1棟の土蔵 ― 2017年に登録有形文化財

小島屋土蔵は、広島県東広島市西条本町708-2にある江戸時代の建造物で、2017年(平成29年)10月27日に登録有形文化財(建造物)となった。指定された文化財ではなく、登録された文化財である。

員数は1棟である。ふりがなは、こじまやどぞうである。

構造は土蔵造2階建、瓦葺、建築面積28平方メートルとされる。年代の欄は江戸、西暦は1836年である。

年代が、窓の鉄格子の銘でわかる

建てられた年を示す文字が、窓の金物に残っている。

文化庁は、窓の鉄格子銘から年代が明らかで、と記す。銘は、金物などに刻んだ文字をいう。

窓にはめた鉄の格子に刻まれた文字が、建てられた年を伝える。年代の欄は1836年と一点で示される。

萬福寺や旧高橋家住宅では棟札が、楠森河北家住宅では墨書と家相図が、年の根拠だった。いずれも木や紙に書かれたものである。

吉田家住宅主屋では、棟札から年ではなく大工の名が読み取られた。

本件は、鉄の部材に刻まれた文字が年を示す。土蔵の窓という、火に備えた金物が記録の役も担うことになる。

この地域に残る土蔵で、最も古い

評価が、地域の範囲での古さで述べられている。

文化庁は、地域に現存する土蔵の中では最古のもの、と記す。

東広島市は、西条酒蔵群のうちの賀茂鶴酒造一号蔵の構成として、明治前期から昭和初期の棟や土蔵、井戸、主屋跡などとともに、小島屋土蔵(天保7年(1836年))を挙げる。

一覧のなかで、江戸時代のものは小島屋土蔵だけで、ほかは明治以降である。

旧草加小学校西校舎は県内最初期、旧山中家住宅主屋は市内に残る近世に遡る農家建築とされた。

本件は地域という範囲で、しかも現存するもののなかの最古とされる。

国の登録と、市の史跡の構成とを兼ねる

一つの建物が、国と市の両方の文化財の仕組みに入っている。

国は、この土蔵を1棟の登録有形文化財(建造物)として登録している。

東広島市は、この土蔵を、市の史跡である西条酒蔵群のうち賀茂鶴酒造一号蔵を構成するものの一つとして挙げる。

国では単独の建物として、市では酒蔵群の一部として扱われる。

名称の小島屋は屋号で、同じ構成に並ぶ賀茂鶴酒造とは別の名である。建物の名が、いまの持ち主とは違う屋号を伝えることになる。

九州電力大田発電所本館では、名称が今の事業者を、妻面の家紋が建てた家を示していた。本件は、名称そのものが別の屋号を残す。

見学

所在は広島県東広島市西条本町708-2である。

文化庁は、白牡丹、賀茂鶴等造酒屋が集中する西条中心地に位置する、と記す。

土蔵造2階建、置屋根形式の桟瓦葺で、外壁は基礎石上に竪板を高く張り、上部漆喰塗とする、とされる。置屋根は、土蔵の本体の上に別に組んだ屋根を載せる形式をいう。

文化庁は、西条の景観を特徴付ける蔵、と結ぶ。建築面積28平方メートルの小さな土蔵である。

酒造会社の敷地に関わる建物であり、見学の可否や条件は所有者の定めによる。訪問前に確認したい。

Q&A

Q小島屋土蔵はいつ登録されましたか。
A2017年(平成29年)10月27日に登録有形文化財(建造物)となりました。指定ではなく登録で、員数は1棟です。
Qどうして建てた年がわかるのですか。
A文化庁は「窓の鉄格子銘から年代が明らか」と記します。窓の鉄格子に刻まれた文字が年を伝えます。
Qどのくらい古いのですか。
A年代の欄は1836年で、文化庁は「地域に現存する土蔵の中では最古のもの」と記します。
Q市の文化財でもあるのですか。
A東広島市は、市の史跡である西条酒蔵群のうち賀茂鶴酒造一号蔵の構成の一つにこの土蔵を挙げています。
Q置屋根とは何ですか。
A土蔵の本体の上に、別に組んだ屋根を載せる形式です。本件は置屋根形式の桟瓦葺です。

基本情報

名称小島屋土蔵(こじまやどぞう)
所在地広島県東広島市西条本町708-2
指定区分登録有形文化財(建造物)/指定ではなく登録/東広島市は市の史跡の構成の一つに挙げる
指定年2017年(平成29年)10月27日 登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積28平方メートル。置屋根形式の桟瓦葺で、外壁は基礎石上に竪板を高く張り、上部漆喰塗とする。年代は窓の鉄格子銘から明らかで、年代の欄は江戸、西暦は1836年
所有者記録に記載なし
公開状況見学の可否や条件は所有者の定めによる

参考文献

最終更新日: 2026.09.22