一木歯科医院とは:類焼のあとに防火を考えて建てた大正の医院

一木歯科医院(いちきしかいいん)は、茨城県筑西市甲にある大正11年(1922年)築の木造2階建ての歯科医院で、平成11年(1999年)8月23日に登録有形文化財に登録された。

文化庁の記録では、屋根は鉄板葺、建築面積は30平方メートル。登録基準は「再現することが容易でないもの」である。

筑西市によると、一木歯科医院は現在も歯科医院として使われている。外壁や屋根の修理と内部の改造が行われたが、当初の印象は保たれているという。

一木歯科医院が建てられた経緯

文化庁の解説によると、一木歯科医院は大正10年(1921年)に隣家の失火で類焼したのち、再建された建物である。そのため、防火に配慮した造りになっている。

筑西市は、外見は洋風だが柱や梁は木造で、診療室を除く患者待合室と二階の二間は和室であると紹介している。洋風の外観の内側に、和室を含む間取りが納まっている。

一木歯科医院の価値:木造の鉄網コンクリート仕上げ

防火のために採られたのが、鉄網コンクリート仕上げである。筑西市によると、木造の骨組みに金網を張り、その上にコンクリートを厚く塗る方法で、この方法による建物は全国的にも少ない。

文化庁は一木歯科医院を、木造鉄網コンクリート仕上げの数少ない遺存例として貴重とし、登録の理由としている。

一木歯科医院の見どころ:上げ下げ窓の並ぶ外観

文化庁の解説は、外観を上げ下げ窓を割り付けただけの単純な構成としながら、プロポーションが的確で、古典的な風格すら感じさせると評している。

通りから見るときは、壁面に並ぶ上げ下げ窓の配置と、建物全体の縦横の比に注目したい。装飾に頼らず、窓の並びと壁の厚みだけで洋風の表情をつくっている。

一木歯科医院の見学方法

一木歯科医院は現役の歯科医院のため、内部の見学はできない。外観は通りから眺められるが、診療中の患者や近隣への配慮が必要である。文化財についての問い合わせは筑西市へ。

Q&A

Q一木歯科医院はいつ建てられたのですか?
A大正10年(1921年)に隣家の火事で類焼したのち、大正11年(1922年)に再建されました。
Q鉄網コンクリート仕上げとは何ですか?
A木造の骨組みに金網を張り、その上にコンクリートを厚く塗って仕上げる方法です。防火のために採られました。
Q一木歯科医院は今も歯科医院ですか?
A筑西市によると、現在も歯科医院として使われています。
Q一木歯科医院の中は見学できますか?
A現役の医院のため内部は見学できません。外観は通りから見られます。
Q一木歯科医院はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成11年(1999年)8月23日に登録されました。

基本情報

名称一木歯科医院(いちきしかいいん)
所在地茨城県筑西市甲12
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成11年(1999年)8月23日登録
員数1棟
寸法木造2階建(鉄網コンクリート仕上げ)、鉄板葺、建築面積30平方メートル
所有者文化庁の記録に記載なし
公開状況現役の歯科医院。内部は非公開

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「一木歯科医院」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001239
文化遺産オンライン「一木歯科医院」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/192239
筑西市「一木歯科医院」
https://www.city.chikusei.lg.jp/kyouiku-bunka-sports/bunkazai/nationally-registered/page000273.html

最終更新日: 2026.09.27