屋根と扉を備えた石造の井戸

鮫島家住宅井戸は、鹿児島県南さつま市加世田武田の加世田麓にある明治後期の石造の井戸で、平成23年(2011年)7月25日に国の登録有形文化財となった。屋敷正面の通りの奥に位置し、所在地の地番は18274-1で、主屋などの18275とは異なる。

井戸は正面1.2メートル、奥行1.1メートル、面積1.3平方メートルの小さな工作物である。三方を凝灰岩の切石で積み上げて囲い、上には石の板を並べて片流れの屋根をかけ、正面に両開きの板戸を立てる。井戸そのものを小さな石の小屋に収めた形である。

暮らしの水場として

井戸の前方から北面のまわりには石を貼り、洗い場としている。水を汲むだけでなく、その場で洗い物をする場所まで含めて一つの設備になっている。北側には水神が祀られている。

加世田麓では、用水路沿いに石造りの洗い場が残ることが町並みの特色として挙げられている。鮫島家住宅井戸は、そうした水まわりの設えが屋敷の中でどう整えられていたかを示す遺構で、文化庁の解説も当時の生活を伝えるものと位置づけている。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

材料の凝灰岩は、鮫島家住宅の石塀と同じ種類の石である。屋根まで石の板で葺いてあり、常に水気のある場所にあっても傷みにくいつくりになっている。

見どころ

鮫島家住宅井戸を見るなら、石の片流れ屋根と両開きの板戸、そして前に広がる石貼りの洗い場の3つを一組として眺めたい。水神を祀る北側と合わせ、水をめぐる所作がこの1.3平方メートルのまわりに集められている。

見学について

鮫島家住宅井戸は個人の屋敷の一部で、公開はされていない(2026年9月確認)。通りからどの程度見えるかは、公開されている資料からは確認できない。敷地に踏み込まず、道路から見える範囲で眺めたい。屋敷への行き方は鮫島家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q鮫島家住宅井戸はどんな形をしていますか?
A三方を凝灰岩の切石で囲い、石の板を並べた片流れ屋根をかけ、正面に両開きの板戸を立てた石造の井戸です。正面1.2メートル、奥行1.1メートルあります。
Q鮫島家住宅井戸のまわりには何がありますか?
A前方から北面のまわりに石を貼った洗い場があり、北側には水神が祀られています。
Q鮫島家住宅井戸の所在地が主屋と違うのはなぜですか?
A井戸は地番18274-1の土地にあり、主屋など他の6件がある18275とは地番が分かれているためです。どちらも鮫島家住宅の屋敷の一部として同じ日に登録されています。
Q鮫島家住宅井戸は見学できますか?
A個人の屋敷の一部で、公開はされていません(2026年9月確認)。敷地には立ち入らないでください。
Q鮫島家住宅井戸はいつのものですか?
A明治後期のものとされ、平成23年(2011年)7月25日に登録有形文化財となりました。

基本情報

名称鮫島家住宅井戸(さめしまけじゅうたくいど)
所在地鹿児島県南さつま市加世田武田字下上鴻巣18274-1
指定区分登録有形文化財(建造物・その他工作物)、登録番号46-0098
指定年平成23年(2011年)7月25日登録
員数1基
寸法石造、面積1.3平方メートル(正面1.2メートル、奥行1.1メートル)
所有者個人(非公表)
公開状況非公開(個人住宅)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):鮫島家住宅井戸
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008796
日本遺産ポータルサイト(文化庁):鮫島(健志)家住宅
https://www.japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/4679/
薩摩の武士が生きた町(日本遺産魅力発信推進協議会):鮫島(健志)家住宅
https://kagoshima-fumoto.jp/minamisatsuma/%E9%AE%AB%E5%B3%B6%E5%81%A5%E5%BF%97%E5%AE%B6%E4%BD%8F%E5%AE%85/
国指定文化財等データベース(文化庁):南さつま市加世田麓
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/103/00000125
薩摩の武士が生きた町(日本遺産魅力発信推進協議会):加世田麓
https://kagoshima-fumoto.jp/minamisatsuma/
南さつま市観光協会:加世田麓まち歩きマップ(PDF)
https://kanko-minamisatsuma.jp/wp-content/uploads/2018/03/feature-kasedamachiaruki.pdf

最終更新日: 2026.09.25