浅井銃砲火薬店塀とは
浅井銃砲火薬店塀(あさいじゅうほうかやくてんへい)は、岐阜県飛騨市神岡町船津字西町にある昭和初期(1926年から1945年)の板塀で、平成26年(2014年)4月25日に登録有形文化財となった。浅井銃砲火薬店の敷地の南西の面に沿って折れ曲がりながら延び、店舗兼主屋の前庭を囲んでいる。
構造は木造で、屋根は金属板葺、総延長は18メートルある。文化庁の分類では建物ではなく「その他工作物」にあたる。店舗兼主屋・土蔵と同じ日に登録され、3件そろって浅井銃砲火薬店の屋敷構えをなしている。
登録の理由と価値
浅井銃砲火薬店塀の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、落ち着いた姿の板塀が角地の景観を引き立てていると評する。通りの角で折れ曲がる塀は、二つの方向から目に入る。屋敷の角を回り込む18メートルが、町角の印象を左右している。
平成25年(2013年)11月15日の文化審議会の答申でも、南西面に折れ曲がって延びる板塀は、北隣の土蔵とともに主屋がつくる通りの景観を引き立てるものとして挙げられた。塀の内側の前庭には、店舗兼主屋の客座敷が面している。塀は通りから庭を隔てるとともに、客を迎える座敷の眺めの外枠にもなっている。
塀の組み立てを下から見る
浅井銃砲火薬店塀は、下から順に組み立てを追うと分かりやすい。足元は高さ1メートルほどの基礎で、モルタルの洗出しで仕上げてある。表面のセメントを洗い流して小石の粒を浮かせた仕上げで、ざらりとした粒の表情が見える。
その上に土台を据え、柱を立てる。柱と柱の間の板は大和張で、板を表と裏に交互に打ち付けるため、凹凸のある縦の筋が並ぶ。板の上方の小壁には格子窓が並び、塀の向こうの気配がわずかに透ける。
屋根は柱から突き出した腕木で軒桁を受け、垂木を架けて金属板を葺く。塀の上に小さな軒が連なり、板の面に雨が当たりにくい形になっている。基礎・板・格子・屋根と、材料と仕上げが段ごとに切り替わるところに、この塀の見どころがある。
浅井銃砲火薬店塀の見学
浅井銃砲火薬店塀は敷地の境に立つため、外側の面は公道から見られる。洗出しの基礎の粒、大和張の凹凸、小壁の格子窓は、近くに寄るとよく分かる。塀の内側の前庭と客座敷は一般公開されておらず、敷地に入ることはできない。
角で折れ曲がる姿は、少し離れて二つの面が同時に入る位置から眺めるとつかみやすい。撮影は公道からにとどめ、格子窓から中をのぞき込むことは控えたい。
Q&A
- 浅井銃砲火薬店塀はいつ造られたのですか?
- 文化庁のデータベースは昭和初期とし、西暦では1926年から1945年の幅で記しています。それ以上詳しい年は示されていません。
- 浅井銃砲火薬店塀はなぜ登録有形文化財になったのですか?
- 落ち着いた姿の板塀が角地の景観を引き立てていることが評価されました。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、平成26年(2014年)4月25日に登録されています。
- 浅井銃砲火薬店塀の長さはどのくらいですか?
- 総延長は18メートルです。敷地の南西の面に沿って折れ曲がり、前庭を囲んでいます。
- 浅井銃砲火薬店塀ではどこに注目すればよいですか?
- 高さ1メートルほどのモルタル洗出しの基礎、大和張の板、小壁に並ぶ格子窓、腕木で支えた小さな屋根です。下から順に材料と仕上げが変わっていきます。
- 浅井銃砲火薬店塀の内側の庭には入れますか?
- 入れません。前庭と客座敷は一般公開されていません。塀の外側の面は公道から見られます。
基本情報
| 名称 | 浅井銃砲火薬店塀 |
|---|---|
| 所在地 | 岐阜県飛騨市神岡町船津字西町1196-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成26年(2014年)4月25日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造、金属板葺、総延長18メートル、基礎の高さ約1メートル |
| 所有者 | 不明(文化庁データベースの所有者欄は空欄) |
| 公開状況 | 非公開(外側の面は公道から見学可) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 浅井銃砲火薬店塀(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00009957
- 文化庁 登録有形文化財(建造物)の登録について(平成25年11月15日答申、PDF)
- https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/bunkasingi_tousin_131115.pdf
最終更新日: 2026.10.03