加藤家住宅主屋とは
加藤家住宅主屋は、兵庫県姫路市網干区余子浜にある加藤家の屋敷の中心となる住まいで、文久2年(1862年)に建てられ、平成21年(2009年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「かとうけじゅうたくしゅおく」。
敷地の中央に東西に長く建ち、桁行23メートル、梁間14メートル。木造平屋建の一部を2階建とし、建築面積は279平方メートルある。屋敷の8棟のなかで最も大きく、明治時代の前期と後期の2度にわたって改修を受けている。
加藤家住宅主屋が登録された理由
加藤家住宅主屋は、登録有形文化財の基準のうち「国土の歴史的景観に寄与しているもの」に当たるとして登録された。姫路市は加藤家を、江戸時代に運送業を、明治時代以降に醤油の醸造などを営んだ家と説明している。主屋はその家業を支えた一家の暮らしの場だった。
文化庁の解説が評価するのは、屋根のつくる外観である。大きな建物の屋根は一枚の面になって単調になりやすいが、加藤家住宅主屋は2か所で屋根を低く落とし、重さと変化を両立させている。幕末に建った住まいが明治の手直しを受けながら、いまも屋敷の真ん中を占めていることも、景観の核としての価値を支えている。
加藤家住宅主屋の見どころ
屋根は入母屋造で、本瓦と桟瓦を使い分けた錣葺とする。錣葺は、上の屋根と下の屋根のあいだに段を付けて葺き下ろす形で、兜の錣のように屋根が途中で折れて見える。
外観に変化を与えているのが落棟である。加藤家住宅主屋では、角の座敷である「上ノ間」と、土間の後方の2か所で、屋根の棟を一段低くしている。大棟から下がった屋根が脇に取り付くため、屋根の高さが一様にならず、見る位置によって輪郭が変わる。
間取りは西寄りを土間とし、床上の部分は九間取系とされる。部屋を縦横3室ずつ並べる形を基本にした構成で、規模の大きな民家に用いられる型である。正面中央には客を迎える式台を構え、その正面には敷地南辺の長屋門の門口がほぼ一直線に開く。
加藤家住宅主屋の見学
加藤家住宅主屋は個人の住宅で、内部は公開されていない。敷地の中央に建つうえ、南辺には長さ20メートルの長屋門が立つので、道から全体の姿を見ることは難しい。
錣葺の段と落棟の重なりは、文化庁のデータベースに載る写真で確かめられる。現地では敷地に立ち入らず、外から屋根の一部を眺めるにとどめたい。屋敷への行き方と見学の注意は、加藤家住宅(姫路市)のページにまとめてある。
Q&A
- 加藤家住宅主屋はいつ建てられましたか?
- 文久2年(1862年)です。その後、明治時代の前期と後期に改修されています。
- 加藤家住宅主屋の大きさは?
- 桁行23メートル、梁間14メートル、建築面積279平方メートルの木造平屋建(一部2階建)で、屋敷の8棟のうち最も大きな建物です。
- 加藤家住宅主屋の屋根の特徴は?
- 入母屋造で、本瓦と桟瓦を使い分けた錣葺です。角座敷の「上ノ間」と土間の後方を落棟として屋根を低くしており、重厚で変化のある外観になっています。
- 加藤家住宅主屋の間取りは?
- 西寄りを土間とし、床上は九間取系の構成です。正面中央に式台を構え、長屋門の門口とほぼ向かい合っています。
- 加藤家住宅主屋は見学できますか?
- 個人の住宅のため内部は公開されていません。敷地の中央に建つので、外から全体を見ることも難しい建物です。
基本情報
| 名称 | 加藤家住宅主屋 |
|---|---|
| 所在地 | 兵庫県姫路市網干区余子浜字船渡53-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成21年(2009年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 建築面積279㎡(桁行23m、梁間14m) |
| 所有者 | 個人 |
| 公開状況 | 非公開(個人の住宅) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)加藤家住宅主屋
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007514
- 姫路市 加藤家住宅主屋(国登録・建造物)
- https://www.city.himeji.lg.jp/kanko/0000001718.html
- 姫路市 国登録文化財・国選択文化財・国選定保存技術の一覧
- https://www.city.himeji.lg.jp/kanko/0000001691.html
最終更新日: 2026.10.01