることで、座ったまま2方向の庭が見渡せる。

離れは端正な造りで、床の間まわりに円窓を開ける。直線で組み立てられた座敷の中に円をひとつ置くだけで、部屋の印象ははっきり変わる。愛山荘離れは、主屋と同じく庭を楽しむための建物であり、その工夫が時代を追って少しずつ異なる形で表れている。

見どころ

旧離れの角の窓

愛山荘離れに通されたら、まず旧離れの東南の角を見たい。柱の間を地袋が折れ曲がって続き、その上がガラス窓になっている。部屋の角が壁ではなく窓で抜けているため、六畳の小さな部屋でも庭に包まれるような感覚がある。

離れの円窓

十畳と六畳の離れでは、床の間まわりの円窓が目印になる。外の緑が丸く切り取られ、季節によって見える色が変わる。

二つの時代を比べる

大正期の旧離れと、昭和17年(1942年)の増築とみられる離れは、同じ廊下の先に並んでいる。角をガラスで開く旧離れと、円窓ひとつで室内を整える離れを見比べると、同じ家の中で好みがどう移ったかを考える手がかりになる。

見学

愛山荘離れは主屋とともに料理店「古志の国 愛山荘」の客席として使われており、室内を見るには食事の予約をするのが基本になる。旧離れと離れのどちらに案内されるかは店の割り振りによるので、特定の部屋を希望する場合は予約時に相談したい。

外観は庭の東側から見ることができ、主屋から東へ延びる廊下と、その先の平屋の屋根の連なりが分かる。撮影は店の案内に従いたい。敷地への行き方と営業時間は愛山荘のページにまとめてある。

Q&A

Q愛山荘離れはいつ建てられましたか?
A大正5年(1916年)頃に建てられ、昭和17年(1942年)に増築されました。平成29年(2017年)6月28日に登録有形文化財に登録されています。
Q愛山荘離れの「旧離れ」と「離れ」はどう違いますか?
A旧離れは六畳一間で、庭側の東南の角に矩折れの地袋を回し、上部をガラス窓で開いています。離れは十畳と六畳の2室からなり、床の間まわりに円窓を開けた端正な造りです。
Q愛山荘離れはなぜ登録有形文化財なのですか?
A「造形の規範となっているもの」という基準で登録されました。角をガラス窓で開いた旧離れと、円窓を配した離れの双方に、近代的な意匠がまとめられている点が評価されています。
Q愛山荘離れの室内は見学できますか?
A料理店「古志の国 愛山荘」の客席として使われているため、食事の予約をして利用するのが基本です。特定の部屋を見たい場合は予約時に相談してください。
Q愛山荘離れはどこにありますか?
A愛山荘の主屋の東側にあり、主屋と廊下でつながっています。登録上の所在地は越前市若竹町14字天野2です。

基本情報

名称愛山荘離れ
所在地福井県越前市若竹町14字天野2
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成29年(2017年)6月28日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積151平方メートル、渡廊下付
所有者小野谷機工株式会社
公開状況料理店「古志の国 愛山荘」の客席として利用。内部は食事の利用者に公開

参考文献

国指定文化財等データベース 愛山荘離れ
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011678
文化遺産オンライン 愛山荘離れ
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/222584
文化財指定別一覧(越前市)
https://www.city.echizen.lg.jp/office/090/030/shiteibunkazai/siteibetu.html
古志の国 愛山荘 公式サイト
https://aizansou.com/

最終更新日: 2026.09.26