日常の暮らしのために建てた2階建
齋藤家住宅離れは、福井県鯖江市舟津町にある齋藤家の屋敷で主屋の西に接続して建つ昭和3年(1928年)の木造2階建の住宅で、平成28年(2016年)11月29日に国の登録有形文化財に登録された(登録番号18-0159)。屋根は瓦葺、建築面積は114平方メートルである。
間取りは上下の階とも同じ考え方でまとめられている。北側に廊下を1本通し、南側に居室を並べる。部屋が日当たりのよい南に面し、廊下が北側で動線を受け持つ、明快な構成である。
建築年には資料の食い違いがある。文化庁の国指定文化財等データベースは年代を昭和3年とする一方、西暦欄には1870年と記している。鯖江市の解説は昭和3年(1928年)としており、ここでは両資料の年代欄が一致する昭和3年(1928年)をとった。
登録の理由と価値
齋藤家住宅離れは「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。文化庁の解説は、接客を重んじてつくられた主屋に対して、離れはより日常の生活を念頭に置いた近代和風建築であると位置づけている。
江戸時代の主屋は、藩主を迎えたと伝わる座敷棟をもつ格式の高い家である。昭和初期になって、齋藤家は家族が日々を過ごす場を別棟として主屋の西に建て足した。客を迎える場と暮らす場を分ける考え方が、齋藤家住宅離れの存在そのものに表れている。
近代の住宅らしさは、南面する居室と北側の廊下という合理的な配置に見て取れる。そのうえで細部には伝統的な数寄屋造の感覚が持ち込まれており、実用と趣味が一つの建物に同居している。
見どころ
文化庁と鯖江市の解説が具体的に挙げる意匠は2つある。1つは1階の居間の欄間で、扇を広げた形を透かした扇面透欄間がはめ込まれている。もう1つは洗面所の円窓で、丸く切り抜いた窓が水まわりの小さな空間に柔らかさを添える。
どちらも数寄屋風の軽やかな意匠で、居間と洗面所という毎日使う部屋にこそ手がかけられている点が面白い。齋藤家住宅離れが客のためではなく家族のための建物であることは、こうした細部の選び方からもうかがえる。
見学方法
齋藤家住宅離れは個人の住宅で、鯖江市の解説によれば内部は公開されていない。欄間や円窓といった室内の意匠は、見学で見ることはできない。
離れは主屋の西側、敷地の奥にあたり、旧北陸道の公道からはほとんど見えない。屋敷への行き方と見学の注意は齋藤家住宅のページにまとめてある。
Q&A
- 齋藤家住宅離れは見学できますか?
- 内部は公開されていません。個人の住宅で、主屋の西側、敷地の奥に建つため、公道からもほとんど見えません。
- 齋藤家住宅離れはいつ建てられましたか?
- 昭和3年(1928年)です。文化庁のデータベースは西暦欄に1870年と記していますが、年代欄は昭和3年で、鯖江市も昭和3年(1928年)としています。
- 齋藤家住宅離れは主屋とどう違いますか?
- 主屋が接客を重んじた建物であるのに対し、離れは日常の生活を意図した近代和風建築です。各階とも北側に廊下、南側に居室を並べています。
- 齋藤家住宅離れの意匠の特徴は何ですか?
- 1階居間の扇面透欄間や洗面所の円窓など、数寄屋風の軽やかな意匠が随所に取り入れられています。
- 齋藤家住宅離れはなぜ登録有形文化財になったのですか?
- 「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として平成28年(2016年)に登録されました。接客を重んじた主屋に対し、日常の生活を意図した近代和風建築として位置づけられています。
基本情報
| 名称 | 齋藤家住宅離れ |
|---|---|
| 所在地 | 福井県鯖江市舟津町4丁目1421 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成28年(2016年)11月29日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造2階建、瓦葺、建築面積114平方メートル |
| 所有者 | 個人 |
| 公開状況 | 内部非公開 |
参考文献
最終更新日: 2026.09.25