渡邉家住宅上手蔵とは

渡邉家住宅上手蔵(わたなべけじゅうたくかみてぐら)は、岐阜県飛騨市古川町壱之町の渡辺酒造店の敷地の奥、瀬戸川沿いに建つ土蔵造2階建の蔵で、明治5年(1872年)に建てられ、平成17年(2005年)11月10日に登録有形文化財となった。建築面積は53平方メートル。

渡邉家が明治3年(1870年)に酒造りを始めてから、2年後の建築である。「上手(かみて)」は上の側や奥の側を指すことばで、敷地のなかでの位置から付いた呼び名とみられるが、名の由来を記した資料は見当たらなかった。

登録と町並みのなかの位置

渡邉家住宅上手蔵の登録番号は21-0063、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は渡邉家住宅上手蔵を、古川を特徴づける土蔵群の町並みを構成する建物と評価している。

酒造りを始めた直後の明治初めに建った蔵で、江戸後期の中蔵や幕末の漬物蔵と、明治14年(1881年)の酒蔵とのあいだの時期を埋める。瀬戸川沿いの土蔵の列は、こうして少しずつ建て増されてきた。

方4間の平面と段違いの屋根

渡邉家住宅上手蔵の平面は方4間、柱の間が四つずつの正方形である。1階は西の半分を土間とし、東の半分に床を張る。荷を出し入れする土間と、品を置く床とを半分ずつに分けた構成がうかがえる。

西面の1階には観音開の扉を構え、東面には窓を上下2段に設ける。外壁は漆喰塗である。

いちばんの特徴は屋根にある。置屋根式の鉄板葺の屋根を、高さをずらした段違いに架けている。文化庁の解説で屋根の段違いに触れているのは、渡邉家住宅の土蔵のなかで渡邉家住宅上手蔵だけで、瀬戸川沿いから見ると屋根の輪郭に一段の折れが入る。

渡邉家住宅上手蔵の見学

渡邉家住宅上手蔵は渡辺酒造店の敷地内にあり、内部は公開されていない。外観は瀬戸川沿いの道から、土蔵の列の一部として見ることになる。段違いの屋根は、少し離れて見上げると形をつかみやすい。

予約制の酒蔵見学で渡邉家住宅上手蔵まで案内されるかどうかは、公開されている情報からは分からない。敷地は私有地であり、屋根の段は公道から眺めるだけで十分に読み取れる。

Q&A

Q渡邉家住宅上手蔵とはどんな建物ですか?
A渡辺酒造店の敷地の奥、瀬戸川沿いに建つ土蔵造2階建の蔵です。平面は方4間の正方形で、建築面積は53平方メートルです。
Q渡邉家住宅上手蔵はいつ建てられたのですか?
A明治5年(1872年)です。渡邉家が酒造りを始めた明治3年(1870年)の2年後にあたります。
Q渡邉家住宅上手蔵はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成17年(2005年)11月10日です。登録番号は21-0063で、国土の歴史的景観に寄与しているものとして登録されました。
Q渡邉家住宅上手蔵の見どころはどこですか?
A高さをずらして架けた段違いの置屋根です。1階を西半分の土間と東半分の床に分けた平面、西面の観音開の扉、東面2段の窓も特徴です。
Q渡邉家住宅上手蔵の中は見学できますか?
A内部は公開されていません。外観は瀬戸川沿いの道から見られます。渡辺酒造店の酒蔵見学に上手蔵が含まれるかは案内されていません。

基本情報

名称渡邉家住宅上手蔵
所在地岐阜県飛騨市古川町壱之町7-3
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号21-0063
指定年平成17年(2005年)11月10日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、鉄板葺、建築面積53平方メートル
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況内部は非公開(外観は公道から見学可)

参考文献

国指定文化財等データベース 渡邉家住宅上手蔵(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004970
登録有形文化財(建造物)(岐阜県 文化伝承課)
https://www.pref.gifu.lg.jp/page/12417.html
渡辺酒造店の歴史(渡辺酒造店)
https://www.sake-hourai.co.jp/watanabe/history/
瀬戸川と白壁土蔵街(飛騨市公式観光サイト「飛騨の旅」)
https://www.hida-kankou.jp/spot/278

最終更新日: 2026.09.28