米内浄水場水道記念館とは
米内浄水場水道記念館(よないじょうすいじょうすいどうきねんかん)は、岩手県盛岡市上米内の米内浄水場に昭和9年(1934年)に管理事務所として建てられた木造平屋建の建物で、平成11年(1999年)8月23日に登録有形文化財に登録された。登録番号は03-0019、瓦葺で建築面積は157平方メートル。米内浄水場で登録された8件のうち、唯一の木造建築である。
盛岡市上下水道局によると、水道事業の開始と同時に、施設の管理事務所と管理人の住居を兼ねて建てられた。昭和59年(1984年)、水道事業の創設50周年を記念して「水道記念館」に改められ、盛岡の水道の歴史を伝える展示施設になった。盛岡市の景観重要建造物にも含まれている。
米内浄水場水道記念館の建築と登録の理由
文化庁の解説によると、米内浄水場水道記念館は敷地の南東寄り、沈殿池やろ過池など構内を見渡せる位置に建つ。平面は正面の左右に翼屋を張り出した凹字型で、寄棟造の瓦屋根の正面中央にはドーマー窓を載せる。外装にスクラッチタイルを使っている点に、時代の特徴が認められるとしている。
浄水場を見渡す位置は、管理事務所として構内の池の様子を見守るためのものだったと考えられる。盛岡市は、正面の外観が左右対称で、全体に昭和初期のモダンな折衷様式のデザインを色濃く残していると評価している。
外装の記録には違いがある。盛岡市の景観重要建造物の調査は外装を「モルタル塗リシン仕上」、一部を人造石洗出しとしており、文化庁の解説にあるスクラッチタイルには触れていない。盛岡市によると、昭和61年(1986年)に外装を修復した際、玄関の庇を新しくして支柱を付けたほかは、外観を当初のものに忠実に復元したという。
米内浄水場水道記念館の見どころと展示
米内浄水場水道記念館に近づいたら、まず正面の構成を確かめたい。中央の玄関部を左右の翼屋がはさむ凹字型の平面は、正面に立つと中央が一段奥まって見える。寄棟の瓦屋根の中央から突き出たドーマー窓が、左右対称の軸を屋根の上で示している。
館内は、水にまつわる「源」「澄」「涵」の3つの文字をテーマに展示を構成している。「源」のコーナーには、この建物自身の設計図や昭和3年(1928年)の盛岡市街図があり、建設当時に事務室として使われた部屋で見ることができる。「澄」では、重機も道路も十分でなかった時代の水道工事の写真を、「涵」では水源の森を守る取り組みと、水道創設を記念して植えられた桜を紹介している。
建物の外にはスロープが設けられ、駐車場の脇には多目的の水洗トイレがある。
米内浄水場水道記念館の見学
米内浄水場水道記念館について、上下水道局は開館期間を4月16日から11月30日まで、開館時間を午前9時30分から午後4時30分まで(一部期間を除く)、休館日を土曜・日曜・祝日と案内している。入館は無料で、見学を希望する人には事前の申し込みを求めている。問い合わせ先は電話019-667-2280。浄水場の構内はふだん立入禁止なので、訪ねる前に必ず申し込んで条件を確かめてほしい。
春の桜の一般公開の期間には、記念館も特別に公開される。令和8年(2026年)は4月22日から5月6日までで、浄水場の公開が午前9時から午後4時30分、記念館の公開は午後4時までだった。館内での撮影の可否は案内に出ていないため、係員に確認したい。最寄り駅はJR山田線の上米内駅で、浄水場の正門まで歩いて2分ほどである。
Q&A
- 米内浄水場水道記念館は何に使われていた建物ですか?
- 昭和9年(1934年)の水道事業の開始と同時に、浄水場の管理事務所と管理人の住居を兼ねて建てられました。昭和59年(1984年)に水道の歴史を伝える記念館になりました。
- 米内浄水場水道記念館の建築の特徴は?
- 木造平屋建、瓦葺の寄棟屋根で、正面の左右に翼屋を張り出した凹字型の平面をとり、屋根の正面中央にドーマー窓を載せています。文化庁はスクラッチタイルの使用を時代の特徴に挙げています。
- 米内浄水場水道記念館では何が見られますか?
- 「源」「澄」「涵」の3つのテーマで、記念館自身の設計図や昭和3年(1928年)の盛岡市街図、創設時の水道工事の写真、水源の森の保全や浄水場の桜についての展示があります。
- 米内浄水場水道記念館の開館時間と入館料は?
- 上下水道局の案内では、4月16日から11月30日までの平日、午前9時30分から午後4時30分まで(一部期間を除く)で、入館は無料です。見学には事前の申し込みが必要です。
- 米内浄水場水道記念館はいつ登録有形文化財になりましたか?
- 平成11年(1999年)8月23日に登録されました。登録番号は03-0019で、米内浄水場の8件のうち唯一の木造建築です。
基本情報
| 名称 | 米内浄水場水道記念館 |
|---|---|
| 所在地 | 岩手県盛岡市上米内字中居49 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成11年(1999年)8月23日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造平屋建、瓦葺、建築面積157平方メートル |
| 所有者 | 盛岡市水道事業管理者 |
| 公開状況 | 4月16日から11月30日の平日に開館(午前9時30分から午後4時30分、無料、要事前申込)。春の桜の一般公開期間にも公開 |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 米内浄水場水道記念館(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001221
- 文化遺産オンライン 米内浄水場水道記念館
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/138491
- 盛岡市上下水道局 水道記念館
- https://www.morioka-water.jp/about/kinenkan.html
- 盛岡市 景観重要建造物 米内浄水場
- https://www.city.morioka.iwate.jp/kanko_sports_bunka/rkeishi_bunkazai/kenzobutsu/1009401.html
- 盛岡市プレスリリース 米内浄水場の桜を一般公開します(令和8年4月13日、PDF)
- https://www.city.morioka.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/056/053/0413josui.pdf
最終更新日: 2026.10.02