両部鳥居とは

両部鳥居は、明神鳥居の形を基本に、二本の本柱それぞれの前後に稚児柱と呼ぶ短い控えの柱を立て、本柱と貫でつないで補強した鳥居である。本柱と稚児柱の頂部には小さな屋根をかけることが多い。柱が計六本になり、稚児柱が本柱を支える姿から、四脚鳥居、権現鳥居とも呼ばれる。

稚児柱は、門の控柱と同じく本柱の倒れを防ぐ役目をもつ。大型の鳥居や、水中や傾斜地に建つ鳥居など、本柱だけでは安定しにくい場合に用いられる。名称は、神仏習合の考え方である両部神道にちなむと説明されることが多い。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では「木造両部鳥居」「石造両部鳥居」のように、材料と形式を合わせて書く。山梨県山梨市の窪八幡神社鳥居は、天文4年(1535年)の木造両部鳥居で重要文化財に指定されている。岡山市の葦守八幡宮の八幡神社鳥居は、康安元年(1361年)の刻銘をもつ石造両部鳥居で、同じく重要文化財である。木造と石造の両方に古い両部鳥居が残ることが分かる。

現地では、鳥居の柱の足元を見る。本柱の前後に短い柱が添えられ、横材で本柱とつながっていれば両部鳥居である。稚児柱の上に屋根が載るかどうか、笠木の反りの強さなどは例によって異なる。

参考文献

窪八幡神社鳥居|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/874
八幡神社鳥居(葦守八幡宮)|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/3000

最終更新: 2026.09.26