愛山荘待合とは
愛山荘待合は、福井県越前市若竹町の愛山荘の庭で茶室の南西に置かれた昭和3年(1928年)頃建築の木造平屋建の腰掛待合で、昭和後期に改修を受け、平成29年(2017年)に登録有形文化財に登録された。
腰掛待合とは、茶事に招かれた客が露地の途中で腰を掛け、亭主の迎えを待つための小さな建物をいう。愛山荘待合は桁行3.0メートル、建築面積4.7平方メートルで、屋根は鋼板葺。愛山荘の登録文化財のなかで最も小さい。
改修の時期は、文化庁のデータベースで昭和後期、1966年から1989年のあいだとされている。
登録の理由
愛山荘待合の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。
屋根は、棟を境に片側の流れを長く下ろした招屋根で、腰掛の背後には下屋を付ける。材はおもに丸太で、袖壁には壁の下地の竹や葦を見せた下地窓を開けている。いずれも数寄屋風の意匠で、茶室へ向かう露地の景色をつくる役目を果たしている。
文化庁の解説がとくに記しているのは配置である。愛山荘待合は茶室に対してやや北へ向きを振って据えられ、腰掛けた客の目が庭へ抜けるようになっている。小さな建物ながら、庭の眺めを計算して置かれていることが分かる。
見どころ
向きの振れ
愛山荘待合を見るときは、茶室との角度に注目したい。茶室にまっすぐ向き合うのではなく、少し北へ振れている。腰掛に座ったつもりで視線の先を追うと、庭の広がりが正面に来る。
下地窓と丸太
袖壁の下地窓は、壁を塗り残して格子状の下地を見せたもので、光と風をわずかに通す。丸太の柱や桁とあわせて、素朴な材料で小さな空間を整える数寄屋の手法がよく表れている。
招屋根の輪郭
横から見ると、片側だけ長く下りた屋根の線が分かる。腰掛の背後の下屋と連なって、背の低い建物を庭に沈めるような輪郭をつくっている。
見学
愛山荘待合は庭の中の開いた構えの建物で、外観は庭から見ることができる。腰掛に座れるかどうかは公式サイトに示されていないので、店の案内に従いたい。
茶室の南西に位置するため、茶室と一緒に見て回ると、露地の流れがつかみやすい。敷地への行き方と営業時間は愛山荘のページにまとめてある。
Q&A
- 愛山荘待合はいつ建てられましたか?
- 昭和3年(1928年)頃に建てられ、昭和後期(1966年から1989年のあいだ)に改修されました。平成29年(2017年)6月28日に登録有形文化財に登録されています。
- 愛山荘待合とはどんな建物ですか?
- 茶事に招かれた客が茶室へ呼ばれるまで腰を掛けて待つ、庭の中の腰掛待合です。桁行3.0メートル、建築面積4.7平方メートルの小さな建物です。
- 愛山荘待合はなぜ登録有形文化財なのですか?
- 「国土の歴史的景観に寄与しているもの」という基準で登録されました。招屋根や丸太、下地窓による数寄屋風の意匠と、庭への眺めを確保した配置で、露地の景観をつくっている点が評価されています。
- 愛山荘待合はどこにありますか?
- 愛山荘の庭の中、茶室の南西にあります。茶室に対してやや北に向きを振って置かれています。
- 愛山荘待合は見学できますか?
- 外観は庭から見られます。腰掛に座れるかどうかは公式には示されていないため、店の案内に従ってください。
基本情報
| 名称 | 愛山荘待合 |
|---|---|
| 所在地 | 福井県越前市若竹町14字天野1-4 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成29年(2017年)6月28日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造平屋建、鋼板葺、建築面積4.7平方メートル。桁行3.0メートル |
| 所有者 | 小野谷機工株式会社 |
| 公開状況 | 外観は庭から見学可 |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 愛山荘待合
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011684
- 文化財指定別一覧(越前市)
- https://www.city.echizen.lg.jp/office/090/030/shiteibunkazai/siteibetu.html
- 古志の国 愛山荘 公式サイト
- https://aizansou.com/
最終更新日: 2026.09.26