藤生家住宅浴室 ― 五右衛門風呂を据えた大正期の湯殿
藤生家住宅浴室(ふじうけじゅうたくよくしつ)は、群馬県桐生市広沢町の藤生家住宅で主屋の背後、内蔵と味噌蔵のあいだに建つ大正期(1912〜1925年)の木造平屋建の浴室棟で、平成19年(2007年)5月15日に登録有形文化財に登録された。
桁行1間半、梁間1間の東西に長い小さな建物で、建築面積は5平方メートル。屋根は切妻造・桟瓦葺とする。藤生家住宅に登録された建物のなかでは、稲荷社覆屋に次いで小さい。
造りの特徴 ― 凝灰岩の腰壁とタイル貼の五右衛門風呂
藤生家住宅浴室の外壁は、腰の高さまで凝灰岩の切石を積み、その上を縦羽目板張とする。湯気や水はねを受ける下半分を石にし、木部を濡れから遠ざける造りである。凝灰岩は加工しやすく、この屋敷では西井戸の井戸枠にも使われている。
浴槽は五右衛門風呂で、外側をタイルで貼っている。鉄の釜を下から焚いて湯を沸かす風呂に、大正期らしいタイルの仕上げを組み合わせたものである。戸口と窓にはガラス障子を入れ、明るさを取り込んでいる。
登録の理由 ― 暮らしの更新を示す小建築
藤生家住宅浴室は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。わずか5平方メートルの建物ながら、江戸後期の主屋から始まった屋敷に、大正期になってタイルやガラスといった新しい材料が入ってきたことを具体的に示す。
隠居屋にも西側に風呂棟があり、藤生家住宅では住まいごとに風呂を備えていたことになる。主屋の背後、東井戸や味噌蔵と近い位置に置かれた浴室は、水を運び、火を焚く家事の動線のなかに組み込まれていた。
藤生家住宅浴室の見学
藤生家住宅浴室は主屋の背後、敷地の奥にあり、道路からは見えないと考えてよい。内部も公開されていない。
藤生家住宅は個人の住宅なので、敷地には入らないでほしい。
Q&A
- 藤生家住宅浴室の浴槽はどのようなものですか?
- 鉄の釜を下から焚いて湯を沸かす五右衛門風呂で、外側をタイルで貼っています。
- 藤生家住宅浴室はいつ建てられましたか?
- 大正期(1912〜1925年)の建築です。平成19年(2007年)5月15日に登録有形文化財に登録されました。
- 藤生家住宅浴室の外壁の下半分が石なのはなぜですか?
- 腰の高さまで凝灰岩の切石を積み、湯気や水はねから木部を守るためと考えられます。上半分は縦羽目板張です。
- 藤生家住宅浴室の大きさはどのくらいですか?
- 桁行1間半、梁間1間の木造平屋建で、建築面積は5平方メートルです。
- 藤生家住宅浴室は見学できますか?
- できません。主屋の背後の敷地の奥にあり、個人の住宅として公開されていません。
基本情報
| 名称 | 藤生家住宅浴室 |
|---|---|
| 所在地 | 群馬県桐生市広沢町5-1179 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成19年(2007年)5月15日登録(第54回、登録番号10-0222) |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 建築面積5.0平方メートル、桁行1間半・梁間1間 |
| 所有者 | 個人 |
| 公開状況 | 非公開(個人の住宅) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)― 藤生家住宅浴室
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006140
- 桐生市 ― 国登録文化財一覧
- https://www.city.kiryu.lg.jp/kankou/bunkazai/1010700/kunitouroku/1001989.html
最終更新日: 2026.09.25