屋敷で唯一の明治建築

離屋は、別府町新野辺の大歳家の屋敷で主屋の北西方に位置する。東西の什器蔵や隠居部屋とともに、屋敷北端の裏庭的な空間を構成する一要素である。

この棟は年代の点で周囲と異なる。主屋が天保6年、蔵の多くが19世紀の江戸期であるのに対し、離屋は明治時代の建築とされる。桟瓦葺、入母屋造、簓子下見の2階建で、階下は3畳間・浴室・便所と入口部の板敷間から成り、主屋のオクナンドの北側廊下に接続する。

登録の意義

離屋は平成11年(1999)11月18日、大歳家9棟の一部として登録された。屋敷群のなかでは、入浴や洗いといった家の裏方の機能が背面にどう配されたかを示す役割を担う。

江戸期に根ざす建物が多いなかで唯一の明治建築であることは、主屋の建設後も屋敷が全体の統一を崩さずに増改築を重ねた経緯を記す点でも意味がある。

見どころ

簓子下見の板壁は、隣接する塗壁の蔵よりも簡素で実用的な表情を与えており、屋敷北端を読むうえでの手がかりになる。2階建のため、近くの低い隠居部屋や蔵より背が高い。

屋敷は個人所有で常時公開はされていない。外からは、見せるための建物としてよりも日陰の背面棟の一部として捉えるのが自然で、それがこの棟の性格でもある。

Q&A

Q離屋の特徴は。
A9棟の中で唯一の明治期建築で、ほかは江戸期の建物です。
Q内部の構成は。
A階下は3畳間・浴室・便所と入口部の板敷間から成ります。
Q簓子下見とは。
A細い押縁で下見板を留めた板壁で、簡素で実用的な外観になります。
Q見学できますか。
A個人所有の住宅内にあり、常時公開はされていません。

基本情報

名称大歳家住宅離屋(おおとしけじゅうたくはなれや)
所在地兵庫県加古川市別府町新野辺881番地
区分登録有形文化財(建造物)
登録年月日平成11年(1999)11月18日
構造・形式木造2階建、桟瓦葺・入母屋造・簓子下見、建築面積約25平方メートル、1棟
時代明治時代・19世紀
公開個人所有の住宅の一部。常時公開なし

参考文献

最終更新日: 2026.07.04