加佐美神社幣殿とは

加佐美神社幣殿は、岐阜県各務原市蘇原古市場町の加佐美神社境内に建つ明治43年(1910年)建築の幣殿で、平成20年(2008年)4月18日に国の登録有形文化財に登録された。

幣殿は、神への供え物(幣帛)を奉るための建物で、本殿と拝殿の間に置かれることが多い。加佐美神社幣殿も貞享4年(1687年)の本殿のすぐ正面に建ち、その南、一段下がった位置に延享3年(1746年)の拝殿がある。木造平屋建で、建築面積は50平方メートル。文化庁の解説によると、桁行(正面の幅)が11メートル、梁間(奥行き)が5.1メートルの横長の建物である。

境内の3棟の登録建物のうち、加佐美神社幣殿はもっとも新しい。江戸時代の本殿・拝殿のあいだに、明治の終わりに加わった建物である。

加佐美神社幣殿が登録された理由

加佐美神社幣殿は第59回登録で、登録番号は21-0158。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

屋根は切妻造の桟瓦葺で、正面の3つの柱間のうち中央の1間だけ屋根を切り上げ、棟を一段高くしている。横に長い建物の真ん中に高い部分ができるので、遠目にも本殿の正面に当たる位置がはっきり分かる。

文化庁は加佐美神社幣殿を、本殿正面の厳かな礼拝の場を整える建物と評している。飾りの多い建物ではないが、中央を高く奥まらせる構成によって、本殿へ向かう軸線を建物の形で示している。

加佐美神社幣殿の見どころ

正面に立つと、中央間だけが約1メートル奥へ引っ込んでいるのが分かる。この中央間には2枚の格子戸を左右に引き違える引違格子戸が入り、両脇の間は開かない格子戸(嵌殺し)でふさがれている。同じ格子でも、開く戸と開かない戸で中央と両脇を分けているわけだ。

柱の頂部にも差がある。中央間の柱の上にだけ、桁を受ける舟肘木が載る。両脇の柱には付かないので、見比べると中央間が特別に扱われていることが読み取れる。

屋根を見上げるなら、中央間の切り上げた部分と両脇の低い屋根とのつながりに目を向けたい。棟の段差は、正面から少し下がって見上げるとつかみやすい。

加佐美神社幣殿の見学

加佐美神社幣殿は拝殿の奥、本殿の手前に建ち、拝殿越しにその正面を望むことができる。内部の公開について、神社や各務原市の案内には記載が見当たらない。格子戸の外から拝する形になると考えておきたい。

撮影の決まりも公式の案内には書かれていない。祈祷や祭事の最中は撮影を控えたい。境内への行き方と参拝の条件は加佐美神社のページにまとめてある。

Q&A

Q加佐美神社幣殿はいつ建てられたのですか?
A明治43年(1910年)の建築です。境内の登録建物3棟のうちもっとも新しく、江戸時代の本殿と拝殿のあいだに建てられました。
Q加佐美神社幣殿はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成20年(2008年)4月18日に、第59回登録として登録されました。登録番号は21-0158で、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」です。
Q加佐美神社幣殿の大きさと形は?
A桁行11メートル、梁間5.1メートル、建築面積50平方メートルの木造平屋建です。切妻造桟瓦葺で、正面中央の1間だけ屋根を切り上げて棟を高くしています。
Q加佐美神社幣殿の正面はどのようなつくりですか?
A中央間が約1メートル奥に入り、引違格子戸を建てています。両脇の間は格子戸の嵌殺しで、中央間の柱の上にだけ舟肘木が載ります。
Q加佐美神社幣殿の中に入れますか?
A内部公開の案内は見当たりません。参拝者は境内から外観を拝する形になります。境内は参拝自由で、県や市の観光案内に拝観料の記載はありません。

基本情報

名称加佐美神社幣殿
所在地岐阜県各務原市蘇原古市場町5-1-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成20年(2008年)4月18日登録
員数1棟
寸法建築面積50平方メートル(桁行11メートル、梁間5.1メートル)
所有者宗教法人加佐美神社
公開状況境内は参拝自由(無料)。内部公開の案内なし

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):加佐美神社幣殿
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007030
文化遺産オンライン:加佐美神社幣殿
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/172332
各務原市公式ウェブサイト:登録有形文化財
https://www.city.kakamigahara.lg.jp/kankobunka/bunkazai/1005182.html
岐阜の旅ガイド(岐阜県観光連盟):加佐美神社
https://www.kankou-gifu.jp/spot/detail_7128.html

最終更新日: 2026.10.03