藤生家住宅稲荷社覆屋 ― 屋敷神の社を包む1.9平方メートルの建物

藤生家住宅稲荷社覆屋(ふじうけじゅうたくいなりしゃおおいや)は、群馬県桐生市広沢町の藤生家住宅で敷地北半部のほぼ中央に建つ明治前期の木造平屋建の覆屋で、内部の稲荷社と石宮2基を含めて平成19年(2007年)5月15日に登録有形文化財に登録された。

覆屋とは、小さな社を風雨から守るために、その上から架ける建物のことである。藤生家住宅稲荷社覆屋は間口3尺5寸の方1間で、建築面積はわずか1.9平方メートル。藤生家住宅に登録された建物のなかで最も小さい。

造りの特徴 ― 流造の屋根と両開きの板扉

藤生家住宅稲荷社覆屋は、丸石を積んだ基壇の上に建つ。正面に向拝の柱を立て、神社の本殿によく見られる流造の屋根を架けて鉄板で葺く。

外壁は真壁造の白漆喰塗で、正面には両開きの板扉を吊り込む。内部には板床を張り、稲荷社を祀っている。扉を閉じれば、覆屋全体が社を納める厨子のような役割を果たす。

登録の理由 ― 覆屋より古い稲荷社

藤生家住宅稲荷社覆屋は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。

注目したいのは、内部の稲荷社が江戸期の製作と推定されていることである。覆屋は明治前期の建築なので、社そのものはそれよりも前から藤生家で祀られていたことになる。稲荷は五穀の豊かな実りや家の繁栄を願う神として、農家の屋敷神に広く迎えられてきた。江戸後期の主屋とともに、この社は屋敷の古い層に属する。

藤生家住宅稲荷社覆屋の見学

藤生家住宅稲荷社覆屋は敷地北半部の中央にあり、道路から見ることはできない。屋敷神として個人の住宅の中で祀られているもので、参拝や見学は受け付けていない。

藤生家住宅を訪ねる際は、敷地に入らず、道路からの見学にとどめてほしい。

Q&A

Q藤生家住宅稲荷社覆屋の「覆屋」とは何ですか?
A小さな社を風雨から守るために、その上から架ける建物のことです。藤生家住宅稲荷社覆屋は、内部に稲荷社を祀っています。
Q藤生家住宅稲荷社覆屋の中の稲荷社はいつのものですか?
A江戸期の製作と推定されています。覆屋は明治前期の建築なので、社はそれ以前から祀られていたと考えられます。
Q藤生家住宅稲荷社覆屋の大きさはどのくらいですか?
A間口3尺5寸の方1間で、建築面積は1.9平方メートルです。藤生家住宅の登録建物のなかで最も小さい建物です。
Q藤生家住宅稲荷社覆屋の登録には何が含まれていますか?
A覆屋に加え、内部の稲荷社と石宮2基が付属として含まれています。平成19年(2007年)5月15日に登録されました。
Q藤生家住宅稲荷社覆屋に参拝できますか?
Aできません。個人の住宅で祀られている屋敷神で、敷地は公開されていません。

基本情報

名称藤生家住宅稲荷社覆屋
所在地群馬県桐生市広沢町5-1179
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成19年(2007年)5月15日登録(第54回、登録番号10-0223)
員数1棟(稲荷社及び石宮2基付)
寸法建築面積1.9平方メートル、間口3尺5寸
所有者個人
公開状況非公開(個人の住宅)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)― 藤生家住宅稲荷社覆屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006151
文化遺産オンライン ― 藤生家住宅稲荷社覆屋
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/152755
桐生市 ― 国登録文化財一覧
https://www.city.kiryu.lg.jp/kankou/bunkazai/1010700/kunitouroku/1001989.html

最終更新日: 2026.09.25