渡邉家住宅中蔵とは
渡邉家住宅中蔵(わたなべけじゅうたくなかぐら)は、岐阜県飛騨市古川町壱之町の渡辺酒造店の敷地の奥、瀬戸川沿いに建つ土蔵造2階建の蔵で、享和4年(1804年)に建てられ、平成17年(2005年)11月10日に登録有形文化財となった。建築面積は53平方メートル。
渡邉家住宅として登録された6棟のなかで、渡邉家住宅中蔵は最も古い。渡邉家が酒造りを始めた明治3年(1870年)より66年早く、両替や生糸の商いで家を大きくしていた時代に建った蔵である。当時どのような品を納めていたかは、確認した資料からは分からない。
江戸後期の蔵が登録された理由
渡邉家住宅中蔵の登録番号は21-0064、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、古川を特徴づける土蔵群の町並みを構成する建物として渡邉家住宅中蔵を評価している。
瀬戸川沿いに並ぶ白壁の土蔵は、一棟ずつ建てられた年が違う。そのなかで江戸後期の年紀をもつこの蔵は、明治の酒蔵や昭和の離れとともに、町並みに200年を超える時間の幅を与えている。
重厚な観音開と置屋根
渡邉家住宅中蔵の平面は、ほぼ4間四方の正方形に近い。西面の1階には重厚な観音開の扉を構える。左右に開く厚い土塗りの扉は、火が迫ったときに閉じて中の品を守るためのもので、土蔵の要といえる部分である。
1階の南西の隅は、外から履物のまま入る踏込みの土間になっている。小屋組は登梁式で、屋根は置屋根とし、鉄板で葺く。置屋根は、土で塗り込めた蔵の本体の上に、別に組んだ屋根を載せかける形式である。外壁は漆喰で塗る。
すぐ近くの上手蔵(明治5年、1872年)とは建築面積が同じ53平方メートルで、どちらも西面の1階に観音開の扉をもつ。68年を隔てて建った2棟が、ほぼ同じ大きさと構えで並んでいる。
渡邉家住宅中蔵の見学
渡邉家住宅中蔵は渡辺酒造店の敷地内にあり、内部は公開されていない。外観は、瀬戸川沿いの道から土蔵の列の一部として眺めることになる。
渡辺酒造店の酒蔵見学(予約制)のルートに渡邉家住宅中蔵が含まれるかは案内されていない。川沿いの道から見上げると、白い漆喰の壁の上に鉄板の置屋根が載る様子が分かる。私有地なので、敷地には入らずに道から見てほしい。
Q&A
- 渡邉家住宅中蔵とはどんな建物ですか?
- 渡辺酒造店の敷地の奥、瀬戸川沿いに建つ土蔵造2階建の蔵です。建築面積は53平方メートルで、屋根は置屋根式の鉄板葺、外壁は漆喰塗です。
- 渡邉家住宅中蔵はいつ建てられたのですか?
- 享和4年(1804年)です。渡邉家住宅の6棟のなかで最も古く、渡邉家が酒造りを始めた明治3年(1870年)より前の建物です。
- 渡邉家住宅中蔵はいつ登録有形文化財になりましたか?
- 平成17年(2005年)11月10日です。登録番号は21-0064で、国土の歴史的景観に寄与しているものとして登録されました。
- 渡邉家住宅中蔵の見どころはどこですか?
- 西面1階の重厚な観音開の扉と、登梁で組んだ小屋に載る置屋根です。1階の南西の隅には踏込みの土間があります。
- 渡邉家住宅中蔵の中は見学できますか?
- 内部は公開されていません。外観は瀬戸川沿いの道から見られます。渡辺酒造店の酒蔵見学に中蔵が含まれるかは案内されていません。
基本情報
| 名称 | 渡邉家住宅中蔵 |
|---|---|
| 所在地 | 岐阜県飛騨市古川町壱之町7-3 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物)、登録番号21-0064 |
| 指定年 | 平成17年(2005年)11月10日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 土蔵造2階建、鉄板葺、建築面積53平方メートル |
| 所有者 | 文化庁データベースに記載なし |
| 公開状況 | 内部は非公開(外観は公道から見学可) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 渡邉家住宅中蔵(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004971
- 文化遺産オンライン 渡邉家住宅中蔵(文化庁)
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/142241
- 登録有形文化財(建造物)(岐阜県 文化伝承課)
- https://www.pref.gifu.lg.jp/page/12417.html
- 渡辺酒造店の歴史(渡辺酒造店)
- https://www.sake-hourai.co.jp/watanabe/history/
- 瀬戸川と白壁土蔵街(飛騨市公式観光サイト「飛騨の旅」)
- https://www.hida-kankou.jp/spot/278
最終更新日: 2026.09.28