寒北斗酒造安政の蔵とは

寒北斗酒造安政の蔵は、福岡県嘉麻市大隈町にある安政4年(1857年)の土蔵造の酒蔵で、平成27年(2015年)8月4日に国の登録有形文化財(建造物)となった(文化庁)。読みは「かんほくとしゅぞうあんせいのくら」。

文化庁の記録では、建築は安政4年(1857年)で明治前期に改修され、土蔵造2階建・瓦葺、建築面積は199平方メートルとされる。登録番号は40-0135である。

店舗兼主屋の後方に建つ酒蔵で、名は建築年の元号「安政」に由来するとみられる。寒北斗酒造の3棟のなかで、建てられた年がはっきりわかるもっとも古い建物である。

22メートルの長大な土蔵

寒北斗酒造安政の蔵は、桁行22メートル、梁間7メートルの細長い土蔵造2階建である。屋根は切妻造の桟瓦葺で、平側に出入口を開け、そこに下屋を設けている(文化庁)。

長さは幅の3倍を超える。主屋の後ろに長い壁面を延ばした姿は、文化庁が「長大」と書くとおりの規模である。

出入口を妻側ではなく長い平側に開けているので、蔵の長辺に沿って人や物が出入りする形になる。下屋はその出入口を雨から守る差し掛けの屋根である。

登録有形文化財としての価値

寒北斗酒造安政の蔵は、平成27年(2015年)に「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。文化庁は、建築年代の明らかな幕末の酒蔵である点を挙げている。

酒蔵は増改築や建て替えが繰り返されやすく、建てた年が確かな江戸時代の蔵は年代を考える手がかりになる。明治前期の改修を経ながら、安政4年(1857年)の建築として今に残っている点に、この蔵の価値がある。

柱のない1階と丑梁の小屋組

文化庁の解説によると、寒北斗酒造安政の蔵の1階は柱を立てない大きな空間になっている。梁間7メートルを、柱なしで渡している。

屋根を支える小屋組は、管柱の上に載せた小梁で丑梁を受け、その丑梁に登り梁を架けて組む。丑梁は棟と同じ向きに通る太い梁、登り梁は屋根の勾配に沿って斜めに架かる梁である。

洋式のトラスを使わず、和の架構の工夫で無柱の床を確保している。同じ敷地の仕込蔵が昭和9年(1934年)にトラスで梁間14メートルを飛ばしたのと並べると、80年近くの間に酒蔵の架構がどう変わったかが見えてくる。

見学のしかた

寒北斗酒造安政の蔵は店舗兼主屋の後方にあり、内部を公開する日の案内はない。福岡県観光連盟の案内では、蔵見学も休止中とされている。

主屋の奥にあるため、通りから見られる範囲は限られる。撮影や敷地への立ち入りは、事前に蔵元へ問い合わせたい。

Q&A

Q寒北斗酒造安政の蔵はいつ建てられましたか?
A文化庁の記録では安政4年(1857年)の建築で、明治前期に改修されています。蔵の名は建築年の元号に由来するとみられます。
Q寒北斗酒造安政の蔵の大きさは?
A桁行22メートル、梁間7メートルの土蔵造2階建で、建築面積は199平方メートルです(文化庁)。
Q寒北斗酒造安政の蔵の構造の特徴は何ですか?
A1階に柱のない大きな空間をとり、管柱の上の小梁で受けた丑梁に登り梁を架けて屋根を支えています(文化庁)。
Q寒北斗酒造安政の蔵の中は見学できますか?
A内部の公開案内はなく、蔵見学も休止中です。店舗兼主屋の後方にあるため、訪ねる前に蔵元へ問い合わせてください。
Q寒北斗酒造安政の蔵が登録有形文化財になったのはいつですか?
A平成27年(2015年)8月4日です(文化庁)。

基本情報

名称寒北斗酒造安政の蔵(かんほくとしゅぞうあんせいのくら)
所在地福岡県嘉麻市大隈町字入地1036-1他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成27年(2015年)8月4日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、桁行22メートル、梁間7メートル、建築面積199平方メートル
所有者寒北斗酒造株式会社
公開状況内部の公開案内なし。蔵見学は休止中

参考文献

寒北斗酒造安政の蔵(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010706
寒北斗酒造安政の蔵(文化遺産オンライン)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/285020
寒北斗酒造仕込蔵(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010707
寒北斗酒造(クロスロードふくおか 福岡県観光連盟)
https://www.crossroadfukuoka.jp/spot/10941

最終更新日: 2026.10.29