創業の時から使われてきた井戸

賀茂鶴酒造一号蔵井戸は、広島県東広島市西条本町の賀茂鶴酒造創業の地に残る明治前期(1868〜1882年)の石造の井戸で、平成29年(2017年)6月28日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「かもつるしゅぞういちごうぐらいど」で、員数は1基である。

賀茂鶴酒造一号蔵井戸は敷地の南東隅にある。文化庁の解説は、賀茂鶴酒造が酒造りを始めたころから使われてきた井戸だとしている。東広島市の史跡の資料も、一号蔵を構成する遺構の一つとしてこの井戸を明治初期のものに数える。

六角の井戸桁と円い石組

地上に見える井戸桁は、切石を積んだ六角形である。地下は自然石を円く組んだ井筒になっており、地上と地下で形が変わる。面積は3.2平方メートルある。

西条の酒は、龍王山に降った雨が地中をくぐって湧く伏流水で仕込まれる。蔵元は軟水に近い中硬水だと紹介している。蔵ごとに仕込み水の井戸を持つのが西条の酒蔵の常で、賀茂鶴酒造には一号蔵井戸のほかに二号蔵の東井戸と西井戸、四号蔵井戸の計4基が登録されている。六角の切石の井戸桁は二号蔵西井戸・四号蔵井戸と共通し、二号蔵東井戸だけが自然石を円く積む。

賀茂鶴酒造一号蔵井戸が評価された点

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁は、酒造の町西条の景観を形づくるだけでなく、蔵元の創業からの歴史を伝える井戸である点を評価している。一号蔵井戸を含む一号蔵は、令和6年(2024年)2月21日に史跡「西条酒蔵群」の構成要素にも指定された。

賀茂鶴酒造一号蔵井戸の見学

賀茂鶴酒造一号蔵井戸を公開するという案内は、蔵元・東広島市ともに見当たらない。一号蔵の直営店の前には仕込み水を汲める井戸があると紹介されることがあるが、それが敷地の南東隅にあるこの登録井戸と同じものかは確認できなかった。

直営店(午前10時から午後6時)を訪れる際は、六角の井戸桁かどうかを目印に確かめるとよい。

Q&A

Q賀茂鶴酒造一号蔵井戸はどこにありますか?
A賀茂鶴酒造創業の地(東広島市西条本町708-1)の南東隅にあります。
Q賀茂鶴酒造一号蔵井戸はいつのものですか?
A文化庁は明治前期(1868〜1882年)とし、創業のころから使われてきた井戸と説明しています。
Q賀茂鶴酒造一号蔵井戸の形は?
A地上の井戸桁は切石積の六角形、地下は自然石を円く組んだ石組です。
Q賀茂鶴酒造一号蔵井戸の水を汲めますか?
Aこの登録井戸を開放するという案内は見当たりません。直営店前の汲める井戸がこれと同じかは確認できていません。
Q賀茂鶴酒造一号蔵井戸のほかに登録された井戸はありますか?
A二号蔵の東井戸・西井戸と四号蔵井戸があり、賀茂鶴酒造の登録井戸は合わせて4基です。

基本情報

名称賀茂鶴酒造一号蔵井戸(かもつるしゅぞういちごうぐらいど)
所在地広島県東広島市西条本町708-1
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号34-0231
指定年平成29年(2017年)6月28日登録
員数1基
寸法石造、井戸桁は切石積の六角形、地下は円形の石組、面積3.2平方メートル
所有者賀茂鶴酒造株式会社
公開状況公開の案内なし

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):賀茂鶴酒造一号蔵井戸
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011820
文化遺産オンライン:賀茂鶴酒造一号蔵井戸
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/286066
東広島市:賀茂鶴酒造一号蔵(史跡 西条酒蔵群)
https://www.city.higashihiroshima.lg.jp/soshiki/kyoikuiinkaishogaigakushu/3/11/bunkazai/town/saijo/sakaguragun/39657.html
賀茂鶴酒造株式会社:日本酒の未来を拓く Episode 02
https://www.kamotsuru.jp/150th-anniversary/interview02/
賀茂鶴酒造株式会社:一号蔵(蔵元直営店)
https://www.kamotsuru.jp/tour/

最終更新日: 2026.10.01