敷地で最も古い煉瓦

上毛倉庫が前橋駅前に守ってきた倉庫のうち、煉瓦造がもっとも古い。三号煉瓦棟は明治29年(1896年)の建築で、会社が地域の生糸を保管するために創業した翌年にあたる。敷地の北側に南面して建つ、煉瓦造二階建、切妻造桟瓦葺の長大な建物で、建築面積は300平方メートル。

かつては繭と生糸で満たされていた。富岡製糸場の糸を含め、この地域の生糸は、こうした倉庫を経て市場へと運ばれた。

率直で丁寧な煉瓦

令和7年(2025年)8月、造形の規範となるものとして登録された。煉瓦の意匠は率直で端正である。外壁の四周には胴蛇腹と軒蛇腹が廻り、長い正面にはアーチ窓が連なる。

内部の小屋組は木造のキングポスト・トラス。隣の二号煉瓦棟とともに、敷地内で最も古い煉瓦造であり、前橋の生糸商いが最盛期を迎えた時代の生き残りである。

訪ねる

昭和22年頃、そして平成元年と平成30年の改修は、倉庫を展示物にせず使い続けるためのものだった。いまも稼働する建物で、内部は公開されていない。

煉瓦の連なりは公道から眺めるのがよい。アーチ窓と蛇腹が壁面に整然と並ぶ。生糸の歴史をより広く知るなら、富岡製糸場や前橋市蚕糸記念館が室内まで見学できる。

Q&A

Q三号煉瓦棟はどのくらい古いのですか。
A明治29年(1896年)の建築で、二号煉瓦棟とともに上毛倉庫の敷地で最も古い建物のひとつです。
Qここには何が保管されていましたか。
A繭と生糸です。上毛倉庫はこれらを保管するために設けられました。富岡製糸場を含む前橋周辺の生糸が、こうした倉庫を経ました。
Q見学できますか。
Aできません。私有の稼働中の倉庫です。アーチ窓の並ぶ煉瓦の外観は、JR前橋駅前の道から見られます。
Q壁を走る線は何ですか。
A蛇腹と呼ばれる装飾で、床の高さと軒下に一本ずつ廻ります。長い煉瓦壁を引き締める手法で、登録の評価点の一つでもあります。

基本情報

名称江原本家上毛倉庫三号煉瓦棟
所在地群馬県前橋市表町二丁目25-2
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号10-0365
登録年月日令和7年(2025年)8月6日
構造・形式煉瓦造2階建、瓦葺、建築面積300㎡
年代明治29年(1896年)/昭和22年頃・平成元年・平成30年改修
所有上毛倉庫株式会社(私有)
公開稼働中の営業倉庫。外観は公道から見学可、内部は非公開

参考文献

国指定文化財等データベース — 江原本家上毛倉庫三号煉瓦棟
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015403
群馬県 文化遺産課 — 群馬の文化財
https://www.pref.gunma.jp/page/5190.html
前橋市 — 国指定文化財一覧
https://www.city.maebashi.gunma.jp/soshiki/kyoiku/bunkazaihogo/gyomu/3/2/5104.html

最終更新日: 2026.07.03